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とある地方都市の外れにて #04 爺さんの与太話

寝惚けて流血沙汰を起こすような爺さん。私の記憶の中ではいつも酒に酔っていた。 とにかく白波(芋焼酎)の匂いがぷんぷんする。 そんな酒臭い爺さん、いつも本当か嘘か分からない話をしていた。 郵便局かどこかで仲間とストーブにあたってたら、そのうちの1人が放屁し引火したとか。 うどん屋であまりの量の少なさに『鼻から入るいひこあらいよ(鼻から入れるくらいの量だな)。』と言い放った客に店主がブチ切れ、『じゃあ鼻から食ってみろ!』と言われ、言われた方も鼻からうどんを啜ったとか。 すべら

    • とある地方都市の外れにて #03 おかんの真実

      前回学歴詐称が発覚したおかんだが、実はあの話には続きがある。 ばあちゃんが入院して、古い物の片付けか何かをしていた時だったように思う。 おかんの高校時代の卒業アルバムが出て来た。 早速おかんに報告した。 高校時代の面白エピソードでも聞けるかと思いきや、おかんは怒髪天を衝く勢いでブチ切れ、何も言わずにアルバムをひったくった。 余りの勢いに呆然としたのを覚えている。 よっぽど恥ずかしい写真が載っているのだろうか。 個人写真で鼻毛でも出てたのだろうか。 結局そのアルバムの行

      • とある地方都市の外れにて #02 おかんの学歴詐称

        少し前にマウンティングという言葉が流行った。 おかんはまさにマウンティングおかんであった。 兎にも角にも自分が一番でないと気が済まない。 お陰で今で言うママ友は皆無に近かった。 そんなおかんは事あるごとに自分の出身高校の自慢をした。 おかんの出身校は県内一の公立進学校とのことだった。 そんなある日のこと。 中学受験専門の塾に通っていた私に、とある進学校の教頭先生からの面談の話が舞い込んできた。 当時そちらに進学する気のない私を何とか説得しようとの試みだったようだ。 所詮

        • とある地方都市の外れにて #01 爺さんの寝込みを襲ったもの

          私が中学生の頃だったと記憶している。 ばあちゃんが認知症(当時はまだ痴呆症と言われてた)を患ったこともあり、爺さん達と同居を始めた。 爺さんは酒と煙草と女の問題を除けばまぁ特に人畜無害な存在であったのだが、たまに夜中に絶叫することがあった。 年寄りと言うこともあり、何かあったのかと駆けつけてみると、何事もなかったかのようにグッスリおねんねしている。 起こされた方は腹立たしいが、死なれるよりマシなので軽く舌打ちして自室に引っ込む、というのか常であった。 ところがある日のこと

        とある地方都市の外れにて #04 爺さんの与太話

          とある地方都市の外れにて #0

          これから投稿するのは全て私が経験した話である。 私の記憶違いや話を盛る癖のせいで若干事実と齟齬があるかもしれないが、極力ありのままをお話ししたい。 登場人物は頑固な爺さん、晩年認知症を患ったばあちゃん、腕はいいが酒乱(今は克服)の漁師のおっちゃん、見栄っ張りのおかん、おっちゃんの再婚相手きぃちゃん。 正直爺さんやおっちゃんの話は、昨今の社会情勢的には大幅アウトなものばかりである。しかし彼らは悪びれるどころか、むしろ年々その傍若無人っぷりに磨きをかけ、家族を容赦なく巻き込んで

          とある地方都市の外れにて #0