今年の夏休みの自由研究でやってみて!小学生に超オススメ「ボードゲーム自由研究」とは?
子供の自由研究のテーマや進め方で悩んでいる親御さんへ。
今年の夏休みは「どうしたら面白いボードゲームを作れるか?」を、親子で研究してみませんか?
まず、「自由研究」というもののやり方の基本を説明します。
自由研究は4つのステップで進めます。
①疑問発見:「どうして〇〇なのか」「〇〇したらどうなるのか」「どれが一番〇〇なのか」などの問いを立て、テーマにする。
②予想する:「△△なのではないか」「こうしたら△△になるのではないか」など、仮説を立てる。
③実験・観察:条件を変えて試してみたり、継続的に観察したりして、集まった情報(データ)を、表や図などで一覧できるようにし、考察する。
④結果まとめ:情報(データ)から言えることをまとめる。
ですね。
この流れで、ボードゲームやカードゲームなど、アナログゲームを自由に研究開発するということです。
①疑問発見:「面白い魚釣りカードゲームを作るには?」
②予想する:「こんなルールが面白いんじゃないか?(最初の実験的ルールで試作を作る)」
③実験・観察: 試作する → 身の回りの人と遊ぶ → 感想を聞く → 改良する → ・・・(良いものができるまで②と③を繰り返す)
④結果まとめ:完成したゲーム内容と、完成するまでのプロセスから分かったことをまとめる。
という流れになります。
簡単な例を作ってご説明します。
まず、こんなゲームが面白いのではないか?という仮説(初回の実験的ルール)を作ってみます。
【1回目】
それを、例えばおうちの人と遊んでみて、本音の感想(感じたこと)を話し合い、それを修正する方法を考えます。
これを、ゲームルールを少しずつ変えて試作を作り直しながら、ひたすら繰り返します。もちろん研究にとっては情報収集が大切なので、一緒に遊んでくれたおうちの人からアイデアをどんどん集めて、新しい仮説(試作)を作り、検証していきます。
【2回目】
【3回目】
【4回目】
・・・・・・
最低でも10回は作り直し(実験)をして、考察した結果をまとめてみてほしいですね。それだけやると、確実にだんだん面白くなってきます。
完成したとき、気づくことはたくさんあるはずです。
結果や気づいたことは子供たち自身に感じて欲しいので、ここであまり多くは語りませんが、「面白いって何だろう?」などの話が出てきたら、おもちゃ開発者としては「ニヤッ」としますね。
「ルールが面白かったね」に加えて、「例えばエサを取られて釣り逃がすとか、釣ろうとした魚を他の人に獲られちゃうとか、本当に魚釣りっぽくて面白かったね」など、現実の何かを疑似体験させるのが面白いゲームであるということに気が付くと、未来のゲームクリエーターが生まれそうな感じがします。
そしてさらにもう一歩、研究っぽくするとしたら......、
遊ぶと学習や成長などの効果効能があるゲームを作れるかどうか、研究してみるとさらに面白くなります。
例えば僕がルール開発を担当させて頂いた「アンガーマネジメントゲーム」というゲームがあります。 ↓
これは、遊ぶと「イライラが減る」というゲームです。「本当に効果ある!」と、すごく良い評判を頂いているヒット商品です。
なぜ、遊ぶとイライラが減るのでしょう。
このゲームの開発はまさに試行錯誤の連続でした。「イライラが減るかどうか」を、いろいろな人に遊んでもらいながら感想を聞いて、検証していったわけです。最初からどうすればイライラが減るゲームになるかなんてわかるわけがありません。トライアンドエラーを繰り返して良い結果に近づけていくだけです。そう考えると、プロのゲーム開発も、自由研究と何ら変わりないですよね。自由研究って、「仕事のやり方」を学ぶものなんです。
アンガーマネジメントゲームの開発の例と同様に問いを立てて、「遊ぶと九九が覚えられるゲームを作れるか?」「お手伝いが好きになるゲームは作れるか?」など、効果を期待するゲームを研究すると、気づくことの量も数段増えるので、ぜひチャレンジしてみてほしいです。
ゲーム作りは、これから新しい教科として整ってくる「探究」「プログラミング」などの本質であり、学びの手段として優良なテーマです。よかったらこの夏休み、親子で楽しみながら「ボードゲーム自由研究」をぜひやってみて下さい。
※ゲームの作り方が本当に全然イメージできない、という方は、以下の記事も参考までに読んでみて下さい。
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