人生に対する諦観の話
noteでは極力競馬の話だけを書いて、自分の素性は謎という状態にしていこうかと考えていました。特に予想屋などという職業(なのか?)を目指すならば、身バレは百害あって一利なしです。ミステリアスの方が安全です。
しかし、私が好んで見るnoteは素敵な言葉たちに溢れていて心が揺さぶられます。競馬noteを書く理由は将来生計を立てることにつなげるためですが、何の意図もなく文を書くならば私は人間の心とか動物とかの記事を好んで書いていたことでしょう。
今日はそういう気分になったので、少々自己開示をしようと思います。身バレしない範囲の話ですが、親友以外知らない程度にリアルでは内緒にしている話です。
彼女の話
私は独身で気楽に過ごしておりますが、性質的には結婚に向いていると自覚しています。家族ができれば、家庭が最も楽しいと感じる類いの人間です。しかし、奥手な性格でもあったことから恋愛経験はとても乏しいものでした。中高生どころか、大学生の頃も彼女はいませんでした。
カラオケで彼女を作る作戦
大学生の頃はカラオケが大好きで、ヒトカラにもよく行っていました。私は女の子とサシでカラオケに行っても歌うことが面白すぎて歌って満足するという人種だったため、たとえフラグがあっても自分からへし折るスタイルでした。
それでいて「彼女ほしいなあ、なんでできないんだろうなあ」などと考えるヤバい奴でした。
彼女がほしかったので、1つ作戦を考えました。
鳥は、オスがさえずることでメスを呼び寄せたりしますよね。それです。
ヒトカラで私が抜群の歌唱力を見せる
↓
近くの部屋の女の子がそれを聞く
↓
ドリンクを取るタイミングなどで会った時に
「歌、上手いですね」
と声を掛けられて仲良くなる
声掛けられ待ちという受け身の分際で、自分の歌声で人を呼び寄せられることはあまり疑わないポジティブさ。100%本気でこんな作戦を考えていたわけではないですが、40%くらい本気で考えていました。
友人に作戦を話すと案の定爆笑され、
「それで彼女ができたら10万円やる」
と言われました。
「よっしゃ!10万円!10万円!」
と頑張ってはいましたが、結果はお察しの通りです。
一応、おばさんの店員に
「歌上手ですね」
とは褒められました・・・。
運命の人
そんな私も、社会人になってからは立ち回りもわりとまっとうになってきたため、彼女がいたりいなかったりしました。大半がいなかった状態ですが。
そしてアラサーのとある時期にできた彼女が、私にとって運命の人でした。
それまでの恋愛経験の乏しさを本当に嬉しいと感じるほど、大好きな人でした。恋愛経験が少ないおかげでこの人と初めての楽しみをいっぱい共有できる、この人と共有するために取っておいたんだなって本気で感じました。
これほど頑張り屋でこれほど素直な人はいないと思いました。付き合ってから、自分もどんどん優しく素敵な人になってきました。
トップの写真は彼女と鎌倉に行った時のものです。
動物園や水族館などたくさんデートして、中華料理やカレーなど美味しいものも一緒にたくさん食べて、九州にも旅行に行きました。
遠距離恋愛、それから
付き合って1年半くらいの頃に、彼女が引っ越して遠距離恋愛になりました。彼女はまた数年で引っ越す可能性がありましたが、私はゆくゆくは彼女の引っ越し先で仕事を見つけ、一緒に暮らしたいなと考えていました。
すぐに会えない距離になると心配になる気持ちも出てきますが、私は大丈夫だと信じていました。だから、束縛人間がやるような行動制限なんぞはもちろん持ち掛けず、そちらでも仲良い人がたくさんできるといいねというスタンスでいました。
4月に彼女が引っ越して、5月GWの時期に遊びに行きました。
その時につまらない思いをさせてしまう出来事がありました。喧嘩なんてこれまでほとんどしなかったのに、このタイミングでちょっとつまらない思いをさせてしまいました。
地元に戻ってしばらくして、彼女が向こうで告白されたと教えてくれました。私は断る一択かと思っていましたが、彼女は迷ってしまいました。迷われるとは全く考えていなかったため、私は焦りました。
ここで変なことになったら結婚して幸せな家庭を作るという夢が消えてしまう。絶対に踏ん張らなければならない。そう思って、自分の気持ちをたくさん伝えました。
でも、こういう時って逆効果になったりするんですよね。私の必死さがかえって彼女を醒めさせたという部分があったと思います。
付き合う人がいながら他の人を好きになることを「他好き」と言います。
他好きでは、
「今の相手の悪い部分」VS「新しい相手のよい部分」
