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(13)連載0件!漫画アシスタント15年。30代ラストで漫画家目指す!?

初めての方は此方から

何故 自分は

漫画作画をアナログからデジタルに完全移行したのか?


「シメノくん 何故 日本のゲーム業界は海外メーカーに抜かれたか知ってる?」

漫画アシスタント先のチーフが質問してきた。

あっ、、、

漫画作画アナログ→デジタルの話じゃないの?
と想いのアナタ。

ちゃんとお題を繋げるので お待ち下さいね。

時代はPS3~PS4に完全移行した時の話だ。
なぜ 日本のゲームメーカーは廃れたのか?

「テクノロジーの壁を飛び越えなかったからだよ」

「てくのろじーのかべ?」

 一言で理解しない 物分かり&腕も立たない アシスタントに
チーフは その意味を咀嚼して語ってくれた。

「テレビってアナログからハイビジョンに。ゲームも3色端子からHDMI端子に変わったでしょ?
その転換期に日本の大半のゲームメーカーは新しい技術について勉強しなかったんだよ。
海外メーカーは勉強してテクノロジーの壁を飛び越えたから世界でも通用するゲームを作ってるんだよ。」

アシスタント先のゲーム遍歴も随分変わった。

PS2時代は日本メーカーが大半を占めてたのに
PS4では海外メーカーのゲームがほぼ独占。

今 アシスタント先でやってる日本のゲームと言えば チーフがプレイしてるカプコンの「ドラゴンズドグマ」位のもの。

「テクノロジーの壁か、、、」

チーフの言葉が引っ掛かりその言葉を反芻しながら作画作業する。

そして「カチカチ」と音が響く。ペンの音では無い。

チーフの握ったコントローラーの音が作画中の部屋に響く。
そのゲームは勿論** ドラゴンズドグマ、、**、

※チーフ 作画量 描写力 凄いんでゲームしててもその時間シッカリと回収するんですよ!サボりではないのです‼ 

漫画アシスタント先で気づいたテクノロジーの壁


愛用のペン先が廃版に。一番細い線が引ける便利な丸ペンだった。 他メーカーの品を代用する事に。

スクリーントーンの服柄がどんどん絶版になっていく。
アシスタント先の作品は戦国モノで キャラクターが着ている 服柄がなくなるのは死活問題だ。
フリートーンと言う 無地のトーンをコピー機に入れ 在庫のあるうちに服柄を転写させていく。
印刷したインクがボロボロ落ちたり フィルムの粘着力が強く 扱いに苦労。
そのフリートーンも今後 販売し続けていくかどうか・・・

漫画をパソコンで描く人が増え アナログの道具が徐々に消えていく。
携帯からスマホへ。気付けば老年の父母も今ではlineを使用してる。

馬から車に代替わりした期間は約13年。

馬から車なんて30年以上ゆっくりかけて移行していったと 思ってた、、

チーフの言葉を思い出す。
「転換期に日本の大半のゲームメーカーは新しい技術について勉強しなかったんだよ。」

ファミコン時代の強制スクロールの様に 
漫画の現場で使用しているモノが否が応でも旧世代の道具になっていく。
新しいテクノロジーに漫画業界も押されて行き 現在使用している道具が消えていくのだ、、、

チーフの言葉を思い出し 
アシスタント先では全然 手に持たなかった パソコンで絵を描く勉強を始めた。
(エロサイトや面白動画の閲覧で勉強が先延ばしになった事は 目をつぶって欲しい。)

で。デジタルで描く漫画は。

初期費用が高い!

自分の場合だと

パソコンが10万円
漫画を描く タブレット が2万5千円
クリップスタジオと言う漫画を描くソフトが2万3千円

約15万円也。

中古品やスペックを下げればもっと安く揃える事も。

初期費用は高いものの 画材を買い足す事も トーンの廃版を心配する事もない。
ポンコツアシスタントとして 「塗り残し」や「トーンの圧着」が弱かったりと・・ 
デジタルでは一括変換。ミスは0に等しい。

1P 平均90分もかかってたトーン貼りの作業は
デジタルでは30分以内で完成する。

画力の向上は 本人の才能と工夫によるものだが
画力の幅はデジタルのおかげで随分と広がった。


自分の漫画ブログ「ハツ手術」は勿論 イラストの仕事
はデジタル作業でなければ 出来なかったと思う。

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(ギターの弾き方を学びたいギター中級の人は是非!)


