「ひらがなつみきで適当に作ったもの、崩したら必ず文章になる説」を検証したら、想定外の結末になった。
僕が大好きなおもちゃの一つに、「ひらがなつみき」(くもん出版)という商品があります。
四角形の木製つみきで、片面にひらがな、反対面にその文字から始まる言葉と絵がついていて、遊んでいるだけでひらがなを覚えていくというものです。
基本的には自由にお城やタワーなど好きなものを積んで作って遊びますが、他に我が家では以前から、言葉と文字の勉強もかねて、このつみきを適当に2つ3つ取り、「いぬ」とか、「かめら」とか、言葉を作る遊びをしていました。
そんな中ふと、「これって、子供が適当に積んで作った作品を崩すと、そのつみきの文字を残さず全部使って文章を作れるんじゃないか?」というシュールすぎる仮説を思いつき、休日の早朝に起きてきた長女(6歳)と早速やってみることにしました。
まだちょっと何言ってるかわからないと思いますが、まあ、少々お付き合いください。
(起きてきたムスメは、最近夢中な「どうぶつの森やりたい」と言ってきましたが、朝早すぎるので却下。)
まずは、つみきで自由に作品を作らせます。もちろんつみきに書かれている文字は意識せず。
「これ何?」
「とりい」
「え!鳥居知ってるの?」
「うん」
「誰に聞いた?」
「わかんない」
そんな会話をしながら作った鳥居を、崩します。
これを、2人で相談して、並べ替えると・・・
「目や口」?
「目や口」だ!
「すっげー!!」
アホのように笑いまくる父娘、時刻は朝7時。完全につみきに向かって気持ちが一直線に。この時点で、「今日はもう勝ったな。(井之頭五郎風)」と思いました。
続いて、
橋。
崩す。
「ん? あれ見ろ、つゆ?」
「つゆこぼしたのかなあ、アハハ!」
テンション爆上がりしたムスメは、急激に大作を作り始めました。
ドミノ。
一気にデカくなりました。
崩す。
集めて文字面にひっくり返す。上の図を見て「4みたいだね」と言うムスメ。愛おしいです。
そして早速、多くの文字の中から、「やきにく」を発見する娘。そう、この遊びのポイントは、まず、単語を発見すること。そうすれば、なんだかんだでくっついて文章ができるようになっているのです。アナグラムに関する研究はたくさんありますが、日本語の種類数からして、おそらくいかなる文字の種類が何個でも、文章化できるのでしょう。
次々ぶち込んでくるムスメ。そして・・・
「わお、焼肉うめえかも。そこ、させぬ。」
「どういうことかなあ」
「かたい肉だったんじゃない?」というムスメ。”刺せぬ” か。まさに、インスピレーションって、こういうことだな、と。
ここで起きてきた3歳が、参戦します。
「おうち!」
「崩して。」
「めぎゃー!」(画像乱れましたがふっとばしまして…)
「愛を、絵に。」
なんかキレイです。
続いて、
「何作ったの?」
「トイレ!」
「崩して!」
「ちょえー!」(ここが一番楽しそう。)
「あ、しんぺいぱぱの " し " だ!」
可愛い。
3歳児はまだ「し」とか「こ」しか読めないので、僕が文章作りをやることに。
一方その頃、6歳は、
ドミノにハマっていた。
「ひとつだけ横に置いたんだよ。倒れるかなあ? アハハ」
「ああ! 倒れなかった!」
・・・こっちは任せることにしました。
で、僕が3歳がふっとばしたトイレの残骸と格闘して、
あれ、うーん、イマイチできない。
完璧にやってやろうという大人の頭の固さが出ているのか・・・。
そんな中、6歳が、ドミノの残骸を形にして・・・、
「コミ や ソヨ、くりゆめ浜、るん♪」
聞くと、くりゆめ浜っていう浜辺で遊んでるとのこと。「栗夢浜」って書くんだろうか。 ※コミ、ソヨ、っていうのは姉妹を呼ぶ愛称。
で、6歳は僕が苦戦しているトイレの残骸を見て、「やりたい!」と。
「・・・たちむしだ。・・・絶対たちむしだ。」とつぶやくムスメ。
「たちむしだ!! 絶対!」
「たちむしって、何!?」
「虫だよ!!」
"たちむし" を軸に、格闘するムスメ。そして・・・
その次の瞬間、
「・・・あれ、あ!」
「虫たちだ!」
「うお!すげえ!!」
「虫たちへ。拭けぬのね。さ、もう干せ。」
成立してる、誰が何と言おうと。
たぶん、雑巾か何かが、拭きすぎて、汚れたから、もう干しなさい、ということだろう。虫たちへのメッセージとして。
「やった! やった!」
手を取り合って喜ぶ2人。
(他人が見たらただのアホな光景だろうけど・・・)
子供は簡単に親を超えていくんだな。親って、みんなこういう瞬間を迎えるんだろうな。としみじみ、
思っていたら、、
・・・あれ?
遡れば、昨日の夜。
ずーっと家にこもっているから、せめて美味しいものでも食べようと、肉を食べることに。美味しいけど、結構スジのある肉で、子供たちには、柔らかいところをナイフで切ってあげた。箸で食べるのは大変だった。
これって・・・、
「わお、焼肉うめえかも。そこ、刺せぬ。」
だったんじゃないか・・・?
・・・そういえば、テーブルにたくさん、水とか肉のたれとかこぼしてたけど、
「ん? あれ見ろ、つゆ。」
だったんじゃないか?
それらを父母で叱りながら散々拭いて汚れまくったふきんは、
「虫たちへ。拭けぬのね。さ、もう干せ。」
だったんじゃないか!?
そんで、その食卓の横に飾っている絵は、
「愛を、絵に。」
じゃないか!? そこに書かれてる僕らは、虫っぽくないか??
そんで、その絵に描かれているのは、鼻がない
「目や口」
じゃないか!?
大好きな「どうぶつの森で」いつもやっているのは、
「コミ や ソヨ、くりゆめ浜、るん♪」
じゃないか!? くりゆめ浜って、「ゆっくりめ」をモジった、ゆるやかな時間の中ですごせる浜だったんじゃないか!!? あるいは、「クリエイト・夢」を略した「クリゆめ浜」じゃないか!?
まさか、この遊びで生まれた文章って、今のウチの状況を表していたんじゃないか・・・!?
だとしたら、俺のムスメは能力者・・・!?
・・・・・・・・・、
いや、たぶん、
頭に思い描いた記憶って、無意識のうちにアウトプットされるんだろうな。
「思考は現実化する」って、そういうことなんだろう。
脳の中にあるイメージに向かって、人は行動してしまうものなんだろう。
だから、僕らは今、大変な世の中を生きることになって、この先も大変なことは続くのかもしれないけど、「こうしたいな、こうなりたいな」と思っていれば、ちゃんとその通りに行動できるんだろう。
ムスメ、教えてくれてありがとう。
俺は君たちがどんどん成長していくのを見て毎日感動しています。これから君たちはどんどん大きくなると思うけど、お互いが何歳になっても、できればずっと、その時の年齢なりの遊びを、一緒にできたら嬉しいです。
「ひらがなつみき」を持っていたら、この遊びやってみてください。
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