カナダに住んで117日目、ニューヨークは幸せな街?
友人とのアメリカ旅行から戻ってきた。
あれだけ粘り強かった冬の寒さもどこへやら、すっかり季節が変わってしまって驚いた。
電車の中には、もう派手な夏服を着た人、まだまだダウンを着て毛糸を編む人、そんなこと気にもせずにキスするカップルがいて面白い。
家に帰ると、同居している彼がいつものようにラテを淹れてくれたのでほっと一息ついてから、荷物を広げて買ってきたお土産を渡した。
それから、春らしい陽気に急かされるように洗濯物を抱えてコインランドリーへ向かう。
賑やかなインドの女性たちが仕上がった衣類を大きな布で包んでいたかと思えば、それを頭に乗せて"バァーイ"と風のように去っていった。
"カナダらしくていいね"
"言うと思った"
***
今回の旅行は、彼女との大計画で、アメリカの3つの都市を回ってきたけれど、それぞれの違いや揺るがない文化を肌で感じることができた。
はじめに訪れたのが、ニューヨーク。
TV広告で埋め尽くされた慌ただしくもキラキラとしたタイムズスクエアを通り抜け、大行列のMoMAでゴッホやモネの作品を鑑賞した。
夕食のために入ったダイナーでは山盛りの料理がウエイターたちによって華麗に運ばれ、あちこちの席でバースデーソングが聞かれた。
ブルックリン橋からはアイコニックなビルたちが一望できて、マンハッタンで近づくとより厳格かつ歴史的でいちいち誇らしく見えた。
でも、不思議にも、最もわたしの印象に残ったのは"穏やかなニューヨークの日常"だった。
街も電車も静かで、サイレンや喧騒もほとんどなくて、困った時には周りの人が助けてくれたし、日本語で声をかけてもらうこともあった。
ワールドトレードセンター近くのホテルに泊まったのだけど、9.11テロ事件の跡地や駅はとても美しく整備されていて、自由大国に相応しい警察官によってその治安は堅く守られていた。
ちょうどイースターの週末だったこともあり、よく晴れて桜の咲いたセントラルパークでピクニックをする人々は本当に幸せそうだった。
心のどこかでニューヨークにがっかりしたかったわたしの、"利益ばかりを追って殺伐とした街"という偏見は見事に覆されてしまった。
北欧への憧れもこのnoteに書き続けてきたことも一気に薄れていって、危うく飲み込まれてしまいそうな"資本主義のユートピア"だった。
***
"Can I get your phone number?"
(電話番号を教えてくれる?)
今週、人生で初めてのナンパをされた。
電車で目が合い、手に持ったお菓子を見せたあとで照れながら言ってくれたのは小さな男の子。
トロントらしい"スモールトーク"は、人間関係への期待を感じることができてやっぱり嬉しい。
資本主義のユートピアを知って、今までの宝物を失ったような気持ちで落ち込んでいたのだけど、"こういう世界線で生きたい"と思えた。
アメリカ旅行の続き、シェアハウスのこと、祖母と電話した話、カナダに来ることになった理由、
まだまだこれからもnoteに書き続けたい。
甘いだけじゃない人生もなるべく楽しめるように、自分の経験や考えを言葉にして振り返りながらもさらに先へと歩みを進めていきたい。
どんどん高まる気温とともに鼓動も速くなり、色々なものが輝き出してドキドキするような季節にも、心を広げるための深呼吸は忘れずに…
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この場を借りて、いつもありがとうございます。
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