あいまいな過去 6 引きこもりの日々を綴って

相談先は次々と
母親に連れられて
話は僕を置いていく

両親は共働き
僕はいわゆる鍵っ子だった。

母は夜勤のある仕事をしていた
不規則な勤務
僕に構う時間は限られていた。

他の家は違うようだ
僕の家もそうあってくれたら

他の家庭を知るたびに
悲しさと寂しさをおぼえた
ここでも普通は語りかけてくる
無いものねだりはどこまでもあった。


不登校になった僕
母と過ごす時間は増えた。

各種相談機関、精神科と僕を連れて
様々な大人に僕は紹介された。

ある相談機関の運動が出来る部屋
そこにはマジックミラーが付いていた。

何を監視されているのだろうか

そこには勉強をしている子もいた
僕もそうした方が良いと促された。

普通に繋がるものはもう嫌だった
普通が透けて見えるものにはもう
手を出すわけにはいかない

そんな事を考えて過ごしていた僕に
ある日のこと当然職員が厳しく接してきた
僕は意味も分からず泣いてしまった。

何で泣いてるの
泣いていては分からない

職員は言う。

そりゃそうだ

その質問にさらに悲しくなりながら
僕もそう思った。

あなたの言動が理解できないのに
何をあなたに話せるのだろうか。

結局そんな大人ばかりだ

僕の確信を強くするような出来事には恵まれていた。

熊本市で、ひきこもり自助グループ「かこかり」の運営をしています。 居場所作り活動中。