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『月曜日大全』~30人以上の達人に聞いた、休み明けの憂鬱解消法を試してみよう


休み明けの月曜日が憂鬱な日本人はとても多いです。月曜朝はTwitterにも「辛い」「憂鬱」「面倒」などの言葉が並びます。

そのことがヒントになり、4年前に始めさせて頂いて今も続いている小学館アットダイムでの対談連載が、以下の「高橋晋平の月曜日を楽しくする研究会」です。↓

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僕自身、独立起業した後も、月曜午前中は毎週お腹を壊していました。大企業勤務時代の後遺症だと思っていましたが、どうやらそれだけでもないみたいでした。それで、月曜クラブ(苦→楽部)というものをDIMEさんと一緒に立ち上げさせていただき、メンバーといろいろな実験をしたり、取材記事を連載したりして活動してきました。

今回は、この4年間に30人以上のいろいろな分野の達人に教わった多様な方法を元に20項目に整理して、月曜日の仕事始めがラクになる考え方や行動のヒントを挙げていきます。少々、極論もあるかもしれませんが、お気軽に読んでみて下さい。もし、この記事をアップする今朝、月曜日を少しでも「つらい」と感じている人がいたら、自分に合いそうなものをいくつか試してみてほしいです。最終的に、「人生は遊びなのだ」ということがわかると、何かが少し変わるかもしれません。では月曜日、休み明けの憂鬱解消法を紹介していきます。

1.そもそも休み明け急に動くのは、結構無理があることだと理解する

僕の場合、今のように独立起業して働いているのなら、別に月曜のAMは休みにして、午後からとか、あるいは火曜日から働けばいいわけです。それなのに月曜朝から頑張ろうとしてしまうのは、「そうあるべき」と考えてしまっているからです。

そもそも休日にゆっくり生活した後に頑張り出すと、その落差は相当なもので、体力的にも精神的にも無理があります。ちゃんと諦めて、月曜は体が慣れてきてから少しずつエンジンをかけていくのが普通だと分かることが大切です。一週間で見ても、月曜から金曜にかけて尻上がりに勢いをつけていくのが良いでしょう。水曜くらいからとか、金曜だけめっちゃ頑張るとかでも、素晴らしいと思います。

2.月曜AMはひたすら、今週の計画や段取りを紙に書くことだけをする

準備や心構えをしてから行動し始めた方が仕事の効率は上がります。いきなり仕事に取り掛からずに、まず「何をやればいいのか」「今状況が切羽詰まっていることはないのか」など、今日あるいは今週やることを、やる順番に書いていきます。PCではなく紙に書くのがおすすめです。なぜならPCで作業していると、メールが飛んで来たりして中断させられるからです。

文字で書いていると、今の状況を客観視することができて、気持ちが落ち着いてきます。そして、やらなくてもよさそうなことも見つかっていったりします。紙にゆっくり書きながらゆっくり考えると癒されて落ち着きます。日曜の夜にやるのもおすすめです。

3.他者評価が上がって出世してしまうと、悪いこともたくさんあると知る

他者からの評価を気にすることが月曜の憂鬱を引き起こしている場合が多くあります。端的に言うと、出世はしないほうが良いという現実をよく見て、冷静に考えてみてほしいです。

やや暴論かもしれませんが、特に会社内では出世するとつらいこともたくさんあります。部下も、上司も、そして自分もいろいろな意味で守らなければいけなくなりますし、好きな仕事からも離れなければならないこともあります。ストレスも高く、親からもらった大切な体に負担がかかります。少々高い給料ではとても見合いません。

出世しなければみじめだと感じてしまう人も多いかもしれませんが、全く逆で、周りにどんな目で見られたとしても自由を手に入れている方が人間らしく在れます。これは会社員でなくてもそうです。社会で出世して、世の中に知られると、どこかから攻撃を受けるかもしれませんし、周囲に持たれる印象に知らず知らずのうちに自分がコントロールされてしまうこともあるでしょう。

他者からの評価ほど曖昧なものはありません。本当に評価されているというより、「白羽の矢を立てられた」ケースもあると思います。月曜から真面目に頑張って変に認められ、出世してしまう可能性があるくらいなら、レールから降りて、愛されるべき人に愛されて、嬉しい気持ちで働いた方が自分らしい人生を送れるかもしれません。

