ガイア「確実に来る恐怖…人はその待つ時間にこそ恐怖する」

上司に「そろそろ治ったでしょ?」と言われました。

本来、明日から休職だったんですが、充分な引継ぎ業務のために来週も出勤します。

在宅と出社のリズムがつかめないと、バランス崩しちゃうよね。
出勤したら治るよ!出勤しよう!

もちろん、治ったわけではなくて。

上司が、家に来るかもしれない
という恐怖に駆り立てられて、足掻いています。

私が有給休暇とってようが、退勤後だろうが、上司側に用事があれば、社用車で家まで来て会社に連行されるんですよ。
もう怪談ですよね。

そして、顔を合わせるたびに変わる意見。

あの企画、やろうって言ってたけどやめることにしたから業者さん断っておいてね。

飛ぶ記憶。

そんな打ち合わせ、俺入ってなくない?
聞いたことないよ?
記憶にないけど?

反論しなくなるまで、大きな顔と大きな声でまくしたてられるので、こちらはあきらめるしかありません。
責任をとって、後始末をしている間に、本来私がしなければいけない仕事がどんどん遅れていきました。

出勤のたびに、
記録の残らない口頭の指示で翻弄される。
そう思うと、会社に行くのが恐怖でした。

週に数回の恐怖の日、
その日が決まる瞬間、その日を迎える瞬間は、家で1人なわけです。
震えて、泣いて、眠れなくなり、パンパンの顔で出勤することが多々ありました。

明日来る。必ず来る恐怖。

拷問は、痛みを与えている時間ももちろん効果的ですが、
痛みを与えた後に「じゃあ、休憩したらもう1回ね」といって、
何もせずに放置している時間の方も、シバいてる時間と同じくらい恐怖を与えるそうです。
必ず来る恐怖を待つ時間は、恐怖と同じくらいコワイということです。

今はというと、
休職の日まで走り抜けるだけです。
こんな奴のところになんか、戻ってやるもんか。
何日ぶりかわからんけど、めちゃくちゃぐっすり寝てやる。
そう思うと、毎晩泣くことなんてありません。

必ず来る幸福を待つ時間は、幸福そのものと同じくらい…とはいえませんが、前よりずっと幸せです。

それでもやっぱり、治ったわけじゃないんやけどね…。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?