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第82話 Ninth Peel感想


皮を剥いた先に答えがあるのでは?


自分が敬愛するロックバンドUNISON SQUARE GARDEN(通称:ユニゾン)のニューアルバム「Ninth Peel」ナインスピールがリリースされた。
もちろん自分はリリース当日からリピートしまくっている。
フォロワーさんにこのバンドを知らない方も多いかもしれないので軽く説明でもしておこう。


UNISON SQUARE GARDENとは。

左から田淵智也(Ba)、斎藤宏介(Vo.Gt)、鈴木貴雄(Dr)


2004年に結成されたスリーピースロックバンド。
3人というバンドとして最小の編成でありながらも全員の演奏力が半端なく、特にボーカルギターの斎藤さんに関してはあの難しい歌を歌いながらなんとリードギターまで弾いちゃいます。簡単にワンオクで例えてみましょう。
takaさんはボーカル。toruさんがギター。
この2人がやってる事を1人で成し遂げてしまうのがユニゾンのギターボーカリストなのです。
さらにユニゾンの楽曲は割と激しめだったり最早歪な楽曲が多いためギターはもちろん、ベース、ドラム全てのフレーズが難しいです。
それをサラッと演奏する彼らがこのバンドの最大の魅力だと思います!(本当に3人の音なのかってくらいに)
ユニゾンの曲は大半がベースの田淵さんが作詞作曲されております。


代表曲は⬇️

シュガーソングとビターステップはもう言わずとも知れた有名な曲。カラオケで歌われている楽曲ランキングでもリリースからずっと何年もトップを走り続ける名曲。

オリオンをなぞるに関してはもう12年前の曲になります。MVでは斎藤さんがロン毛なのに時代を感じますね。
この曲と今回紹介するアルバムのとある曲が深い関わりがあるので後ほど書いていこう。

それでは今回リリースされたユニゾンの9枚目となるアルバム「Ninth Peel」について軽く軽くレビューしていこうと思います。

(ジャケ写は今作が1番好き)


全楽曲作詞、作曲:田淵智也

①スペースシャトル・ララバイ

なんとユニゾンの楽曲にしてはとてつもなく珍しい一発目の曲が4分弱あります。
ユニゾンは基本アルバム1曲目は2分〜3分で構成されることが多いのだが今回は3分40秒程という。
初っ端からかなりシングル曲感がありこれを1曲目に持ってくるのはまた攻めたなという印象。
2番の一瞬入る転調が訳が分からない。
カラオケでも歌えそうにないです😂


②恋する惑星

本作のリード曲。
実はワタクスィが本作で1番好きな楽曲。
アルバム発売から2週間ほど前にこの楽曲のMVが公開。さらにその前日にラジオFM802にて宇宙初オンエア(惑星だけに)された。
初めて聴いた時から「これめっちゃ好きや」となった。
ユニゾンによくあるポップソングで幸せが溢れ出るそんな楽曲。
この曲は3人の音以外にホーンが使われている。
恐らくこの楽曲が好きな方はこちらの曲も好きだと思うので貼っておこう⬇️


③ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ

この楽曲は最初のギターで全て持っていかれた。恋する惑星でポップ全開だったところこの楽曲ではロックなユニゾンを堪能出来る。

ねずみかわいい アヒルもやばい

この語彙力😂
この部分の田淵さんのコーラスがこの楽曲で1番すきなポイント。
現時点ではこのアルバムで恋する惑星の次に好きかもしれない。
そしてこの曲の終わり方的におそらく次曲に繋がっている。


④カオスが極まる

こちらは去年の10月にシングルでリリースされたナンバー。
今話題のアニメ「ブルーロック」の1クールのオープニング曲である。
ブルーロックのオープニングだったことからユニゾンの知名度も知れ渡りました。
2番以降で好き放題してるのが好き。
2番の「素晴らしき」という歌詞が「菅田将暉」に聞こえて面白い😂

そして貴雄本人によるドラムの解説もあります。
ガチでやばいので観て欲しい。

⑤City peel

めちゃお洒落です。
正直初めて聴いた時全くハマらなかったのだが2週目以降からはもう前奏から全て好きすぎてやばいという個人的に本作で1番のスルメ曲。
今流行りのシティポップをユニゾンなりに調理したのがこの楽曲。

自転車配達員は急ぐ ブレーキの音に猫が跳ぶ
転がって汚れた毛並みの不可思議な模様にclose upする

ここの語感が素晴らしい。


⑥ Nihil Pip Viper

こちらは2021年の10月に配信限定シングルとしてリリースされた曲でありこのアルバムの中では最も古い曲になる。
この曲はユニゾン特有のロックンロール。
ぶっちゃけた話初めて聴いた時微妙だった。
そして今もめちゃくちゃ好きな訳では無いというのが本音なのだが歌詞の中毒性が半端ない。

耳からスパゲッティで肘で茶沸かすわ

これどゆことですか?やっぱ好きや。


⑦ Numbness like a ginger

こちらの楽曲は今年の1月に、「4月にアルバム出ます!」と発表になったと同時にいきなりMVが公開されたナンバー。
そしてブルーロックの2クールのエンディングテーマとなっている。
カオスが極まるではぶちかましてくれとかすっこんでろ!なんて言ってたのだが本曲では敗者に寄り添う優しい楽曲となっている。
ユニゾンでは珍しいジャズ調になっている。
これも初めて聞いた時はあまり好きじゃなかったのだが聴いていくうちに超好きに。