4.月曜の気持ちが楽になるのなら、土日に少し仕事を進める

「オンオフにメリハリをつけろ」みたいなことを言う人も多いですが、そんなの人それぞれです。自分がラクで楽しい生活ルーティンが一番良いに決まっています。なので、土日に月曜からの準備を進めた方が幸せなら、それをするのがいいと思います。僕も土日に家族が寝静まってからビールを飲みながら企画書を書くのが一番の趣味です。

5.チーム内で対話して、一週間のルーティンをみんなで作り直す

月曜日のAMに朝礼や進捗報告会がある人もいるでしょう。これらは別に月曜のAMにやる必要はないと思います。週初めの朝礼が必要なら、火曜日にしても問題はないのではないでしょうか。進捗報告は、土日に何も進捗していないのに、月曜の頭に報告させられてプレッシャーをかけられることに意味はあるでしょうか。水曜くらいに報告した方がいいのではないでしょうか。

下っ端が上司に対して一週間の会議などのルーティンについて意見しても意味がないと思うかもしれませんが、全員での改善は組織にとって重要です。「こうしたらどうだろう」という考えを、本当の意味で仕事効率を良くするために共有し合うことはとても大切です。心が疲れることが最も効率を悪くさせます。改善案を言いやすい空気作りを、部下側からも、上司側からも、本音を言い合って進めていくことは大切です。それができない組織は弱くなっていきます。

6.嫌いな人がいるなら、懐に飛び込んで、サシで本音を話してみる

嫌いな人から逃げようとすると、ますます追いかけられて怒られたり、マウンティングされたりします。なぜなら逃げるような雰囲気を感じさせることによって、相手にも不安を与えてしまうからです。

嫌いな人に試しにものすごくフレンドリーにいろいろなことを話しかけてみてください。悩み相談とか、お互いの好きな趣味の話を聞くとか。本音を伝えたり、相手をすごく褒めたりすると、ほとんどの相手は変わってきます。一転して、とても重要な相談相手になってくれることもあるかもしれません。

僕も過去に、とてつもないモンスター取引先にボッコボコにされてものすごく病んだ時期があったのですが、当時の上司から「懐に飛び込んでたくさん話してみたら?」とアドバイスを受けて、いろいろなことを話していたら思いがけず向こうがフレンドリーに笑ってくれたりしました。

それでも、どうしてもモンスターな人は、何年かすると必ず自然にいなくなるので大丈夫です。

7.グチ仲間と、ほめ合い仲間を作る

「愚痴は言うな」みたいなのも僕は違うと思っています。グチは2つの意味でとても良い面があります。同じことに対してグチを言い合える友達がいると、安心感を得られるし、笑い合えます。吐き出すことはとても大切です。そして、グチの内容は改善のヒントであり、さらに言うと新しいビジネスのネタになったりします。グチの原因を解決できるサービスやプロダクトを作れたら、儲かる可能性があります。

辛かったら、まず一人「グチ友達」をつくって、お茶でもしながらグチで笑い合いましょう。そしてそこから仕事や活動のアイデアを見つけましょう。僕は企画を生業としている人間としてもグチ推奨派です。

そして、ほめ合うことにもすごい力があります。「何でもほめ合うのはあまり良くない。ほめ方にもコツがある。」という話もよく聞きますが、僕は相手のいいところや頑張っているところがあればとにかくほめて全く損はないと考えています。まずは自分自身がほめ上手になってみましょう。ほめは返報性が強く、必ず返ってきます。全員の自己肯定感が高まっていくと仕事の推進力も生まれます。

人とたくさんコミュニケーションをとって、たくさん話して、頼って、相談もしましょう。

8.月曜が嫌いだという事実を自分の売りにしたり、苦手なことをネタにしてコンテンツを作ったりする

これは僕も実践していることなのですが、まず先述の小学館アットダイムの連載をやっていること自体が月曜の楽しみになっています。月曜に辛いと感じた理由を出汁にして、それに関係ありそうな人に取材を申し込み、仲良くなり、その記事を月曜朝に公開し、SNSでシェアして全国のみんなの反応を楽しみにする。いいことだらけです。ありがとう月曜日、という感じです。

自分の弱点や失敗談こそ、多くの人を楽しませ、共感を得られる最強のコンテンツのネタになる可能性があります。noteを全力で書いて、月曜の朝に公開して反応を楽しみにすることもおススメです。承認欲求を憂鬱解消に利用することはすごく効果的です。

