ENTPを面白く思う理由に迫る~分析編~

準備編

 今日だけで正直ENTPの話が吹き飛ぶくらい発見のある話が多かったのだが、ひとまず昨日の続きである。
 早速結論から……と言いたいところだが、昨日の推定ENTPの上司について、一つ訂正をしたい。
 今日流れで16Personalitiesをやってもらったところ、ENFPの結果が出たのである。正直驚きだが、よくよくパーセンテージを聞いてみると、思考と感情がほぼ半々だった。故に見誤ったようである。
 適当な予想をして大変申し訳ない。

 気を取り直して、私の思考結果といこう。


導いた結論


 さて、先に私がどういう結論に至ったかを提示してから、どのような道筋でその結論に至ったかを聞いていただきたい。
 ENTPを面白く思う理由。それは、開ける度に中身の変わるびっくり箱のような存在だからである。もしくは、二度と同じ絵柄にならない万華鏡。
 さて、どうしてそんな結論に至ったか、お付き合い頂ける方は是非最後まで見ていって欲しい。

心理機能を見てみよう


 何はなくとも心理機能である。心理機能とはなんぞや? という方は調べてきて欲しい。
 INTJの心理機能はお馴染み、

  • 内向直感(Ni)→(内から湧き出る)インスピレーション、本質理解

  • 外向思考(Te)→客観的、合理的判断

  • 内向感情(Fi)→倫理的、道徳的に自分はどう思うか判断

  • 外向感覚(Se)→今ここにいる実感

 である。上から順に得意だと思って欲しい。
 一方のENTPはといえば、

  • 外向直感(Ne)→広い視野、可能性の考慮

  • 内向思考(Ti)→客観的情報と主観的思考を織り交ぜた独自の思考

  • 外向感情(Fe)→皆がどう思うかの考慮

  • 内向感覚(Si)→記憶や自分の身体に関する実感

 という具合である。
 外向と内向が綺麗に正反対を向いている。
 やってることは似ているはずなのに反対を向くだけで随分と大きな違いのように見える。
 正直なところ、私はこの心理機能の向きの違いが、私にとってびっくり箱となる原因の9割を占めていると思う。

外向直感⇔内向直感


 私の頭の中には常に「これはどういうことだ?」「なぜこうなってしまう?」「どうしたら解明できる?」といった思考が存在する。意識していないことの方が多いが、ふとした瞬間にふと思い出すことがあるので、恐らく頭の中のどこかに仕舞われているのだろう。
 そうして外界から得た情報や資料を元に、不意に「これってこの問題にも言えるんじゃない?」「全然違う場面だけれど、この前別の人が似たようなこと言ってなかった?」といった閃きみたいなものが自分の内から降ってくる。得てしてそれは大きな命題の小さな疑問を解消するに過ぎないが、情報を得れば得る程、大きな命題は解消に向かう。そして未来視にも似た直感思考が繰り出される。
 ……と、内向直感と外向思考の組み合わせを表現してみたが、果たして上手くニュアンスが伝わっているか不安である。別にINTJはシャーマンでもないし、預言者でもない。ただ、確信めいた予感の更新と、それの裏付けを人知れず毎日行っているということだ。
 以上がINTJの得意な機能を組み合わせたときの話である。
 一方、ENTPはどうなのだろうか。私はENTP本人ではないので、完全に憶測になるが、INTJから内側から得ているインスピレーションを、外側から得ているということだろう。つまり、ENTPは外側から受けたインスピレーションにより独自の理論を作り上げ、外界から新たな視点を得る度に理論のブラッシュアップを行い、何度も繰り返して新しい理論を組み立てている、と思われる。
 そしてその理論は、主観や経験が入り混じっているのに何故か説得力がある。主観的な癖に客観的視点が存在するのである。不思議な話だ。
 主観と客観の入り混じったその理論は、私には無かった視点を与えてくれる。灯台下暗しとでも言おうか、先を見て勝手に悲観しがちな私に、「もっと近くにこんないいもんあるよ」とガラクタを見せつけてくるのだ。
 そしてそのガラクタに、何十億の価値があると力説しだす。そんな訳無いだろと反論すれば、読んでましたと言わんばかりに更に反論を繰り出してくる。あまりに隙が無い議論に、私は思わずガラクタの価値を信じたくなってしまう。
 抽象的な話で申し訳ない。具体例を出せば一発で相手が露呈するのであまり言いたくはない(じゃあなんで持ち出したこの話)。
 根本的には様々な事象を分析し世界を疑い、常識だろうが慣例だろうがなんだろうが「これって本当に正しいの? 根拠は? 理由は? 感情論以外で教えてよ」と問い掛ける面倒で迷惑な人間ということは変わらないはずだ。
 しかし、指向の方向が違うだけで随分と世界の見え方が違うように思える。自分と似ているから予想が出来るはずなのに、どんな言動が飛び出してくるか全く予想が出来ない。正にびっくり箱だ。
 私は自分でも頭が固い方だと思っている。しかし、頭の柔軟性は成長の余白と考えると、あまりに固すぎる頭はよろしくない。かといって、全く考えないのもそれは私の良しとするところではない。
 そんなとき、新たな風を吹かせてくれるENTPが非常に有難い。そして、どうやったらそんな視点を得られるのかと、気になってしょうがない。どうにかして彼ら彼女らの頭の中を暴いてやりたい。
 そんな執着心と好奇心がない交ぜになった感情が、私の「面白い」の根源なのではないかと思われる。

