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語彙爆散!こどもダイアリー

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子どもの可愛さは、所作すべてが語彙HPをごりごり削る多段階ダメージ攻撃です。 (2020年1月に産まれた娘の観察日記です)
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記事一覧

鼻の中の赤ちゃんはジャズを聴かない

 耳鼻科に行きまして、鼻に細いカメラを入れてきました。  はじめての体験だ。やった!  毎日楽しそうな4歳娘をみていると、何もかもが新鮮ではじめての体験がたくさんあるのが羨ましいなって思うけど、今日はとうちゃんもやったぜ。  ところでなんで耳鼻科に行ったのかというと、嗅覚が弱い気がしたからだ。  奥さんが横で「めっちゃ唐揚げの匂いする〜」とか「金木犀の香りっていいよなぁ〜」って言ってても、ぼくは「? え、うん、いいよなぁ」とか曖昧に返す。  あんまり匂いわかってない。

なりたいときにキュアプリズムになる

 我が家にはキュアプリズムの衣装がある。  娘が3歳のときにサンタさんから賜ったものだ。  ハレの日に着るために……と買ったのだが、娘はわりと気が向いたら着る。  ふつうの休日に着て出かけることもあるし、保育園から帰ってきてお風呂入るまでの間だけ着ることもある。  こないだも夜、居酒屋に行くってときも着てた。  着せ替え人形に服を着せるかのごとく、我が身をキュアプリズムに変身させる。  大人の服の着方とは全然ちがうなぁ。  自分が着たい服を、自分が着たくなったら着て、行きた

ファミリー夜更かし

 4歳娘が保育園から帰る自転車で寝てしまい、そのまま家についてからも2時間ほど寝てしまったので、夜はやく寝かせるのは諦めてみんなで夜更かしした。  娘はプリキュアの塗り絵をし、ぼくは本を読み、かあちゃんはワークアウトなどをしていた。 「かあちゃん、次なにいろでぬってほしい?」  娘が振り向いて言うと、かあちゃんが、 「えー、じゃあ、ピンクかな。濃いめで」  と応える。  娘は「いいねぇ」と言ってまた塗り始める。 「とうちゃん、ここは何いろで塗ってほしい? とうちゃ

「こういう事なのではないだろうか」もなんもねぇリアル

 主にエッセイ的なものを書いてるので、 できごと 思ったこと それはこういうことではないだろうか? シメ  みたいな構成で書くことが多い。  けど、子どものことを書くってなると、いつも「3」いるか? と思う。  note書くとき最近は、子どものとてつもなく可愛いムーブがあって、それを脳内に留めておくと爆発しそうなのでポンッと出して周囲を巻き込んでやれ! と思って書く。  初期衝動だけで駆け抜ける。  そういう動機ってそもそもぼくの想像を超えたことに直面して起こっ

娘が珈琲豆を挽いた

 ある夜ぼくが珈琲豆の断末魔を聞いていると4歳娘がやってきて、 「とうちゃん、それわたしがやる!」  と言うので手挽きミルを渡した。  珈琲豆を噛み込んだコーヒーミルのハンドルは重い。  これまでもちょくちょく娘はコーヒーを挽きたがったが、ハンドルを持つ娘の手にぼくの手を添えていっしょに回してやってはじめてグリゴリグリゴリとやれていた。  でも今の娘、けっこうパワーある。ぼくはハンドルは完全に娘にまかせてミル本体を持つだけにした。  すると──  ごりっぎっごりごりっ

お風呂の鏡は娘のキャンバス

 お風呂にある鏡はバスタイムには曇るので、4歳娘のキャンバスとなる。  娘、まぁお風呂に入りたがらない。でも、先に入ってぼくが曇った鏡に指でお絵かきして、 「ほら見てみ! これ何の絵でしょうか?」  とかやると、脱衣所でまごまごしていた娘がぱっと興味を示したような顔をして、 「え? もしかしてピーチ姫?」  とか、 「なんでバクダンの敵(ボム兵)かいてるんかーい!」  とかノってくるので、 「こっち来ていっしょにお絵かきしようよ」  と誘うと、なかなか入らな

慈悲無き娘とバトる夜

 4歳娘はスーパーマリオにどハマりしてて、ぼくもこどものころマリオ好きで、よく取説のイラスト模写してたなーとか、親にマリオのキャラの絵描いてもらったの嬉しかったなーとか思い出したので、娘がスーパーマリオ・ワンダーの実況動画みてる傍らでお絵かきした。  テレサを描いたので、 「ほら見て! じゃーん!」  と娘に見せるが、 「…………くちの中いろぬってへんやん」  と意外と塩だった。  言われる通りに口の中の色も塗ってまた見せると、今度は、 「べろでてへんで」  っ

