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個人通信”Simple Dreams”1299号

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個人通信"Simple Dreams"               1299号
2023.1.29
石川 晋

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月末までが無料購読期間ということなので、1月10日の分だけ、公開しておきます。

1月10日(火)晴れ
 初日は授業がないということで、家でゆっくり過ごす。こうした人生の隙間のような日を深く愛している。
 Twitterを見ながら、また色々と考えてしまう。「ダウト読み」一つを取っても、その名称の揺らぎ、読書へのアニマシオンへの読書メソッドとしての理解と無理解、日本への紹介(翻訳)段階での悲しいボタンの掛け違い、そういう様々を飛び越して、楽しく深く作品を読むための方法などというように消費されていく状況を座視できない。しかも、その状況を生み出している張本人は多分ぼくなのだと思うと、もう何もしたくないし、何も見せたくないし、何もしゃべりたくない気持ちになってしまう。これは別にこの案件だけではなくて、ぼくが教育論文や書籍の執筆、あるいは大規模研究集会やオンラインでの研修に、年々後ろ向きになってしまっている理由は、こういうことがたくさんぼくを起点にして起こってしまうからということがある・・・。
 『国語×ファシリテーション』の本は、ぼくやちょんせいこさんの文章を読んだことのある人なら、ある程度どの部分を誰が中心的に書いたかはわかると思う。実際講座などではそれを明かして進めることだってある。だが、一方で本自体には分担執筆のようなことは一切書いていない。この本は「ファシリテーション」の本なのだ。誰が発言したのか、誰が書いたのか、そういうことなどどうでもよくなる会議を生み出していくことこそが宿願なのである。
 昼。以前から少し気になっていた店へ。コロナを生き抜いた店だ。パスタが少し太麺なので好みではないけど、でもおいしかった。海老とキノコトマトソース。いい感じのお二人でやっていて13時過ぎに入ったけどその後もポツポツ客が来る。フロア担当の方(若い女性)は後から来られた客の好みを覚えてらっしゃった。「ズワイガニのハーフでよろしかったですか」というと妙齢の女性の客はとても嬉しそうに「あら覚えてらしたのね」と言う。その笑顔を見てハッと胸を突かれるような気持ちがした。こういうことにすぐ学校の諸々を重ねてしまうのは、ほとんど職業病と言ってよいね。
 夜は王子ホール。ジュスタン・テイラーのクラブサン(チェンバロ)。清新で勢いがあり、音色の選択が際立ち、爽快な演奏だった。流麗な上下段の弾きわけが見事で感心してしまった。情感豊かといった表現よりもまさに理知的という言葉がぴったりな演奏だと思う。それにしてもチェンバロってこのどこに着地するのかわからない不思議な小宇宙の感じは、ある意味パイプオルガン以上だと思う。アンコールも充実。■J.S.バッハ:協奏曲 BWV974 ニ短調 より アダージョ (マルチェッロのオーボエ協奏曲による)■ロワイエ:スキタイ人の行進■J.S.バッハ:平均律クラヴィア曲集第1部 第1番より 前奏曲。

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特にアピールポイントなんてありません 笑

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