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【SWOT分析①】SWOT分析初心者が分析手順に迷わない為の道しるべにして欲しい


1.はじめに

 金融機関は、金融庁からの指導もあり、融資判断を「担保(不動産や動産)」から、「事業性評価」による融資判断へと取り組みをしています。特に、国が2026年度頃より事業成長担保権の取り組みを開始する動きがある中、より一層、事業性評価への取り組みが重要になってきます。
 一方、銀行の現場では、事業性評価自体「何から取り組めば良いのか分からない」「とりあえずSWOT分析から取り組めば良いんじゃないか?」といった闇雲な分析をやりがちだし、先輩も分からいことから後輩への指導も行き届いていないと思います。そこで今回、SWOT分析初心者の銀行員がどのようにSWOT分析に取り組めば良いのか、若輩者ながらお伝えしたいと思います。

2.SWOT分析とは

 まず、SWOT分析について改めておさらいします。SWOT分析とは、診断する企業の内部環境である「強み(Strengths)」・「弱み(Weaknesses)」、外部環境にあたる「機会(Opportunities)」と「脅威(Threats)」の4つを分析するものであり、経営環境分析の基本ですSWOT分析の結果から、企業の進むべき方向性を判断していくこととなります。

3.SWOT分析に入る前の事実出し

 さぁ、SWOT分析のことは分かりました。じゃあ、SWOT分析を…と言いたいところですが、ちょっと待って下さい。SWOT分析はあくまでフレームワーク、情報を整理する為のツールです。このツールを使う為にやるべきことがあります。それが「事実出し」です。ここがSWOT分析初心者の銀行員が陥りやすい箇所になります。皆すぐにSWOT分析を手掛けがちですが、その枠に情報をはめ込んでしまうと、整理された情報だけになってしまい、本質が見えなくなってしまいます。ここは時間をかけてもいいので、しっかり多くの事実を出していくことを重視して下さい。
 まずは、企業の内部環境(ヒト・モノ・カネ・情報)から事実出しをしていきます。例えば、企業の格付情報から財務分析の結果や組織・従業員の内容、取扱い商品、設備、店舗、経営者としての資質等々、洗いざらい出していきます。

色んな切り口から事実を洗い出していく

 次に、外部環境の事実出しです。外部環境は様々ありますが、①マクロ環境(ネットから調べられる情報)と②ミクロ環境(企業が立地している地域の特性)に分けて考えていくと整理しやすくなります。

①マクロ環境では、企業経営に間接的に影響を与えるものととらえ、PEST分析と言われる分析手法で分析していくと情報が整理しやすくなると思います。
※PEST分析・・・政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Social)、技術(Technology)の4つに分けて分析する手法

②ミクロ環境では、企業経営に直接的に影響を与えるものととらえ、市場・競合他社・供給業者等を整理していきます。

以上の事実だしを個数して1,000個程度出せると、より解像度が上がりますが、最低500個出せると良いと思います。

4.カテゴライズ

 今まで行ってきた事実出しから、カテゴリーに分けていきます。これは先程挙げた事実出しと似ていますが、「組織・人事」「営業」「財務」「商品」など、同質の事実を一つにまとめたり整理、集約化を図っていきます。

5.特徴出し

 まとめた事実から、今度は一つの特徴にしていきます。例えば、出てきた3つの事実から「銀行の窓口で長時間待たされる」といったような特徴を明確にしていきます。

6.SWOT別項目への集約

 ここまで出来て初めてSWOTへそれぞれ特徴出しで出てきた項目をあてはめていきます。多すぎると全体把握が難しくなる為、夫々の項目で10個程度に収まるといいと思います。

以上がSWOT分析の手順になります。
結構ハードですが、ここまでやることによって診断企業の実態が明らかになり、良い戦略が見えてきますので、是非参考にしてみて下さい。
また、もっと詳しく知りたいという方は、是非コメントや反応頂けると助かります。もっとブラッシュアップ出来るよう努めていきます♪

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