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人間はスマホがなくても夜更かしする

鳥たちが早朝に鳴くのは、早朝が、風が弱く静かな時間帯であり、遠くまで鳴き声を届かせるのに有利だからだそうだ。

英語では、朝型人間を early bird 夜型人間を
night owl と言う。

言葉的に対にするには、late 昆虫 とかの方がスッキリはするのだが……。

夜更かしの表現にフクロウを使ったのは、シェイクスピアが最初らしい。

その頃、フクロウは、道徳的によくないストーリーと結びつけられた。古代ローマ時代から、凶報と関連づけられていたなごりで。レッテルをはられてしまっていた、フクロウさん。

言わずもがな、フクロウは何も悪くない。
そして、夜型人間も、悪くなんかない。

気になった人は続きをどうぞ。


現実的な話、夜型人間は、現代の社会生活の基本形とは同期していない。

しかし、人間がさまざまな睡眠パターンをもつのには、根拠があるのだ。

狩りをする動物は(全てとは言えないが)、活動時間帯に対して、臨機応変的だ。

人間がいるところでは、動物の夜間活動は、1.4倍になるという。活動の昼夜割合 50:50 → 32:68 のイメージ。必要に応じて、かなり変えれるようだね。

昼は、人間がたくさんいて、狩られる恐れがあると感じているのかもしれない。夜は、“村” が寝静まっていて、襲いやすいと考えているのかもしれない。


タンザニアに、ハッザ族という部族がいる。

ハッザ族は、あらゆる研究者たちから、とても人気がある。理由は、彼らの生活様式が、初期の人類とよく似ているからだ。

腸内細菌・エネルギー消費量・指の長さなどの調査が、ハッザ族の協力のもと、行われてきた。

・森林とサバンナが混在する環境に住む
・狩猟と採集で食べている
・家畜を飼わず食物の栽培も行わない
・20~30人のグループで暮らす
人工照明がない冷暖房がない


20~60才 男女 33人 20日間 の夜間活動を記録

結果
・睡眠/覚醒パターンに個人差が大きかった。
・全員が同じ時間に眠ることはなかった。
・一晩あたり約8人が起きていた。

集団の一部が、いわゆる見張り役になれば、他は、睡眠や食事を安全にとることができる。

この点において、私たちはミーアキャットだ。

ある程度の深さ(長さ)の睡眠には、記憶を定着させる効果もある。それは、全体の役に立つことだろう。

このように。クロノタイプ(睡眠と覚醒のパターン)にバリエーションがあることは、我々の祖先を生き延びさせた。集団で生活をする我々にとって、朝方・夜型・あるいは中間型と違いがあることは、有利なことなのである。


原始的な生活が「シンプル」であることは、間違いない。

だが。何がシンプルであるのかは、往々にして、誤解されているのかもしれない。

私個人は、早朝にも夜中にも固定の不得意さがない、ハイブリッド?型だ。現代式タイム・テーブルが数を激減させているだけで、おそらくは、これがスタンダード・タイプだ。


参考文献

https://www.discovermagazine.com/planet-earth/chronotypes-evolution-explains-night-owls-and-early-birds

https://nosweatshakespeare.com/quotes/famous/night-owl/

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0912/feature05/_04.shtml