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GWにおススメの投資本5選

皆さんこんにちはシナト(@sinato555)と申します。自粛期間の中如何お過ごしょうか?私はと言いますと読書と映画を見る毎日です。GWも特にやることもないので何冊か買った本と資格の勉強でもできればと思っています。GWに本を読みたいと思い検索すると大体多くの投資ブログでは「ウォール街のランダム・ウォーカー」・「敗者のゲーム」・「株式投資の未来」や日本のブロガーの書いた本が紹介されているばかりで読みたいと思える本がなかったのでその様に感じられている方が私以外にもいらっしゃればと思いGWに皆さんにぜひ手に取って頂きたい本を5冊ほどご紹介できればと思います。

①ファイナンス理論全史 田渕 直也著

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 1冊目は金融理論の発展の歴史を書いた本です。1章から6章からなるこの本は序盤はランダムウォーク理論とそれからなる効率的市場仮説とそれを元に作られたポートフォリオ理論やインデックス投資などの伝統的金融工学で形作られたものを解説しています。中盤ではブラックマンデー、リーマンショック等に焦点を当て伝統的金融工学では予測しきれないリスクとその欠点について解説しています。また終盤ではその伝統的金融工学では解決できない市場の動きを読み解こうとする行動ファイナンスについて記載する流れになっています。この本は小難しい金融理論を解説しながら数式は一切使わずその理論のエッセンスを伝えてくれます。様々な理論の不完全さを説明しながら、だが理論を軽んじることもなく不完全な理論を現実の市場にどう個人的投資家が活かすべきかを教えてくれる名著です。ぜひ投資理論に興味あるけど数学苦手という方や金融用語むずっ!何言ってるの?って方はご一読いただければと思います。

②リーマンショック・コンフィデンシャル 上・下 アンドリュー・ロス・ソーキン著

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 2冊目は小説です。皆様の中にもリーマンショックを潜り抜けて投資をされている方がいらっしゃるのではないのでしょうか。ただ何故リーマンショックが起きてしまったのかまで全容をご存じの方は少ないかと思います。この本は著者が500時間に及ぶ当事者からのインタビューに基づいて書かれたノンフィクション小説です。一人の主人公と視点というよりは複数人の視点で描かれています。全米第4位のリーマン・ブラザーズの規模を誇った投資銀行がなぜ破綻したのか。全米第5位の投資銀行ベア・スターンズ、全米最大の保険会社AIG、ファニーメイ、フレディーマックは救済され何故リーマンだけ破綻したのか、破綻せねばならなかったのか。崩壊し出す住宅債権、止まらない不良債権の波、イギリスの裏切り、日本からの助け船、米国議会の紛糾と世論、事実は小説よりも奇なり、です。投資収益は1%も向上しませんが読み物として最高に面白いのでぜひ読んでみられては?

③アセットアロケーションの最適化 ロバート・カーバー著

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 3冊目は投資理論本です。全700ページに及び価格も7800円という破格の本ですが内容は素晴らしいです。本書は何に投資すべきか、その投資対象にいくら投資するべきか、投資対象が分かったとしてどの様な方法で投資すべきか、投資対象に変更をくわえるべきか等、不確実な市場において何に投資すべきかに答えを与えてくれます。この本に関しては以前かなり長い書評をnoteで書きましたのでご興味がある方はそちらをご一読いただければと思います。

④行動ファイナンスの実践 投資家心理が動かす金融市場を読む ジェームス・モンティア著

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4冊目は行動ファイナンスの本です。現代ファイナンス理論自体に欠点が叫ばれはじめ急速にそれに代わる理論として発展してきた行動ファイナンス理論。人間は利得より損失の方が2倍ほど強く感じるというプロスペクト理論というのを皆さん聞いたことあるでしょうか?行動経済学で最も有名な理論であり不確実性が強い投資では有益そうな理論ではありますが素人の私からしたらそれが分かっているからといって「で、何、どうすればいいの?狼狽売りさえしなければいいんでしょ?」程度にしか考えられないわけです。行動経済学の本を読んでも投資に個人投資家がどう役立てるべきかは書いていません。この本はそんな行動心理学の研究結果をどう投資に生かすべきかを具体的かつ実践的に説明してくれます。市場は時に人間の心理によって不合理になります、そんな市場の泳ぎ方を助けてくれる名著ですのでぜひ読んでみてください。

⑤禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン ベノワ・B・マンブルブロ、リチャード・L・ハドソン著

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5冊目はフラクタル幾何学の父マンデルブロの著書です。フラクタルとはある小さな一点と大きな一点を切り取っても同じに見えることを言います。一週間のチャートを切り取っても1年のチャートを切り取って形をみても区別がつかないのではないでしょうか?難しい数式などが分からなくても図形である程度、感覚で捉えられやすいように工夫されて書かれています。マンデルブロはブラックスワンを主張した最初の学者です。ブラックスワンというとナシーム・ニコラス・タレブの著書等が有名ですがマンデルブロの方が先であり本家です。彼が現代ファイナンス理論の根幹である市場は正規分布になるという幻想を粉々に打ち砕いた張本人と言えるでしょう。この本の趣旨としては完璧な投資理論を教えてくれるというよりは如何に今まで金科玉条の様に扱われてきた現代ファイナンス理論が危うく間違っているかを理論的に示してくれいます。また今まで信じてきたものが役に立たないならばどうするべきか、市場は何に従っているのかを記載しています。今回ご紹介している本の中では個人的に一番好きで学術的に権威のある方が書いた本ですがそれ故所々で自慢が入っていたり冗長的なので読むのが大変な本ではあります(笑)

長々と5冊もの本を紹介させて頂きましたが如何でしたでしょうか。1冊目から順に読むのが難しくなっていきますが難しい数式など分からずとも理解できる本ばかりです。どれも素晴らしい名著なのでぜひこのGWに手に取って頂きたい本です。もしご興味がありお声が多い本があれば章ごとに詳しい書評を書くことも考えておりますのでお気軽にTwitterでお声かけ頂ければと思います。それでは良いGWをお過ごしいただければと思います。

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