ポテチ晩酌は保たれた

 近所のスーパーでお酒とポテチを買った日の夜、4歳娘とお風呂に入っていると、   「とうちゃん、ポテトチップスかってくれてありがとう」    と言われてギクリとした。   「え、あー、あれ父ちゃんが食べようと思っててん」  そう、晩酌のお供に。  ぼくの返答に娘は「ダァメ!」と難色を示すかと思ったが、   「ううん」と首を振った。「とうちゃんがポテトチップスかってくれたから、エスディージーズげきじょうみれたから、ありがとうってこと!」    ああ、と思った。  湖池屋ポテ

ただし18kgある

 もうすぐ4歳になる娘とお風呂に入っていて、ラジオから『SPY×FAMILY』2期EDが流れてきた。 「とうちゃん! このおうたは!?」  色めき立つ娘。  この曲が流れるとき、娘にはやらなければならないことがある。  曲開始から50秒、サビでアーニャが両手足をパーン!と広げるシーンを我が娘もやらなければならないのだ。  なので、大急ぎでお風呂から上がり、タオルで髪と身体を拭いて、 「とうちゃん! もう『きょうの夜は~』きてまうで!」  と急かす娘の両脇を抱えた瞬間

その取捨でいいのか娘

 昨年の話だが、クリスマスプレゼントの包装資材を調達するために、3歳娘といっしょに近所の100均ショップに行った。  ぼくはじっくり見たかったので娘に、 「好きなもの一個買っていいよ」  と言った。  すると娘は、 「オッケー」  と言って、別行動をはじめた。  ぼくが包装紙材を見てるとどこからか「とうちゃぁーん!」と呼ぶ娘の声。  娘をみつけると「これにする!」とオモチャを持ってきた。  紫色のお医者さんごっこセットだった。聴診器と注射器と体温計がセットになってい

個人で享受するにはあまりにもカワイイが過剰なのでだんだん不安になってきた

 エックスのほうに書きまくっているがいま3歳でもうすぐ4歳になる娘のかわいさとおもしろムーブの更新頻度は異常だ。  信じられないくらいかわいいことや笑ってしまうようなことをノーモーションで毎日繰り出す。あまりに数がおおいので、ほっとくと泡沫の夢のようにどんどんディティールを忘れていってしまう。  なのでメモがわりにエックスに書きまくって記録している。  それだけでなく、保育園の連絡ノートにも、頼まれてもいないのにぼくは毎日「直近あった娘の成長を感じるorおもしろい行動」を

リメンバー・エクスペリメントで立ち向かえ初なわとび

 3歳娘の通う保育園で保護者参加の運動会的なやつが11月にあるという。  その情報をきいたときぼくが思ったことは、 ──来たか。  だった。  これは妻が妊娠したときから思っていたことなのだけど、遠くない未来に訪れる保護者参加運動会は間違いなくぼくの人生で最大の舞台となる。  保護者参加型運動会っていうのはつまり、最強の推しのライブの舞台にいっしょに立ってパフォーマンスするみたいなことだ。  その瞬間、推しと我は対等。それは夢のようだけど夢ではない。  そういう機会だ。

そのとき娘はプリキュアになった

 奥さんと娘の3人で『映画プリキュアオールスターズF』を観てきたけど、めちゃくちゃ面白く、そして処理不能の感情の奔流を極彩色のミラクルパワーと共にぶち込まれ続けてしまい「なんなんだいったい!?」と思ってるうちに涙腺がヤバイことになった。奥さんも同様のようであった。 3歳娘はどうだったか  娘はこれまで何度か映画や舞台を見に行っている。劇場版ドンブラザーズとか、プリキュアドリームステージとか。  ただ最後まで集中力が保たないことが多い。途中でだっこを求めてきて指を吸いだした

その階段を登るのは

 娘が保育園の階段を自分で登るようになった。  娘が3歳になった今年、4月からそれまで通っていた保育園から系列の別の園に転園した。  より自主性を重んじるその園では、見送りの親は玄関ポーチの3段ある階段の手前でバイバイする。階段を上がって扉をくぐるのは子どもひとりで行う。  前の保育園では、玄関に到着してからインターホンを鳴らすときにだっこ。2、3回ぎゅーってしてから降ろして、2、3回いってきますのタッチをして、保育園の扉の向こうに一歩踏み入れた場所から「中からタッチ!」