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5月2日 茶寮メニュー

今回は写真がとれず...


『旅の途中』

【風を感じる】
つぶ貝 唐松新芽

肌に風を感じる
海の香りか、山の香りか
いろんな香りがする
今日も歩こう
すこしずつでも

【地を踏みしめる】
こしあぶら ブナの葉 スミレ カタクリ 鬼胡桃 カレイ卵巣 花わさび

草、土、埃、殻、
足の下にはいろんなものが生えている
見向きもしないかもしれない
注意をすれば気付くかもしれない
今は気付かないかもしれない
後から気付くかもしれない

【迎えてくれる】
烏骨鶏卵 キャベツ 朴葉新芽

あるところに寄った
人が来るのは珍しいらしい
いろんな話をしてくれた
いろんな話をした
旅をすると、言葉を重ねることになる

【人が調える自然】
虎杖新芽 ヒラメ 昆布

山に芝刈りに、川に洗濯に、海に漁をしに、田畑を耕しに
人は自然を調えながら、自然を恐れながら
その恵みをもらうのだろう
【おもてなし】
トゲクリガニ シシウド 米油

この時期のものらしい
せっかく来てくれたのだからと
ふるまってくれた
生活に溶け込むことを許してくれた

【外を見る】
しじみ 山芋 味噌

久々に、外に出てみよう
少し遠くまで、次の目的地を決めるため、
湖畔に貝が潜んでいた。山には芋が生えていた
また旅に戻るのも悪くない

【旅の再開】
椎茸 こごみ ハナウド オオウバユリ 豆乳

少し長くいたようだ
最後の振る舞いと、いろんな食材を出してくれた。
今とれるもの、とっておいたもの。
さあ、また、旅に出ていこう

【振り返る】
桃 蜂蜜 寒天

もうずいぶん前のように感じる
歩いて結構経っただろう
お土産にと、日持ちする甘露を頂いた
さあ、まだまだ旅の途中
次はどこに、向かおう

                             澱と葉 2021 05 02


自分的には、二皿目が気にいっている。


土地を反映する料理というのも好きだし、文化を伝える食というのも好きだ。実際には、皿の上で形にしてしまえば、もうそこには土地も文化も正しく伝えている物かどうかは怪しいかもしれない。
ただ、そこには自分というものを通した情景や感性が反映されているはずだ。

一人の人間の「生きる」ということを料理に還元し、言葉を料理で伝える。
会話よりも言葉よりも伝わるコミュニケーションになれば良いなと思う。

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