見出し画像

仕事は自分のためのものか、人のためのものかを考えると分かる、憂鬱の正体

前に、以下のようなアンケートをTwitterでとったことがあります。

仕事は、どちらかといえば自分のためにやるものか、他人のためにやるものか、あるいは完全に半々か。

皆さん自身は、どれを選びますか? ちょっとだけ考えてみてください。



・・


・・・


どうでしょう。


この3択のどれが正解ということはなく、時期によって変わるものだと思います。僕も答えるなら、今は「3」かなあ、と思いますが、そう思わない時もあります。

社会人にとっての仕事の意味は、「他人に価値を与えて対価をもらうこと」です。自分がしたことで、他人(お客さん、チームメンバー、家族など・・・)の役に立つのが、適切な仕事です。

仕事をすることで自分に起きる良いことは、

1.人に感謝されてうれしい
2.お金がもらえて、生活ができる
3.自己実現ができ、好きなことで人生の時間を過ごせる
4.承認される、栄誉がある、成長できる


など。

一方、自分の仕事で他人に与えられる良いことは

1.人に手助けや価値を与える
2.自分の生活や家族を養える
3.自分が喜んで仕事をしている姿で、誰かを喜ばせられる
4.影響を与え合い、一緒に成長して行ける

など。

上の1~4のそれぞれは、なんとなく対比しています。自分のためにやることは、他人のためにもなるし、他人のためにやることは、自分のためにもなるということです。

だから、自分のためにやれることが目の前にあるときは自分のために行動すればいいし、自分のための行動が難しい場面では、思いっきり人のために尽くせばいい。それでまた、自分を一番に可愛がれるタイミングが来たら、思いっきり自分を最優先すればいい。そんな風に行ったり来たりすれば、結局全部が回りまわって誰かのためになり、自分の仕事は価値をもたらすことになります。時にはものすごく忙しい状況になっても、自分もしくは他人が本当に喜ぶのなら、ツラくないはずです。


さて、
ここからがこの記事でお伝えしたい本題なのですが、

どうして、仕事が憂鬱になってしまう人は多いのでしょう。さっき書いたように、自分のため、あるいは人のために何かができていれば、結果的に自分は幸せな人生を送れるはずです。でも今朝も、仕事ツライな・・・と思った人はいるでしょう。社会人になって、これまで仕事が憂鬱になった経験が一切ない人はあまりいないと思います。

なぜ仕事がツライのか。

それは、その時やっていることが、本質的には、自分のためにも、人のためにもなっていないからです。

例えば、以下の様なこと、身に覚えがないでしょうか。

ケース1:作っている商品が、自分が作りたいものでもなければ、お客さんが喜ぶものにもなっておらず、では会社や上司のためになってるかと言えば、実はそうでもない。関わるすべての人間が、体裁のためにやっている。

ケース2:組織内での出世を目指して行動しているが、その出世が実は自分が望む人生に向かっておらず、社会的、家庭的、あるいは自分の体裁のために目指していて、在りたい状況に逆行している。

ケース3:設定されている目標に納得感がなく、自分に見えない人だけのためのものになっている。例えば、その利益で会社の体裁は良く見え、会社の上層部や株主などは喜ぶかもしれないが、それらの遠い存在の人があまりにも自分と関係が薄く、一方的に吸収されて何も返ってこないように感じる。

などなど。

これらは、「組織が大きすぎる」「チームになっていない」「無理がある事業をしている」などの状況から起こることが多く、不可抗力であることが多いかもしれません。上の3例の紹介すべてに「体裁」という言葉を使いましたが、見え方だけのためにやっている仕事から、ツラさは生まれます。僕自身も、ツラかった時期を思い起こすと、上の様な状況ばかりです。

このようなことから、完全に脱却することは難しいのかもしれません。それに対してできることというのは、この記事の前半に書いてきた、自分や、目の前の人(お客さん、チームメンバー、家族など・・・)が本当に喜ぶことを一つ一つやる、だけです。

会社員時代に、大嫌いな取引先の人がいました。まさにパワハラという言葉がふさわしい扱いを1年以上受けていました。モンスターとしか思えませんでした。それを当時の上司に相談したときに、「自分にも、ものすごく苦手な外部の人がいるけど、とにかくその人の心を喜ばせられることをするようにしている」という話をしてもらえました。それで僕も、苦手な相手から逃げるでもなく、体裁を取り繕うでもなく、また、おべっかをするでもなく、どうやったらその相手が、仕事として、人間として、嬉しいのかを考えて、懐に飛び込んで、やれることをやりました。そうしたら、ある時その人から直接携帯に電話がかかってきて、「お礼が言いたい」と言われたのです。信じられませんでした。モンスターからお礼を言われるとは(笑)。その一発で、その人への苦手意識が和らいだのも事実です。

この一件が自分を変えてくれました。世の中には不可抗力が多いのが現実です。ツラい時期もあるでしょう。でもそのツラさは永遠には続きません。どんな人にも「情」があります。「仕事は自分のためのもの」=「仕事は人のためのもの」。この2つの意味は、同一です。自分だけのためでも、他人だけのためでも、ダメです。ある時は自分を喜ばせ、ある時は目の前の他人を喜ばせ、最終的に自分に幸せが少しずつ少しずつ返って来るように続けていけばいい。それが結果的に、「良い仕事」になるんだろうな、と思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?