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私の石川さゆり論

今回は石川さゆりの魅力について自分なりに評論しようと思います。

石川さゆりは大好きな歌手の一人で、今年の7月にはコンサートにも行きました。周りを見回すと20代は多分僕だけでした(笑)彼女の魅力は『天城越え』に代表される力強い歌声や演歌以外も歌いこなす幅の広さなどたくさんあると思いますが、僕が思う一番の魅力は「女性の覚悟」が歌声に滲み出ているところです。

今の時代こそ男女平等な社会が実現しつつありますが、つい一昔前までは女性は男性に従うべきといった封建的な価値観がまかり通っていました。

そのような時代の空気感の中では女性の自由は制限され、言いたいことも満足に言えませんでした。この時代の女性はこういった耐え忍ぶことや内に秘めた矜持、女に生まれた宿命を受け入れる覚悟があり、そこに僕は魅力を覚えます。そして石川さゆりの歌声を聴くたびに「内に秘めた矜持」を強く感じるのです。

その「矜持」を最も感じた歌唱がぴんからトリオの『女のみち』のカバーです。

「悲しい」「嬉しい」といった直接的な歌詞表現はないですが、行間の中に深い情念や女の覚悟が垣間見えます。元々素晴らしい歌ですがさゆりさんが歌う『女のみち』は鬼気迫るものがあります。

またさゆりさんは「二十世紀の名曲たち」というアルバムを何枚かリリースしているのですが、アルバム名の通り日本の古き良き名曲を彼女の声で現代に蘇らせる試みをしており、自身で「ライフワーク」と言っています。自身の歌だけでなく先達の歌も大切にする、歌い継いでいこうとするその姿勢には胸に熱いものを感じざるを得ません。好きなカバーはたくさんありますが、一押しは『すみれの花咲く頃』です。

原曲はドイツみたいですが、さゆりさんが歌うと古き良き日本独特の情感が漂います。ギャグのつもりではないですが映画の『SAYURI』を彷彿とさせます。


最後に個人的石川さゆりランキングを載せたいと思います。

5位『青い山脈』(カバー)



4位『女のみち』(カバー)

3位『天城越え』

2位『すみれの花咲く頃』(カバー)

1位『蘇州夜曲』(カバー)


ランキングはカバーが多いですが、全てさゆりさんの色に染まっています。特に『蘇州夜曲』は数百回も聴いているぐらい好きで素晴らしいの一言に尽きます。


ちなみにタイトルの写真は明治から昭和にかけて活躍した上村松園の作品です。当時は「女が画家を目指すのはけしからん」という風潮があり松園は批判がある中でも意志を貫き通し女性初の文化勲章を受章しました。タイトル写真の『序の舞』について「何ものにも犯されない女性の内に潜む強い意志をこの絵に表現したかった」と言っています。松園の絵を見るたび僕はさゆりさんの歌声を思い出すのです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。コメントもいただけたら嬉しいです。

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