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いつもの坂道歩くとき空を見上げて今日も憶う


5月14日




日が暮れる頃
逢いたい人のお家へ続く坂道をわたしは登る


いつもの坂道
何度ここを登って下っただろう


この坂道を
ワクワクしながら登る日もあれば
不安で仕方がなく
縋るような想いで登る日もあった
この坂道を
晴れ渡るような気持ちで下る日もあれば
泣いてばかりは卒業しよう。
なんて自分に誓いながら下る日もあった


この坂道がわたしは好きだ
大好きな人のお家へ続く道



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雨上がり
雨続きの合間に雫が消えたとき


じめっとするウェット感は相変わらずすごい
このまま一緒に溶けてしまうんじゃないかとさえおもうよ。

木々と葉と葉が擦れ合って重なりあう
雲がかった夕暮れの空と
わたしの足音
柔らかい雫がどこからともなく
静かにおちる色と
動物達の呼吸音がはもりつづける坂道


急に懐かしい香りがわたしを纏う


そっか。
もうすぐこの町に来させてもらって1年


あの頃のこの町に来たばかりの香りがもう一度
わたしをどこかへ誘う


初夏だったなぁ。あの頃は
切なさと引き換えに
毎日のひとつひとつに胸うたれる秋の風が吹き
賑やかさが一気に消えさるこの町と共に
静かに着実に冬が通りすぎた
この木々達は全部桜だったのかぁと
桜のトンネルに嬉しくなった春


もうすぐ1年が巡る



空を見上げて今日も憶う
もう悲しみは
とっくにわたしのもとから消え去って
今わたしのもとに残るものはなんだろう。


セピア色に色褪せないように
セピア色に色褪せたとしても
あのキオクのカケラに残るものは
ただただ 愛 のままであってほしい
そう願う。


もう1年かぁ。
巡った月日
想いを馳せ続けた月日
それだけで
それだけだけど
わたしは生きていけそうなぐらいです


愛してる
最初から巡りに巡った今日まで
出てくる言葉は
やっぱりそれだけ。
それがわたしの真実。
その真実をわたしがわたしのなかで
あたためつづけてあげよう


今日のこの坂道下る頃は
真っ暗な暗闇のなか
空を見上げれば優しい月が寄り添ってくれている。
もうすぐ満月だね


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わたしの心は今 凪のように 穏やかです


ありがとうございます🥰