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古典、故事成語001(菜根譚)

人生減省一分、便超脱一分。
如交遊減便免紛擾、言語減便寡愆尤、
思慮減則精神不耗、聡明減則混沌可完。
彼不求日減而求日増者、真桎梏此生哉。


人生は一分を減省すれば、便ち一分を超脱す。
如し交遊を減ずれば、便ち紛擾(ふんじょう)を免れ、
言語を減ずれば、便ち愆尤(けんゆう)寡(すく)なく、
思慮を減ずれば、則ち精神を耗(こう)せず、
聡明を減ずれば、則ち混沌完うす。
彼の日に減ずるを求めずして日に増すを求むる者は、
真に此の生を桎梏(しっこく)するかな。


人生は何かを少し減らせば、
それだけ少し俗世間から抜け出す事が出来る。

例えば交際を減らせば揉め事から免れる。
口数を減らせば失言が少なくなる。
思慮を減らせば心が疲れなくなる。
知恵を減らせば本性を全う出来る。

減らす事を考えず増やす事ばかりを考えている者は、
まことにこの人生をがんじがらめにしているようなものだ。


※注釈※
物事には長短の両面があり、何かを得れば何かを失い、何かを増やせば何かが減らされる。何かを善とすれば何かは悪となり、何かを福とすれば何かは禍となる。
無の長を知らずして、有ばかりを追い求める事は、果たして幸せな事なのだろうか?


旧ブログにて2015年04月06日に記載していたものを一部加筆修正

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