見出し画像

最後まで圧倒的な強みを持つ

 年齢を重ねても尊厳を持って生きていくには、人には負けない圧倒的な強みを持つ、これがとても大切なように思います。

 若いころは、経験やお金、人的ネットワークがなくても、とにかくスタミナがあるので、力技で至らない点を補うことができますし、年長の人たちからは、将来の伸びしろを買われて、自分の実力以上のところで活躍する機会を与えられることがあります。
 
当然、そうした場でコンスタントに成果を挙げることは難しいわけですが、ドラクエでいえば、自分のレベルでは強敵と思えるエリアで戦うようなもので、楽ではない分、レベルアップへの早道になります。

 ただ、ある年齢になると、先行投資のような考えで付き合ってくれる人がいなくなり、自分の今いるステージで勝負することになります。

 実力相応である分、コンスタントに成果を出すことを期待され、失敗するにしても穴を空けることは許されず、何らかの形で自分の穴埋めをするスキルも求められます。要は、人に頼れなくなるわけです。

 組織の場合、それでもバックアップはあるのでしょうが、それは勝利へのリリーフというより、敗戦処理に近い戦いになります。そして自分自身が、いずれ敗戦処理投手での出番しか与えられなくなります。

 これは人それぞれの考えがあるでしょうが、僕は、若いころに背伸びをしてレベルの高いところで戦っていた方が、その後の戦いはむしろ楽になると思います。敗戦処理でも死ぬわけではありませんが、常に人の風下にいるというのは、やはり面白くないものです。

 とはいえ、コンスタントに成果を出し続ける人は、なかなかいないと思います。勝率が悪くても生き残るには、やはり人には負けない圧倒的な強みを持つことが大事になってきます。

 自分の得意分野で出て行って、そこでは圧倒的な勝率を誇る、特定の相手には圧倒的に強い、となれば、組織としても計算しやすくなるし、個人としてもこの分野は彼に任せようかということになる。それにより特定分野の臨床経験を積み重ねると、参入障壁が高くなり、勝率はいよいよ高まります。そこにアップデートした知識を身につければ、まさに鬼に金棒です。

 子どもとの関係においても、親は生まれてからしばらくは、全面的に強く優位なわけですが、いずれ子どもに追いつかれ、追い抜かれる時が来ます。その間、親が努力していなければ、追い抜かれるステージは早くなりますが、努力をしていても、スタミナの差で追い抜かれます。

 そういう時でも、圧倒的な強み、得意分野を持っていれば、子どもとの関係でも、余裕をもって付き合うことができますし、子どもの側も、この分野は親には絶対かなわないという領域があれば、そこにリスペクトが残り続けるものです。

 いくら子どもに追い抜かれても、ここだけは負けないという部分を親が持つことは、親子関係を良好にするうえでも、大事なことのように思います。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?