刷り込まれた情報を補正することの難しさ
昨日は2ヶ月ぶりに美容室に行き、カットとヘッドスパを施術してもらいました。
ヘッドスパは自分のリラクゼーションの時間であるとともに、髪質を維持することに貢献していると思います。お陰様で、毛量が維持され、白髪もほとんどなく、年齢的には恵まれた状態にあると思います。
美容師さんとの会話で、ロッテの佐々木朗希投手のことが話題になりました。僕は個人的に、三陸出身で、岩手のスターであるこの選手のことを、好ましく思っていましたが、最近の聞きかじりのネット情報で、プロ野球の労働組合を脱退し、メジャー志向で球団と揉めているというようなことを聞いて、何か思い上がりの行動のように感じて、自分の中でイメージダウンさせていました。
ただ、この美容師さんによると、労働組合に入っていない選手は他にもおり、佐々木投手が組合を脱退したのはだいぶ前のことであり、球団とはメジャー志向から契約交渉が時間がかかったのは事実であるものの、佐々木投手がわがままを言って契約交渉をごねたというわけでもなく、
マスコミの一部が契約交渉のところに食いついて、過去の組合脱退のことも絡め、脱退に対するコメントをプロ野球労組側に求め、求められた労組側は、立場上、苦言を呈せざるを得ず、そこも加えて、一種の身勝手な選手像を作り上げていた、という構図のようでした。
確かに、プロ野球選手は球団に属してはいても、個人事業主の集まりであり、サラリーマンのように一律で待遇が保障されているわけではないため、組合に入らないことで、組合の交渉の成果をフリーライドしているわけでないことを考えると、自分の力でメジャーへの道を切り開こうとしている佐々木選手が、国内にとどまりプレーする環境を改善する組合に入る意義を感じないのは、わかる気もします。
まあ、それでも、批判される要素はゼロではないのでしょうが、今の時代は、フリーライターが一部の極端な意見を、針小棒大に取り上げて記事を書いたり、署名記事でない、なんだか出所のわからない「関係者」のコメントで無責任な記事をあげたりして、有名人ほど無防備に攻撃にさらされることもあります。
ひどい場合は完全な誤報とかもありますが、一度ネットに上がって拡散すると、後で訂正記事を出したところで、ほとんど意味がない、その責任が追及されないところが、怖いところだと思います。(社内的な制裁はあるのかもしれませんが)
有名人に限らず、感染症の報道が盛んなりし頃の、過剰に特定の業界や行政の対応をバッシングするような報道でも、極端な主張を切り出して煽り立てることは事欠かなかったですし、
最近の有名人のプライバシーに対する過剰な報道や、少し毛色が異なりますが、京葉線のダイヤ改正を巡る一連の報道も、批判される面はあるにせよ、そのこと自体の事実関係の検証はスルーされ、穴に落ちた人をとにかく叩く、そこにメディアも相乗りする構図は、依然として多いですね。
今は、ネットに触れれば、どうしても、こうしたキャッチーなニュースが目に入りがちで、スキマ時間に自分の脳内辞書に刷り込まれてしまいます。関心がない限りは、その情報のベリファイがなされることはなく、佐々木投手の一件は、たまたま僕は情報を補正する機会を得ましたが、自分の中にも相当程度、誤った状態で刷り込まれている情報はあるのでしょう。
情報の流布のハードルが低くなった結果、多くの情報をタイムラグなく手の入れられるような状況にあるのは、歓迎すべき面もあるのですが、一方で、誤った情報を取り込みやすい状況にあり、少なくとも自分の行動に影響を与えるような情報については、判断を誤ることにもなりかねず、意識して持てる情報を補正できる機会を持つようにしたいと思います。
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