ハンドドリップ時の蒸らしは何をしているのか
蒸らしをご存知か
コーヒーのハンドドリップ時に蒸らしという工程があります。だいたいのレシピでは、コーヒーの粉にお湯を注いで数十秒待ちます。この工程が蒸らしといいます。コーヒーの粉が膨らんで香りが部屋いっぱいに漂うあの時間です。最高のひとときですね。コーヒーは工程ごとにいろいろな楽しみ方があると思っており、ぜひ抽出時間をじっくりと楽しんでいただきたいです。
蒸らしの時コーヒーはどうなっているのか
この数十秒の間、コーヒーはどうなっているのか。コーヒーは多孔性の物質で、微細な穴が多数空いています。コーヒー豆を焙煎することで炭酸ガスを含み、その穴に炭酸ガスが含まれます。新鮮な豆は炭酸ガスが抜け切らないので、お湯を注ぐと膨らみ、この蒸らしの時間に炭酸ガスが排出されるのです。炭酸ガスが排出されるから膨らんでいて、新鮮なほど炭酸ガスがたくさん含まれるので、膨らみがよいです。よって、膨らみが良い豆は新鮮だと言い切れます。
蒸らしの時、コーヒーは炭酸ガスを排出しています。
蒸らしが必要か
炭酸ガスを排出するという蒸らしにはどのような意味合いがあるか。その炭酸ガスが排出されないまま、どんどんとお湯を注ぎ続けると、炭酸ガスが含まれた粉の部分にお湯が浸透せず、味が完全に抽出されません。コーヒーの抽出を炭酸ガスが阻害します。
よって蒸らすことで、味の抽出を阻害する炭酸ガスを完全に吐き出させる意味合いがあり、必要と言われます。「蒸らすと美味しい」というのは「蒸らすとコーヒーの味を完全に抽出できる」ということです。
蒸らしをしないとどうなるか
では蒸らしを行っていなければそのコーヒーは不味く、抽出は失敗なのか。決してそうではありません。
味の抽出を阻害する炭酸ガスが抜けきっていない状態で抽出しただけですので、味の出方が薄いだけです。蒸らしをしていないことにより雑味が入ったりすることはありません。なので、そこまで気にしないでください。ただし蒸らしというあのゆっくりと香りを楽しむ待つ時間は素敵な時間です。個人的にはぜひ毎回味わっていただきたい贅沢な工程です。
さいごに
シンプルにコーヒーを楽しみましょう。蒸らし工程を忘れても構いませんし、蒸らしの有無を試してみてください。たった2回の抽出です。どちらにせよコーヒーは美味しいです。お好みの方をあなたのレシピとして楽しまれて欲しいです。外野の声は適当に聞き流して、コーヒーを存分に楽しみませんか。