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古典、故事成語014(菜根譚)

清能有容、仁能善断。
明不傷察、直不過矯。
是謂蜜餞不甜、海味不鹹。
纔是懿徳。


清にして能く容るる有り、仁にして能く断を善くす。
明にして察を傷つけず、直にして矯に過ぎず。
これを蜜餞甜からず、海味鹹からずと謂う。
わずかにこれ懿徳なり。


清廉であってしかも包容力もある。
思いやりがあってしかも決断力にも富んでいる。
洞察力があってしかもアラ探しはしない。
純粋であってしかも過激に走らない。
こういう人物こそ、蜜を使っても甘すぎず、塩を使っても辛すぎない。
これでこそ立派な美徳といえる。
つまりは、立派な人とは硬軟両面を持ちつつ、行き過ぎも無い人ということ。


※注釈※
バランス感覚の大切さを説かれています。
中国古典はどの古典も、バランスと柔軟性について説かれている事が多く、それだけ人間にとって、とても大切な点という事なのでしょう。

バランス感覚を磨くには、ひたすら日々意識し続ける事で、日々ほんの少しずつ修正されていき、段々と巧みになっていく事と思います。

ただ、若い内からバランス感覚が磨かれてしまったり、バランスに重点を置いてしまうと、小さくまとまった人間に陥ってしまうと思います。

若い内は、若さに任せて極端から極端に走ってみると、両極の幅が拡がり、より深いバランス感覚が身に付く事と思います。


旧ブログにて2016年04月07日に記載していたもの

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