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うるせえBlasphemousをやれ!!!!(全ギレ)

いいからBlasphemousをやるんだ。

で、なに?Blasphemousって

素晴らしいゲームです。
より正確には、スペイン気鋭のインディーゲームメーカーThe Game Kitchenによる、傑作2Dドット絵メトロイドヴァニアです。

内容については、PVを見ていただいた方が早いです。
こちらをご覧ください。

はい素晴らしい。遊ぼう遊ぼう。

舞台は「奇跡」に呪われた土地、クヴストディア。プレイヤーは己を悔いる者「悔悟者」となり、死と転生の輪廻を繰り返しながら、奇跡の根源を突き止めなければなりません。神秘と謎に満ちたストーリー、なんて面白そうなんだ。

気になるお値段は2,500円前後。お安い。
プラットフォームはNintendo SwitchPlayStation 4Xbox OneSteamではWindowsにMacにLinuxと、逃げ場の無い対応っぷりです。ハードを持ってる人は遊びましょう(残念ながらXbox One版は日本国内での配信が無いようですが、そこは気合でなんとかするべきだと思います)

なお、元より高額なフルプライスタイトルではなく、かつ2019年リリース、つまりちょっと前のゲームなので、それなりの頻度でセールも行われています。見かけた時にセールをやってたなら、それは運命です、買いましょう。
しかしセール待ちするまでもなく最高に面白いゲームなので、いますぐ買って遊びましょう。

PVを見て「ちょっとグロくて無理ですわ」となった方には申し訳なかったですが、何事もチャレンジです。この際買って遊びましょう。

どこがオススメポイントなのか具体的に述べよという方もおられるかと思いますので、以下つらつらと列挙させていただきます。

どっしり重厚なアートワークと作品世界

いいですよね。見たまんまです。
死、貧困、不潔、疫病、祈り、暗黒時代のヨーロッパの陰惨さがのしかかってくる重い表現の数々が、精細なドット絵と相まってこのゲームの有り様をガツンと決定づけています。カトリックな宗教絵画表現が全編に渡って横溢するビジュアルの素晴らしさは、スペインの制作であるが故でしょう。

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道中大体こんな感じですし、

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ボス戦の導入なんかこうですよこう。ピエタ。

またゲーム中、美麗なクソデカNPCの皆さんの出現にびっくりすることしばしばかもしれませんが、これはマニエリスム美術とかなんかそういうやつみたいです。そういうのを読み解けるのは、知的階級に限られてたらしいですよ(ぐぐった)。つまり本格的ではなく、本格だということです。

よってさあ、いますぐ巡礼の旅へ出ましょう。

聞けばわかるサウンドの素晴らしさ

爪弾かれる弦楽器の寂しさと侘しさに、都度都度エモーショナルな管楽器の音が吹き込まれることで、主人公「悔悟者」の戦いの孤独と使命が浮かび上がります。ゲームに限らず様々な媒体で活躍中との噂のカルロス・ビオラ氏の手による楽曲の数々は、心を震わせるものばかりです。こっちも聞いたまんまですが、PVだけでは伝わりづらいところかも。だから実際に遊びましょうね。なんならサントラも買ったらいいんじゃないでしょうか

なお効果音も大変にイケており、ザシュザシュバキバキドシュグチュブチュといい音が揃っています。是非あなたの手で断罪の音色を奏でてください。

肝心のゲーム内容は、ただただ楽しいの一言

ここ大事です。重苦しい表現とは裏腹に、ゲームは軽快で、爽快です。
主人公である剣士「悔悟者」の動きは小気味よく、アクション好きでも苦手でも、この呪われた土地を縦横無尽に走り回れることでしょう。
かといってバトルが軽いわけではありません。懲罰の手応えがはっきり伝わる重々しい(やややりすぎ感のある)ヒットストップが、戦いに充実感を与えてくれます。誰でもいいからしばき回したいぞって時にも好適です。

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うしゃおら、どかーん!!

そしてメトロイドヴァニアの要である探索は、王道的でありながらユニークなものです。全ての場所を疑ってかからなければ進展しないような頑なさは無く、しかしここかなー?という場所には実にいい感じで何かしらが隠されています。戦いの激しさと探索の静かさが絡み合い、濃密なゲーム体験に浸れること請け合いです。

以上、もはや遊ばない理由は一つも見当たりません。遊びましょう。

でも、難しいんでしょう?