9.社外に第3の活動場所を作り、いろんな人がいろんな生き方をしていると知る

家庭、会社に続く第3の場所を持つことはとてもおすすめです。社外のサークルでも、異業種交流コミュニティでも、何でも良いです。違う業種や文化の人と出会って話したり友達になったりすると、自分がつらいと思っていた世界が以下に狭いものだったかが分かります。生き方の選択肢なんて、無限にあります。そういう第3の場所が、いずれ人生に新しい道を作ってくれた、という話もいろいろな人からよく聞きます。僕も最近はリモートで、ゲーム会とかアイデア発想講座とかいろいろやっているのでよかったら顔を出してみて下さい。

10.鈍感になる練習をして、何にもこだわらず「まあいいか」と思う

僕が若手社員の頃影響を受けた本に、『鈍感力』という本があります。虫に刺されても気にならない鈍感な人は、刺されても刺されなくても気にしないのだから最強だ、というようなことが延々と書いてある本。

人生には、今気にしている細かいことよりも大切なことがたくさんあります。立ち止まって冷静に考える練習をしてみて下さい。小さいことは人生にほとんど影響しないことに気づきます。会社員だと、鈍感であることは本当に難しいし、僕も性格的に長年苦労しましたが、テキトー(いい意味の適当)な方が上手く行きます。まあまあで、本っ当に大丈夫です!

11.次の休日や、今夜をものすごく楽しみに設計する

日曜の夜に、「明日は月曜か、嫌だなあ……」と思う力をはるかに凌駕する楽しみを、次の土曜に準備しておきます。そうすると平日の5日間なんてあっという間です。

「今夜帰ったら、アレがある」という楽しみを毎晩に用意しておくことも効果的です。本気の趣味は人生を救います。

仕事とは、余暇を楽しみに設計することである、と言っても過言ではないと僕は考えています。

12.月曜の夜は好きなものを好きなだけ飲み食いする

自分へのごほうびを用意する方法の中でも特に飲食は強力です。もちろん飲食ではなくどんなご褒美でも良いのですが、食べているときだけが本当に頭の中の嫌なことを忘れることができるのだというのが僕の持論です。寝ているときや遊んでいるときなどは、嫌なことが頭の片隅にちらつくことがあります。しかし、大好物を飲み食いしているとき、脳に別の事が入り込むのは不可能なのです。それほど、好物を食べるという行為には集中力が持っていかれます。

僕は月曜の夜に食べるごちそうを前日、日曜の夜に決めます。寿司? 焼肉? 焼き鳥? ピザ?…...そしてビール。ちなみに昼のティータイムはケーキを付けます。その代わり他の曜日は質素にしますが、月曜日だけは好きなだけ食べていいことにしています。それを楽しみにすると結構頑張れます。

13.社内の誰かに恋する

社内に好きな異性がいると分かりやすく会社に行くのが楽しくなります。これ以上に強力な方法はないかもしれません。人は人を好きになろうと思えば、好きになることができます。人生も変わるかもしれません。恋のチカラでなんとかしてみてはいかがでしょうか。

14.部署異動をする

ときどき社内の別部署への異動した方が、長い人生のキャリアをトータルで見るといいことがたくさんあると思います。僕は起業してから、会社員時代にあと2、3か所異動しておけばよかったと心から思いました。勉強しておきたかったことがたくさんあったのです。

営業、開発、管理、知財、情報……、畑違いの部署にどんどん行った方が良いと思います。「自分は〇〇の人」という肩書を強くしていくためには、その一か所にとどまるよりも、2、3年ほど全く知らない仕事をしてから戻ってきた方が良いです。今の部署で月曜日が辛すぎたら、一度異動してみることはおすすめです。自分の体が後押しの信号を出しているのかもしれない今がチャンスです。

15.及第点を低くし、期待値コントロールを行う

完璧主義のような性格の人が月曜日に病みがちです(僕もそうです)。しかし、「自分にとっての完璧の基準」ほど曖昧で実態がないものはありません。今漠然と想像している完璧を、70%くらいに下げて、それを完璧だと再設定するだけで、楽に100点をとれるようになります。何かキツネにつままれたような話かもしれませんが、少なくとも月曜に関してはそうです。月曜は70点が100点なんです。

