古典、故事成語024(韓非子、老子)
微斂於富人、以布施於貧家、是奪力倹而与侈堕也。(韓非子)
富人より微斂して以って貧家に布施するは、これ力倹より奪いて侈堕に与うるなり。
金持ちの人から絞り取って貧乏な人に恵んでやるのは、頑張って働いて倹約に努めている人から奪い、怠けて浪費した人に与えるようなものだ。
※注釈※
一部分を見ただけで温情により優しくする事は、全体的に見れば努力する人達を蔑ろにする事もあり、如いては国家や組織そのものが破綻してしまう。
怠けて遊んでいたり浪費して散財したりする人を優遇すると、結果的に怠惰や浪費を奨励している事となり、人々は労働意欲を低下させていき、国家や組織が衰退していく事になります。
インセンティブという言葉があって意欲を起こさせる刺激といった意味合いですが、努力してもしなくても結果が同じであれば人々はディスインセンティブ(意欲が阻害される刺激)を感じて、なるべく手を抜こうとし始めます。皆が手を抜いていくので国家や組織は段々と衰退して貧しくなっていきます。
世界的に見ても共産主義の国家は、一部の人達が特権階級にいて国民の多くが貧しいか、指導者も含め国民全てが貧しいかでありますね。
昨今は資本主義における格差が批判されており、日本もアメリカほどではないですが格差が開いてきています。
ただ絶対的貧困(衣食住すらない)の人は日本に殆どおらず、相対的貧困(国や地域での経済格差)が多くなってきた事により世間で騒がれるようになりました。
困窮している人々を支援する事も大事ですが、頑張る人々の意欲を阻害しない事も大事ですので、バランス感覚が肝要になってきますね。
また困窮支援は「魚を与える」のではなく「魚の釣り方を教える」のが適切だと思いますので、金銭をそのままあげるのではなく職業訓練などを奨励していく事が適切だと思います。
授人以魚、不如授人以漁。(老子)
人に授けるに魚を以ってするは、人に授けるに漁を以ってするに如かず。
人を助ける為に何かを提供するならば、対象を提供するよりも、対象を獲得する方法を提供した方が良い。
旧ブログにて2020年05月16日に記載していたもの
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