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ドラマ「孤独のグルメ」を見続けたら、仕事運が爆上がりした話

今年の2月、娘と一緒にインフルエンザにかかり、自宅の一室に1週間隔離されました。毎日親子でいろいろな遊びをして過ごしましたが、次第に間が持たなくなり、途中から娘にはYouTubeをずっと見せていました。

その間、僕はスマホで、Amazon Primeで無料視聴できる「孤独のグルメ」を見続けました。そして完全にハマり、治ってから現在に至るまで、基本的に毎晩、孤独のグルメを見てから寝るようになりました。

最初は、ドラマ後半の、おいしそうにいろいろなご飯を食べる部分だけ見ていたのですが、このドラマの本質は前半の、(一見あまり意味がないように見えるかもしれない)仕事をする部分にもあり、そこも含めてドラマを見て、主人公である井之頭五郎のマネをして生きるようになってから、仕事で次々といいことが起こるようになりました。※実際に井之頭五郎も仕事ができる男です。

見たことがない方はまず見てみて欲しいのですが、ネタバレにならない程度に、このドラマの仕事に役立つポイントを大きく2つご紹介したいと思います。

1.食事をする店を選ぶとき、店構えだけで選ぶ

時代設定もありますが、井之頭五郎はガラケーを使っています。だからというわけではありませんが、もちろん彼は食べログなど使いません。腹が減ったら、歩き回って店を探し、店の名前や看板、のれん、店内に置かれた雑貨などを見て「この店はいいかもしれない」と言って入店し、そして大体、当たります。

これが、仕事においてすごく重要なポイントです。

仕事の現場で企画書を書くとき、おそらくほとんどの人がまず、ネットを開くのではないでしょうか。そして、関連情報を調べて、「これが流行っているらしい」という情報を見つけ、コピペして、最もらしく話しながら新企画を社内提案する。

これに慣れると、当たる確率は下がっていきます。

もしかしたら、企画が通る確率が上がることはあるかもしれません。しかし、そうして生まれた企画が、自分に最もフィットした企画になっている可能性はあまり高くありません。

企画の成否は、たくさんの情報を裏付けとして作ったかどうかではなく、自分という一企画者がやるべき企画であるかどうか、にかかっています。一人の人生経験に沿った、自分の人生のために没頭できる企画でなければ、成功まで持っていくことは困難です。

実は、食べログで店を探しつづけている僕たちは、最も自分にフィットする店を見つけられないまま生きています。自分で見たり感じたりして選んでいないから。失敗を避けて選び、成功をした気になって終わっているからです。

井之頭五郎は、おそらくドラマには描かれていない部分で、店選びに失敗することもたくさんあるのだと予測できます。その繰り返しで、店構えをこうしている主人の作る料理は自分にフィットする、ということを分かってきたのです。簡単に言うと、このように自分の感覚による判断で失敗したり成功したりしながら、一歩ずつ自分のことを分かっていかないと、自分が成功させられる仕事がわからないまま進んでいくことになります。

2.ご飯が美味しいと、人目をはばからずニヤニヤする

井之頭五郎は、あまり表情を崩さず淡々と仕事をこなします。しかし、いざ食事をするときは、心の中で自分に酔ったパワーワードを次々とつぶやきながら、興奮し、はしゃいで、夢中で飯を食います。好きなメニューがあれば見えないようにガッツポーズをし、美味しければニヤニヤし、感極まって泣きそうになることもあります。反対に、店を失敗したり、望んでいたメニューが品切れになっていたりすると「がーん」と呟き、軽く絶望します。(でもその後、別のメニューに気持ちを切り替え、想像以上に美味いとすぐさま回復します。)

このように、嬉しいことがあったらニヤけたりガッツポーズをしたりすることは、仕事にとっても非常に重要です。

嬉しい時に「やった!」と言う(心で思い、ニヤける)ことは、感情のセンサを素直に働かせられているということ。その仕事が誰かに価値を与えるものかどうかを知るためには、自分の感情が一番最初にして最も正確なサインです。

例えば僕はおもちゃやゲームを作りながら、おもしろいギミックが成功したらニヤニヤが止まらないし、思った通りの仕様で作れなくなったときは酷くがっかりし絶望します。この「仕分け」の繰り返しが、センスを磨く、ということです。

僕は新入社員の時、先輩に「お前センスない。磨け!」と言われ、「センスってどうやって磨くんだよ。てゆうか、センスって何?」と思ったことをよく覚えています。雲をつかむような話に聞こえました。

その後10年以上かけてようやくわかったのは、センスとは、失敗と成功、がっかりと喜びを繰り返して、「仕分けていく」ことであるということです。センス=感覚。服のセンスやデザインセンスにしても、言語化された普遍的正解というものはなく、自分という一人の人間(消費者)にフィットするかどうかです。全然着ない服をなぜか買ってしまったりして失敗しながら、こっちよりこっちの方がいい、ということを繰り返し分かり、言葉にしていくことで、センス(感覚)は身に付いていきます。結局僕は、15年間ひたすら大量のおもちゃとゲームで遊び、自分で作って、失敗と成功を体感したらセンスが生まれていったわけです。

センスとは普遍的なものではありません。長年いろいろなことを経験して生きてきた自分という一人の人間が、自信を持ってこれがいいと言えることが、センスです。

実際に見たり体験したりしながら、「やった!」「がーん」を繰り返すだけで、仕事のセンスは着実に上がっていきます。

一度そういう目で孤独のグルメを見つつ、ランチのお店を「この店…いいかもしれない。」とか心で呟きながら探して、人がつけた星の数など考えないで自分基準で感じてみてください。それが、仕事の本質です。心からニヤニヤできる仕事に出会うために歩き回り、いろいろな物事を見て回ることで、自分のセンスを存分に発揮できる幸せな仕事を手に入れることができるはずです。






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