Blasphemousについて書かれる記事のほとんどに「ソウルライク」と「高難易度」の枕詞がついていますが、ソウルライクはともかく高難易度はエアプの戯言と断じざるをえません。このゲームの難易度は高くない。ろくに遊んでもいないのに高難易度のレッテルを貼る者は、恥を知らなければなりません。

確かにボスの多くは非常に手強く、探索中も迂闊な真似をすると即死することしばしばではあります。しかしここが非常に重要なポイントなのですが、このゲームには高難易度でプレイヤーを痛めつけてやろうという邪悪な意図が全然ありません。本当に無い。むしろ事あるごとにショートカットを開通させ、ボスの前にはきっちりチェックポイントを設置するという、ストレスなく再挑戦できるおもてなし精神が全編を通底しています。レベルデザインの丁寧さに導かれ、気がつけばひょいひょい余裕でクリアできていること間違いなしです。遊びましょう。

本当に難しくないの??

アクション難易度については、技量の個人差はどうしてもあるので「やっぱり難しいわー」となる方はおられるかもしれません。しかし、それでもこのゲームをオススメできます。理由を一言でまとめると、腕前の問題で詰まない様な配慮が念入りにされている、ということです。

例えばこの種のゲームで時々見かける「何故かそこだけゲーム性が違う」ような局面は絶無です。即死トラップとジャンプアクションの意地悪さが相まって、それまでの探索で稼いだキャラ性能が一切機能しない難所の様なところは存在しないのです。つまり、簡単には詰みません。
(なお後述のDLCにはそういう場所が存在しますが、そっちは一回クリアしてから考えましょうか。クリアには影響しないオマケ要素の様なものですので、無視して進んでも問題ありません)

また、初見殺しもありません。ボス相手に対処方法がわかるまで手球に取られることはまあ、ままあるかもしれないですが、仮にそうであっても、避けられるかバカ!!という攻撃は皆無に近いのです。
(正直に言えば、残念ながらわずかにはあります……が、ゲームバランスに致命的な影を落とす様なものではありません。大抵は十分ライフで受けられます)

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救済措置もあります。
例えば上の画像の左に立っているお姉さんは、ボス戦の最中にHPを回復してくれるお助けキャラクターです。どれだけ助けを借りても、ゲームの進行には影響がありません。僅差で勝てないようでしたら、頼ってみるのもいいでしょう。

そして、それでも難しいよ!と思う場合は、堂々と引き返せばOKです。最終的に全てのボスを倒さなければならないゲームではありますが、倒す順番にはそれなりの自由度があります。ネタバレになってしまうので詳細は省きますが、とにかくボスが強くて倒せないなら、一旦引き返して他のエリアへ進めばいいのです。

高難易度高難易度と形容される本作ですが、探索を真面目にやっている限り、悔悟者の性能はものすごく高くなります。少なくとも一周目に限っては、誰でも気持ちよくクリアできる様なバランスに調整されていますので、是非探索を楽しんで、悔悟者を育てていただきたいです。

火力不足だなーと思う方、火力は上がります。大丈夫です。
体力が低くて脆いなーと思う方、体力上限も防御力も上がります。大丈夫です。

つまり遊べば遊んだだけ強くなるゲームです。手応えが無いなどとは言いませんが、理不尽さは周到に排除されており、よって難しいゲームなどではないのです。わーい!なので遊びましょうね。

ならヌルゲーなの?

勿論ヌルいゲームではありません。
ベテランのゲーマーでも退屈しない時間が長く続くでしょうし、バラしてしまえばこのゲームの二周目以降には、いうなれば弱くてニューゲーム的なマゾモード「真なる苦悶への昇天」が存在します。そう、一周目の苦悶は偽りのものなのです。

この「真なる苦悶への昇天」では敵が全体に強化されている上、回復が使えなくなるだの、剣の攻撃力が半分になるだの、死んだら懺悔の涙全没収だの、鬼畜みのある縛り内容「贖罪」三点から、いずれかの縛りを選ぶことになります。

で、最初こそ「こんなに縛られてクリアできるかボケェ!!!」と思われるかもしれませんが、一周クリアするほどに熟達した悔悟者であるなら、ごく普通に戦えるようになるバランスなのが不思議なところ。

そして、元よりメトロイドヴァニアは二周目からが美味しいジャンルですが、別ゲーかな?ってレベルでゲーム性の変わるゲームは多くはない様に思われます。つまり一周目で散々苦労しつくしたよという方であっても、新鮮に遊べること請け合いなのです。

まだクリアしてない方、クリアしたけど「真なる苦悶への昇天」の文字にびっくりしてゲームをそっ閉じしてしまった方、本当に楽しいから是非楽しんでください。

まだ遊んでない方、こんな怪文書読んでる場合ではありません。
いいからBlasphemousをやるんだよ。

欠点は?

