マガジンのカバー画像

清水屋商店ブックページ

14
1冊の本をもとにその時々に考えていることを綴るエッセイ
運営しているクリエイター

2021年7月の記事一覧

音の感触

音の感触

清水屋商店BOOKS vol.13

「レコードという物質は、創造性のある微粒子を圧縮して堅い円盤にしたもので、それをカツブシ削り器を使うように針の先で引っ搔いているからで、そんな原理を頭に浮かべた昔の人は、やっぱり偉い。」

これは植草甚一の『退屈の利用法』(晶文社)という本の一節。
音楽は演奏をその場で聴くかあとで聴くかのふたつ。生演奏を聴くことがいちばん良いことですが、音楽に触れることの大半

もっとみる
街の記憶

街の記憶

清水屋商店BOOKS vol.12

いま目にしている街の風景。
それは日常であり見慣れた景色であると同時に、その土地の特徴を作り出すおおきな要素です。鳥の目線で言えば、東京はスカイツリーや東京タワーであり、ニューヨークであれば摩天楼、パリは凱旋門といったように象徴となる風景というものがあります。
人の目線では、銀座の中央通り、青山の表参道、浅草の仲見世通りなどその地域を代表するような風景でしょう

もっとみる