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【ラジオドラマ#3】『世の中には2種類の人間がいる』

A「世の中の人間は2種類に分けられると思うんだよね」
B「…どうしたの?いきなり」
A「いやさ、この前大学の帰りにGU行くって言ったら、服選んであげるって言われたからその友だちといったのよ」
B「うん」
A「色々服を当ててさ、似合うか確認してくれてたんだけどさ、結果いい買い物はできたんだよ。でも、そいつがちゃんと畳まずに戻していくわけ」
B「あー、まあいるよね、そういう人ね」
A「いや、別にいいんだけどさ。店員さんの仕事ではあるしね」
B「まあね」
A「そん時さ、世の中には服をきれいに畳んで戻せる人とそうじゃない人がいるんだな、って思ったの」
B「…ああそれで、2種類の人間がいるって言ったんだ」
A「そう!僕だって、きれいに服をたためる訳ではない。でもほら、アゴでこう、襟のあたり押さえてこうやってたたむやつあるじゃん?あんなんできないし。あれサラッと出来ちゃったら、店員さんだと思われて『試着いいですか?』とか言われちゃうから」
B「服選んでもらってるヤツは店員だとは思わないから」
A「で、選んでくれてるときも、GUとかの通路って別に広くないじゃん」
B「店舗にはよるけど、まあそうだね。自分行こうと思ってたとこに人いるとちょっと入りづらいもんね」
A「みんなそれを分かってるじゃん。でも、そいつは人が来てるのに気づかないんだよな。なんかユニクロは行くらしいんだけど」
B「周りが見えないタイプなんだろうね」
A「そう!だから、世の中には周りのことに気を配れる人とそうじゃない人がいるんだな、って思ったのよ」
B「何それハマってんの。ハマってるか知らないけどさ、人を分類するのってあんま良くないから、言わないほうがいいって」
A「俺も分類は良くないとは思ってる。でも、そういう人とそうじゃない人がいるのは確かじゃん!」
B「…それはそうだけど」
A「そんで、そいつとGU出ようってなって、エスカレーター乗ったんだけど、普通に横に並んじゃうわけよ」
B「まあまあ、迷惑ではあるな」
A「まあ、両側乗ったほうがエスカレーターにはいいからさ、その可能性もなくはない」
B「希望的観測過ぎるって」
A「でも、通りたい人もいるだろうからさ。だから」
B「(食い気味)だから世の中にはエスカレーターで片側に寄れる人と寄れない人がいる…分かるよ大体。…え、なんでそんなやつと仲良くしてんの」
A「まあ、いいヤツではあるんだよ」
B「最初の『服選んであげる』ですでにちょっと嫌だったよ。何も言ってないのに、でしょ。どんだけオシャレなんだよ、そいつは!で、ユニクロしかあんま行かないって…もうちょっと、付き合う人を選べるような大人になれって」
A「それは世の中には付き合う人を選べる大人とそうじゃない大人がいるから?」
B「世の中には付き合う人を選べる子どもとそうじゃない子どももいるよ!当てはまらない部分を作んな!」
A「4種類に分けないといけなくなるもんね」
B「そういう意味じゃねぇよ!見る目を養ってほしいんだよ…養うか養わないとかじゃなくて、段階的にだからこれは」
A「じゃあ、見る目がある人とそうじゃない人に分かれるってことか」
B「もう無理だ。でも、分類するの自体は良くないだろ」
A「俺だって、分類しない方がいいってのは分かるよ。この前バイトで店長に荷物運ぶように言われてさ」
B「あれ、飲食だっけ?」
A「そうそう。で、頭数が足りないから、女子のバイトも何人か呼ばれて、その女子の分から多めに持とうとしたら、『持てるので大丈夫です』って言われちゃってさ」
B「あー」
A「男と女で分類するのがよくなかったのかなって思って」
B「今一番炎上する…火種にしやすい分類だろ。というか、2種類じゃないし」
A「それで、分け方を間違えたと思って」
B「分けること自体が良くないけどね」
A「男で体がデカいから運べるとか女だから非力で運べないとかじゃなくて、やっぱりマッチョかマッチョじゃな…」
B「絶対違う」
A「そん時はね!そん時はそう思った」
B「みんなが一度は通る道みたいな言い方すんな」
A「個人それぞれに合わせないといけないなって、今は思ってる」
B「そうだよ、ホントに」
A「だって、さっきまでに、服をちゃんとたためるか、周りに気を遣えるかとかやってきたじゃん」
B「うん」
A「それ全部掛けあわせたら、とんでもない数になって分類なんてしてられないじゃん」
B「そういう意味でダメなんじゃねーよ!」
A「だから最初から、俺は世の中には2種類の人間がいるとは言ってない」
B「そうだっけ?」
A「世の中の人間は2種類に分けられる。ここまでしか言ってないから」
B「そんなの、罠だろ」
A「“2種類に分けられる“までしかいってないから、2種類しかいないって意味にはなってない」
B「なんでそこだけ頭回ってんだよ」
A「分類なんて他にもたくさん思いつくじゃん。えーと、エスカレーターで前ちゃんと見る人とそうじゃない人とか…」
B「初手でだいぶ被ってない?」
A「あと…すぐ分類する人とそうじゃない人…」
B「それは、今のお前だよ」
A「それと…ローランドかローランドじゃないか」
B「それはもう個人か個人じゃないかだから、70億人分できちゃうだろ」
A「2種類だけじゃなくて、3種類にだって分けられる。腸内細菌だって、善玉悪玉、日和見菌の3種類あるじゃん」
B「なんで、ちょっと腸内細菌バカにしてんだよ。今、分類が意味ないことを証明するために分類してんだよ」
A「あと、きれいに分けられるいい分類とそうじゃない分類があるんだよな」
B「メタすぎるわ」

劇団サインカーブのメンバーが一人二役で演じたラジオドラマをYouTubeに投稿予定です。
お時間があれば、ぜひご覧ください!

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