補足

 以下は補足という名の蛇足である。大きな理由が分かればそれでいいという方は以下は読まなくて構わない。

NTなら他にも居る


 MBTIに詳しい方々ならお気づきだろう。同じNTを持つENTJとINTPはどうなる?
 申し訳ないが、ENTJは周囲に思い当たる人物が居ないので比較は出来ない。代わりにINTPは一人居るので考察してみる。
 INTPとENTPはよく似ている。実際、INTPである友人のことも面白い人間だと思うことは多々ある。だがしかし、ちょっと空気が読めなさすぎるきらいがある。
 どちらも外向感情が弱い方ではあるから、空気の読めなさでいったらあまり変わらないかもしれない。けれど比較して、ENTPよりもINTPの方が自分の話を長く続ける傾向がある……、と、少ないデータで決めつけるのは心苦しい。一応そういう体で話を進めるので、反論がある方は仰って頂きたい。
 この推論を正しいとすると、周りに居ないがENTJに対しても恐らく同じことが言えると思う。「似通っているから安心はするけれど、もう少し人の気持ち考えてもいいんじゃない?」ということである。
 こうしてみると、外向内向の方向は違うとはいえ、「同じくらい感情機能を働かせられない」という部分も親近感を覚える理由なのかもしれない。データが少ないせいで完全に主観で話を進めて申し訳ない。

主機能Neなら他にも居る


 ここで外向直感について。ENFPも外向直感を主機能に持つ。故に、ENFPも面白いと思って然るべきでは?
 確かに私もそう思う。実際、彼ら彼女らの感情的配慮については学ばねばならない部分がたくさんあると思うし、新しい視点を投げ掛けてくれる存在ではある。
 しかし如何せん、優しすぎるのだ。甘すぎると言うべきか? ENTP相手と同じように議論しようとしてもあっさり引いてしまう。悲しい。しかも「折れることが美徳」とすら思っている節がある。違う、私は折れて欲しい訳じゃない。私の話を聞いてくれ、そして貴方の話をもっと聞かせて欲しいだけだ!
 冒頭で感情が僅かに優位なENFPである上司が居ると話した。その上司にはたまに激しく苛立ちを覚えることがあるのだが、結果を聞いてはっきりした。感情機能が優位すぎる時の上司の言動が私と不協和を起こしているのだ。「いやお前これくらい分かるだろ、分かる能力あるだろ、考えてんじゃないのか!!」と思っていたら、実はほぼ直感で動いていただけだったのである。そりゃあ腹も立つわ(そうか?)。
 上司の件を踏まえてみると、INTJとENTPのある種の親和性が際立つように思う。私だけだろうか?

 他にも、突然私の大好きなブラックジョークをかましてきたり、追い詰められて屁理屈をこねくり回し相手にも非があったことを認めさせたと思いきやいきなり素直に謝罪したり、やたら堂々としているけれどその自信の裏には確かに裏付けされた成果や経験、努力があったりと、細々とした好きな要素はいくつもある。
 しかし、一番大きな、そして根本的な面白さ、興味深さの原因は「根本的には似ているのに全然違う視点で世界を見ている」という事が挙げられる。私には予想も出来ない言動を繰り広げ、考えもしなかった世界を提示する彼らを、「中身の分からないびっくり箱」以外に何と形容すればいいのだろうか?
 ……もっとも、サンプルとして胸を張るには数が少なすぎる。もしかしたら全然当てはまらない人間も今後現れるかもしれない。
 そういった可能性は考慮に入れつつも、私が今現在、ENTPに魅了されているということもまた事実として受け止める。そして、法則に当てはまらない人物が現れたら、その都度考察を繰り広げてみる。そうして私の理論を練り上げた際に、彼ら彼女らに興味を持ってもらえたら、どんなに幸せだろうか?
 なんてことを夢見ながら、今日も人間観察に精を出す。観察対象になってやってもいいという方、是非挙手をお願いします。


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