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【将棋】羽生善治という怪物

羽生が王将戦で永瀬に勝ち5勝0敗とした。
この対決は永瀬が勝つと思っていた。
羽生は衰えが見えるし、何より永瀬は前回書いたようにマスク事件で勝負の鬼と化していたからである。
他の何もいらない、ただひたすらに勝ち続けることのみが将棋指しの価値だ、という気迫を感じた。

将棋自体は素人には難解な鍔迫り合いの末羽生が勝ったが、それにしても不思議な棋士だ。
羽生はここ数年一気に成績が落ちた。
棋士は40、大棋士でも50で棋力が物凄く落ちる。解せないのは、いわゆる羽生世代という棋力が落ちているもの同士でも負け下になっていたことだ。

丸山、久保、三浦など、強いことは疑うべくもないが、羽生がポンポン負ける相手ではない。
新鋭には勝てず、成績が落ち、引退する。それが通例である中で、そこら中の棋士に負け、翌年復調してくるという棋士はちょっと記憶にない。
去年何かを試していたのか、今年たまたま確率の偏りで奇跡を継続しているのか、目が離せないところである。

そして、豊島には申し訳ないが王将戦は羽生対藤井が見たい。
中原はタイトル戦で羽生とまみえることはなかったが、やはり歴史に名を残すことが確定している棋士はタイトル戦で激突し、時代の終わりを告げるのか老いてなお怪物ぶりを見せるかしてほしいのだ。

史上最強の棋士大山は、50から69までに663勝という人を辞めてしまったような成績を残し、呆れるほどタイトル戦に出て、勝ち逃げのまま死んだ。
羽生がどのような生き様を見せるか楽しみである。


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