周りに期待され過ぎない「期待値コントロール」も重要です。あまり期待されていない状況で、それ以上の成果を出せば、それは120点になります。

それでも、どうしても自分の100%を完璧にこなしたければ、月曜を70%にして、金曜に140%頑張れば帳尻が合います。

16.人生の運の総量は一定で、運は溜まると理解する

人生には、必ず良い時期と悪い時期があります。40-50代の優秀な友達と複数人で人生グラフを書くワークをやったことがあったのですが、全員のグラフが上下に大きく波打っていました。萩本欽一さんも「ダメなときほど運はたまる」と言っていました。

この話は論理的ではないように聞こえるかもしれませんが、事実、大変なことを経験し乗り越えれば、実力が蓄えられ、より上手く行くようになります。人は、一歩ずつ一歩ずつ、必ず成長します。つらいときは、「あ、今、運が溜まってる」と思ってニヤニヤしてみてください。

18.月曜に憂鬱を感じる人の方が優秀で長生きだと心得る

人生に憂鬱など全く感じないという人もいると思いますが、そういう人は危険をはらんでいるかもしれません。急に悪い状況になったときに、耐性がなく倒れてしまう可能性があります。普段から自分の気持ちに敏感な人は、問題を発見し、自分の頭で考えることができる人です。センスが高いのです。どうしてもダメなときに逃げることもできるでしょう。その方が人生トータルで見ると長生きすることができます。

月曜日にお腹を壊す人は単に弱いわけではなく、体が急に倒れないための信号を出して、自分の何かを方向修正しようとしてくれているのです。今まで以上に、自分の体と優しく対話してみましょう。心身ともに向上します。

19.好きな働き方を手に入れる実力をつけることだけをモチベーションに働き、いずれ今の仕事をやめる

結局、実力がつけば転職も独立もできて、自分に一番合った働き方を手に入れられるので、それを目指せば頑張ることが楽しくなると思います。「いや、私にできるわけないよ」と思う方も多いと思いますが、当然、実力がつけばできます。「いや、実力をつけるなんてできないよ」と仰るのであれば、柔軟な働き方をしている人に何人か会いに行って話を聞き、どうやって実力をつけるのかを教えてもらうと、必ずできるようになります。「いや、そんな人に話を聞きに行くなんてできないよ」と仰るのであれば、今の働き方は、実は結構幸せなのかもしれません。

20.月曜の憂鬱は私にとって必要だから、別にそれで良いのだと理解する

月曜日という存在はある意味可哀想です。ただ日曜の次に順番が来ただけで嫌われ者になっているわけですから。そんな月曜日は、たった一人で憂鬱の多くを引き受けてくれているのです。1週間のうちの1日に、憂鬱の総量の内の大きい割合を消化することができているなら、それは素晴らしいことなのかもしれません。どうせならすべての憂鬱を月曜に片付けてしまって、あと6日間を楽しく幸せに生きるという考え方にしてみてはいかがでしょうか。月曜日を可愛がり、感謝してあげましょう。

※今朝のVoicyでも月曜日をラクにするアイデアで一番重要だと思うことを1つ話してみました。よかったら合わせて聴いてみてください。↓


以上です。一つでもこの世界の誰かの月曜日をラクにできるヒントがあったならうれしいです。僕は月曜日が上手く行っていない個人や組織のお手伝いをする「月曜社員」という仕事もしていますので、月曜について知りたいことがあれば何でも聞いてください。月曜が誰よりも苦手だったことで、すっかり月曜のプロになりました。

ちなみに、この記事で書いたことは、月曜日の話として表現しましたが、「月曜」というワードを抜いたりいろいろ置き換えたりして読んでみて頂くと、単純に個人やチームの仕事の成果を高めて幸せな働き方をするコツの話になりますので、よかったらもう一度そのような見方で読み返してみてください。

今回はあえて、月曜が憂鬱な方が良いみたいな少々乱暴な書き方をしてしまいましたが、もちろん休み明けから元気一杯な人がダメなわけじゃないです。そういう人は本当に羨ましいです。僕も月曜朝にお腹を壊さないようになりたいなあ。でも、僕のような人は月曜日のつらさが分かるからこそ、月曜日に人に優しくできているのかもしれません。頑張っている人はみんな素晴らしい。みんなでいろいろなことを話しながら頑張りましょう~!

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