ねえよそんなもん!!
いや本当に無いです。バランス調整とレベルデザインの丁寧さを含め、欠点らしい欠点が無いというのは、このゲーム最大の特徴とも言えます。

とはいえ残念ながら、微細なバグは散見されます。もしかしたらバグは多い方かもしれません。
つまり、壁を抜けて落ちたり、エレベーターを呼ぶなり空を飛んだり、はしごでガニガニ蠢いたりする悔悟者の姿を、見かけることがあるかもしれません。しかし死因につながることは稀なので、おおらかな目で見てあげてください。

どうやらリリース当初はクラッシュを含めた大きなバグも多かったらしいですが、2021年8月のv3.0.32現在、ゲーム体験を損ねる様な問題は見当たりません。インディーゲームには珍しい堅牢さで、安心ですね。

そんなわけで、欠点の無いゲームです。
だからBlasphemousをやるんだよ。

さらにボーナス

このゲームは、恐ろしく気前が良いことで知られています。
先の「新なる苦悶への焦点」は実はDLCなのですが、無料提供されました。
そしてこのDLCの中では、物語の真相に迫るキャラクター「奇跡のアマネシダ達」との邂逅が待ち受けています。新作ボスの追加です。これは嬉しい。


さらにDLC第二弾では、メトロイドヴァニアのヴァニアの方で知られる悪魔城シリーズで著名なIGAこと五十嵐氏の手によるBloodstained: Ritual of the Nightとのコラボシナリオが導入されました。

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こちらでは、高難易度のコースをタイムアタックすることになります。後半は本当に難しいので、操作に慣れてからの挑戦をオススメします。例によってゲーム本編の進行には影響しませんので、合わなければ無視してもいいでしょう(その場合、ミリアムはおうちへ帰れなくなりますが)

そしてつい先ごろ、最終となるDLC第三弾Wounds of Eventideの公開が発表されました。2021年12月9日!

物語最終盤で相まみえたヤツとの決着が示唆されています。もう待ちきれない!!

そしてこれらDLCは完全に無料です。自動アップデートで適用されますので、DLC第二弾まではこの記事を書いた2021年9月現在、普通に遊べてしまいます。面倒が無い!!

つまりなるべく早めに買って遊び、DLC第三弾に備えなければならないということです。

知っておくと楽になる点

バランスの問題ではないと思いますが……。
このゲーム、強化のツボを外すと妙に苦労する(というか時間がかかる)場合があります。快適な悔伍のため、いくつかコツの様なものを挙げてみました。ネタバレとまでは行っていないつもりですが、気になる方は読み飛ばして、是非自力でのクリアを楽しんでください。

アビリティ「聖血の奇跡」はなるべく早めに取りましょう。
単純に遠距離攻撃が強いのも大きいのですが、収集要素の一部はこのアビリティが無いとものすごく苦労します。他のアビリティや折詩でゴリ押せることも多いので気に病む必要は無いながら、あると道中大分楽になります。また、このアビリティの攻撃は真なる苦悶への昇天における懺悔の剣のデバフの影響を受けない様です。

アビリティ「神聖なる一突き」もなるべく早めに取りましょう。
乱戦状態では、敵から一方的にぼてくりこかされる状況がしばしば起こります。遠距離から一気に距離を詰めつつ致命打を重ねられるこの攻撃を、是非使いこなしてください。「処刑」に繋げられる場合も多く、主力となりうる攻撃です。

なるべく寄付を心がけましょう。
ぶっちゃけ武器スキルを上げまくるより、寄付しまくった方が良いです……少なくとも一定の額までは。最初は特にメリットもなく何これって思うかもですが、いずれわかります。信心が大事です。

懺悔の涙を稼ぐのは、ほどほどにしましょう。
稼ぎすぎによるペナルティがあるわけではありません。単にゲームが進行するほど稼ぎ効率がよくなるので、序盤に頑張ると時間がかかってしまうというだけです。勿論、手持ちのアビリティでボスを撃破できないのであれば、頑張る価値はあります。しかしその場合も同じ場所で頑張りすぎず、未開拓の土地を回ってみることをオススメします。

まとめ

以上、僕から言いたいことは概ね(1/3くらい)言い終えました。
もって、誰もが買って遊ばなければならないゲームだということがわかっていただけたと思います。だからBlasphemousをやるんだよ。

そして良い悔悟を!!!



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