というアンフェアなバトルになりがちです。私は、そのことに気づいてもらわなきゃと思って頑張って説得しましたが、ダメでした。言葉が全然届かなかった。彼女に悪い魔法がかけられたような心持ちでした。
結局、別れたいということになり、彼女との未来は消えました。
罰が当たる
彼女と別れてからは、毎日泣いていました。仕事では頑張るけど、家では毎日泣いていました。当時の日記には、
「体調はいつもよくない。肉体的には何ともないけど以前と同じことをするのに以前の1.2倍くらいのパワーが必要な感じ。くもりガラスが心に内蔵されている」
と書いてあります。
生きているだけで苦しい時期をなんとかしてやり過ごしていた夏休みに、彼女と連絡をする場面が2度ありました。2度目の連絡で、彼女が新しい彼氏と別れたことを聞きました。夏休みの終わりのことです。
「だから言ったじゃん!」
と私は心底思い、また泣きまくりました。
私は、付き合っていた頃は彼女が好きすぎたので、他の女の子からは心理的距離を取って生活していました。当時はわりとモテたので、私のことを好いてくれてるなって人がいても不用意に近づかないよう心掛けていました。
しかし、彼女と別れた後は苦しすぎたので、救いを求めてしまった。
彼女が新しい彼と別れたと連絡をくれた頃、私はもう別の彼女をつくってしまっていました。自分が弱すぎたので、新しい彼女を作ってしまった。
だから、
「本当にバカだったね。これからちゃんと埋め合わせをしてね」
って笑ってあげられる自分はもういなかった。手遅れにしてしまった。
彼女には一時の気の迷いに流された罰が当たり、私には苦しみから安易に逃れようとした罰が当たった。
結婚って運だよね
私には親友がおり、お互い今も独身です。彼も長年付き合っていた彼女と別れることとなってしまいました。お互いに、タイミングや立ち回りひとつで結婚できた世界線があったと思います。
この世界線の私や親友は、その運をつかみ損ねてしまいました。
「結婚できるかどうかは、運による部分も大きいよね」
と、以前親友と食事の時に話をしました。
物事は他責にせずに自分事として考えることが成長には必要ですけど、結婚できなかった責任はすべてお前だよと言われてしまうとキツいです。自責の部分は認めつつも、巡り合わせが悪かったことが最大の原因だと思いたい気持ちが大きくあります。
この世界線の自分に残されたもの
結婚したかった彼女と別れた後、新たに付き合った彼女のおかげで動物がさらに大好きになったりといった素敵な影響を受けました。そして、この世界線の自分だから、今の職場にいるし今の人間関係があります。
でも、結婚したかった彼女と結婚した世界線では何が起きているかがわかってしまいます。細々とした困難は絶対にありますが、結婚した理想の世界線の自分は幸せに暮らしています。彼女が好きすぎたから、その世界線の彼女のこともわかってしまいます。彼女も幸せに暮らしています。
現実の私がいる世界線は、その理想の世界線と比べると、あらゆる面で圧倒的に負けています。そのあまりの負けっぷりに、この世界線の自分に対して諦めている部分が心の中にあります。もちろん、人生を投げ出したりはしませんが、諦観のようなものが常に付きまとっています。
理想の世界線といい勝負をするなら、向こうの世界線で買わないタイミングで宝くじを買って当てて億万長者になるしかない。それくらいの差を感じています。
そんな中で、この世界線の自分が向こうに勝っている数少ないものの1つが「競馬力」です。この世界線で今の職場の競馬好きの同僚と知り合い、これまで以上に真面目に競馬に取り組んだおかげで、向こうの世界の自分には身につかなかった競馬力を手に入れました。
「幸せな家庭」と「競馬力」の2択で、みなさんは後者を取りますか?取らないですよね。私だって選べるなら前者を全力で取ります。幸せな家庭の中で、たまにG1の馬券を買って楽しむ生活ができたら、こんな嬉しい人生はないでしょう。
しかし、後者を取る羽目になった自分しかここにはいません。ならば、「幸せな家庭」との選択で選ぶには割に合わなすぎる「競馬力」でも、それを活かすしかこの世界線の自分が輝く方法がありません。
そこそこの覚悟はある
以上、身の上話でした。
予想屋などというしょうもない職業(?)を目指してはおりますが、これもダメならこの世界線の自分はいよいよゴミクズとなってしまうため、不退転の覚悟を持って臨もうとはしております。
この世界線の自分を諦めたくはありません。
頑張りますので、よろしければ応援してくださいね。
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