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適応障害になった話

お久しぶりです。similarlです。

もう随分前になりますが、今年6月初旬に適応障害と診断されました。適応障害とは、新しい環境や人間関係などによるストレスが原因で、不安や抑うつ、焦りなどが強くなり社会生活にも支障を来す、れっきとした病気です。

事の発端は、4月からの対面形式での研究室での活動でした。

元々、一人での作業が苦にならず、むしろ一人の時間が必要で、さらに静かな環境の方が集中できる性格であるため、オンライン形式の授業が性に合っていたのでしょう。昨年ほぼ1年間オンライン授業の「味」を知ってしまったが故に、1日9時間・週2日とは言え、対面形式に戻るのは、簡単なことではなかったようです。後の5日は、研究室での解析の続きや、後述のゼミでの発表準備、先輩の発表を聴くことも在宅で行っていました。

研究だけならいざ知らず、Zoomで行うとは言えゼミでの進捗報告会の発表2回と、海外の論文の輪読の発表1回の計3回の発表を、1ヶ月の間に全て行うという過密スケジュールの下、これらの発表に使うための(指定の形式での)PDF資料やパワーポイントを作成し、さらに(これは自分で独自にそうしたとは言え)指導教員や先輩から飛ぶであろう質問を予想し答えられるようにするという、「短いようで長い期間に、マルチタスクを求められる状況」も、精神的に追い詰められた状態に拍車をかけました。後になって、私には「やるべきこと」は一つずつ消化していく方が向いていることに気がつきました。

最初は食欲不振に始まり、そのうち夜寝付くのに1時間かかることが日に日に増えました。日課にしていた運動の時間も返上せざるを得ないほど、

やがて、研究のこと、教育のこと、将来のことなど「複雑な」思考が、出来なくなっていきました。

家事や入浴ですらも億劫になり、料理を作る気力も、食後の食器を洗う気力も無くなりました。そのうち学食やファミレスの宅配以外で、肉や魚を食べられなくなりました。野菜のビタミンは野菜ジュースで摂るようになりました。辛うじて最小限の栄養を補給しているような状態で、我ながらいつか栄養失調で倒れてしまうのではないかと怖くなったほどです。

そうしてある日、なけなしの気力を振り絞って研究室に出向き、昼食の1時間はさておき、コアタイムの午前4時間、午後4時間の計8時間ほど研究室のPCとにらめっこした時、時間をかけた割に解析が何も進んでいない、全く集中できていないことに気づき、そこで自分の中で糸が切れてしまいました。

「このままでは八方塞がりだ。今のままでは時間ばかり消費して何も解決しない。自分が自分じゃなくなりそうだ

そうして大学の保健室の扉を叩き、人生で初めて心療内科を受診し、適応障害と診断されたのです。自分の状態に名前があった、自分は病気ゆえに休んでも良いのだと、それだけでほんの少し救われた気持ちになりました。

とは言え、診断されて終わりではありません。診断されてからも、研究に取り組めるかどうかはその日の体調次第であるため、思うように進むはずもなく、「自分は一体何をやっているんだろう」「入学直後のやる気と自信に満ちあふれていた自分が、今の自分の状況を見たら、情けなく思うだろうか?」と、自責の念に囚われることもありました。

それでも紆余曲折ありながらも、進捗報告会の発表に代わる報告書を仕上げ、前期の研究活動を終えました。

ただ、今は「研究関連のことでこんな状態になると言うことは、“今は”研究以外の道に進んだ方が良い」ということだけは、確信しています。

追記

現在は前期終了直後から実家に戻って、未だ完全にではないにせよ少しずつ回復しています。大学へは診断書を提出しており、また、研究内容がPC1台で出来るような解析系であったことから、許可を得た上でオンラインにて研究活動を進めています。

適応障害についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。


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