しかし!!


「デジタルで漫画描いてます。」と言っても

未だパソコンモニターとタブレット。

主流はペンタブからがモニターに直接描く
液晶タブレットに変わりつつある。

PS5が発売した昨今 PS4が旧世代になる日も
遠い未来ではない。
ゲームクリエーター小島秀夫は語る。

「5年以内にエンタメは大きく変わると思うんですよ。その先にあるのはAIがクリエイターを支える時代で、AIがエージェントの代わりになり、スタッフも探してくれる。そこに向けて『インディーズでもできるぞ』と示さなきゃならないと思ったんです。」 Pen Online 2019/11/08より 抜粋

液晶ペンタブからAIを使った漫画制作になる日も来るかもしれない。

その時はテクノロジーの壁を乗り越え続るんだよっ!

だからと言って
壁を乗り越えない アナログの作画は絶滅するのか?

アナログ作画の凄さをアシスタント時代に体験してるから
言い切れる。

んっなことはない!!!


アナログで描く漫画のすごみ。


「この原稿 全部手書きで描いたのか、、」

アシスタント 最初の原稿を完成させた時の気持ちだ。
アシスタントを辞めるまでの15年 終わりの日もその気持ちはブレてはない。
デジタル作画に変えてから その思いは尚更だ。

印刷には出ないベタの濃淡や修正の為のホワイト痕

モニター上のデジタル作画 単行本では表現出来無い 
アナログ原稿の凄みだ。

「西荻ヨンデノンデ」の作者 玉川重機さんの原画展に行き
生原稿を観た時も 手描き原稿の凄さに震えた。
トーンを使わないカケアミの質量は圧倒的だ。

読み流される スマホとは違い 何度も単行本を手にとってしまう。
手描きの筆量が物語の強度も生む。

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この絵をスマホでみてるアナタっ!原寸の原稿の凄さを知っていただきたい!!


アナログ作画は「読む」行為外にも及ぶ

展示会に脚を運ぶ 

顔を近づけて作品を見る

図録を手に持つ

スマホで手軽に読むデジタルでは味わえない楽しみだ。
生原稿の展示会以外にも漫画の単行本化の際は

装丁や印刷に工夫を凝らし単行本の単価を引き上げる。

 所有する楽しみを付加価値として電子出版と差を付ける。

販売も本屋以外 変わった場所で単行本を売るのはどうか。
(谷口ジローの名著 「神々の山嶺」をエベレスト頂上で販売するとか!)

 自分の告知はデジタルに軍配があがる。
SNSも活用し 毎日とは行かないまでも定期的に制作状況を発信して
読者との距離を近づける。

手際ではなく手間を読者に楽しんでもらう。
漫画を読む枠外にも楽しさを広げる。

デジタルには及ばないアナログの強みだと思う。

デジタルとアナログの関係は

「優劣」の縦軸では無く「作用反作用」の様な横軸の関係だ。

デジタル漫画の場合 ネットに依存した流れ(フロー)だとしたら
アナログ漫画の場合  ネットに依存しない蓄積(ストック)だ。

「流れ」をとるか「蓄積」をとるか?

あなたはどっち?


補足。
デジタル作画を始めようとしている アナタ!

原稿をネットにあげるときは画像の容量を下げる事。
(自分の場合600dpiで作画ネットに上げる時は半分の300 dpiに)

2020年現在 高画質だと画面を出すまでに時間がかかってしまう。
ブログの立ち上げが速い 遅いもGoogleの評価基準になってる事。

原稿の台詞 トーンもしくはカラーのレイヤーは分けておく事。

もし将来  単行本する際 原稿が全部統合されてると 修正が面倒になりますよ!

外付けハードディスクへこまめにバックアップする事

Macの場合は外付けは自動でバックアップ出来るそうですが
Windows場合は手動 
デジタルの場合 作品が一瞬で壊れる可能性が、、、
自分の場合は外付け2台にバックアップしてます。

※記事を描いたトコ他の人のアイデアで「データー保存にクラウド使えばいいじゃん!」
との声が。 確かに、、、そのテクノロジー忘れてました。


次回は銭やビジネスの視点は一旦おいといて。
 自分の漫画 ハツ手術を描いて
を記事にします!

約3年の思いを記事にまとめ!

続きをよむ。




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