痛いの?違うよ 喉が渇いただけじゃないか

この強がりなフレーズがあるのだがこの「喉が渇いただけじゃないか」って歌詞にしちゃう田淵さんの語彙力には頭が上がらない。
自分も何かしらで不合格になった時、ご縁がありませんでした。となった時に強がって「喉が渇いただけ」なんて言ってみたい。それくらいにお洒落なフレーズだと思う。

叶わない夢があっても
明けない夜があっても
いつかのどこかで答え合わせしょうね
命はある、それっぽっちのことでも
お土産になるから

素晴らしいんだよ歌詞が。
命があるだけでもいいじゃんって言っております。これが田淵クオリティ。
そりゃ「呼吸のような幸福を誓うよ」なんて歌詞書いちゃう人だからね。名曲。

自分が壁にぶち当たってしまった時に聴いたら泣いてしまう自信がある。
まぁ今も壁はずっとあるけどね。


⑧もう君に会えない

今作のバラード枠。
上の動画でもう君に会えないは発売前から聴くことが出来ました。
もうあの子に会うことはもう無いんだな。って経験は自分もした事がある。
だからこそ歌詞ひとつひとつが胸に来るものがある。
そんな空しい気持ちを只管に歌い上げるのがこの曲。
空しい気持ちになると心の穴にぽっかりと穴が空いた感覚になりますね。


⑨アンチ・トレンディ・クラブ

この楽曲も好きです。
Bメロがカッコよすぎる。
超グッドメロディ。
ユニゾンのアルバムに基本的に1曲はあるヘンテコな楽曲。それが今作ではこの曲なのではないかと思ってます笑

気づいたら「美しいこそがトレンディ🎶」になってます笑
ってかこの難しい歌を普通に歌ってしまう斎藤さん恐ろしい。


⑩ Kaleido proud fiesta

「かくしてまたストーリーは始まる」というフレーズから始まるこちらは去年の4月にリリースされたナンバー。
実はこのシングルからほぼちょうど1年後に本作のアルバムがリリースされる。
この楽曲はアニメ「TIGER&BUNNY2」(通称:タイバニ)のオープニングテーマとなっている。
ここでユニゾンとタイバニの切っても切れない関係について軽く書いておこう。

UNISON SQUARE GARDENは2011年にアニメ「TIGER&BUNNY」のオープニングテーマとして「オリオンをなぞる」を制作。
この曲は2010年頃、田淵さんがいい曲が作れなくて悩んでた時期。彼らは迷走期と読んでいる。作詞家を雇うという話もあったり、ユニゾンでは珍しい斎藤さんが作詞作曲を手掛けた「スカースデイル」という曲があったり田淵さんが曲制作にただならぬ悩みを感じてました。その頃にこのオファーが来て「オリオンをなぞる」を制作した。
この楽曲が出来たことでスランプを無事に抜け出すことが出来た。今でもこの曲はライブ定番曲であり代表曲である。
それ以降「TIGER&BUNNY」の映画が二作品制作され両方ともユニゾンが主題歌を担当。
2014年の「TIGER&BUNNY」の映画ではタイバニの最終回ということもあり調和的なフィナーレと題した「harmonized finale」という名曲を制作した。
これがタイバニとユニゾンの切っては切れない関係。
そんなタイバニが完結した8年後となる2022年にタイバニ2が発表された。
まさかのタイバニ2でもユニゾンがオープニング。
そのオープニングこそが今回の「Kaleido proud fiesta」なのだ。
この事を踏まえると初めのイントロの
「かくしてまたストーリーは始まる」
Aメロ初めの「これが運命だったんだ 期待してたかい?」
という歌詞に感動を覚える。

歌詞には過去にタイバニの主題歌となった「オリオンをなぞる」「リニアブルーを聴きながら」「harmonized finale」そして実際に主題歌にはなってないがタイバニ主題歌の延長として作られた「I wanna believe、夜を行く」の4曲のエッセンスが詰め込まれている。是非探して見てほしい。

ちなみにこの曲と「オリオンをなぞる」でファーストテイクにも出演されてます。

長くなったすまない許せ。


⑪フレーズボトル・バイバイ

このアルバムを締めくくる曲は疾走感に満ち溢れた曲。
曲も短めとなっている。
アルバムの最後を位置する楽曲になっているものの勝手な解釈ではあるが1曲目と繋がってるような気がする。
まぁタイトルの感じ的にもそうだがこの曲の最後の歌詞に

忘れられない今日になった!

という歌詞がある。
このフレーズと同時にこの曲が終わる。
そして間髪入れずに1曲目に戻ってくる。

その1曲目の「スペースシャトル・ララバイ」のワンフレーズ目というのが

忘れたくても忘れない 今を繋いでいく 僕たちのスピードで

間違いなく繋がってますよね。

なのでループさせられるようになってるシステムなのではないかと勝手に思っている。
実に面白いアルバムです。


今作は今までのアルバムと違い曲順にこだわりを特に持っていないものの最初と最後だけはしっかりアルバムの役割を担っています。

いいアルバムです。ますとばい。

UNISON SQUARE GARDENは来年で20周年。
アルバムを9枚もリリースしてそこそこなキャリアとなってきたユニゾンが来年どんな物語を描いてくれるのか楽しみである。




p.s  自分の好きなアルバムは丁度10年前にリリースされた4thアルバム「CIDER ROAD」と自分がハマるきっかけにもなった7thアルバム「MODE MOOD MODE」です。是非👍

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