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【Nikon FM2】ひとつのカメラの完成形

お久しぶりです、しぐれそうです。

ニコンから新型ミラーレスカメラ「 Zfc 」が発表されました。

前々からNikon Dfのミラーレス版の様なクラシカルなカメラが出るという噂があり、僕も発表されるのを楽しみに待っていた一人です。

さて、発表された実際のZfcの画像を見ると、おや、思っていたのとちょっと違うなという印象を持ちました。というのは悪い意味ではなくて、むしろ想像以上に自分好みのルックスをしていたという事です。まず僕は最近のニコンといえばブラックのイメージがずっとあったので勝手にブラックボディを想像していたのですが、まさかのシルバーボディ一択という事に一番驚かされました。(しかもカラーバリエーション豊富な革の張替えサービスもあると知って更に驚愕)


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シルバーボディで旧ニコンロゴ、何となく既視感あるなと思ったら、どうやらZfcはニコンFM2(上写真)をモデルに作られたそうです。どうりで僕の心に刺さったわけです。



以前にもnoteでFM2について記事を書いてますが、Zfcで再び注目を集めている本機について、今回は心に刺さるFM2の魅力について再び考えてみました。


1.スペック面から考察する魅力

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ニコンF一桁のフラッグシップ機の廉価版の立ち位置にあるFM2。映画「浅田家」で話題になったFEは電子シャッターなのに対し、こちらのFM系は機械式シャッターが搭載されたフルマニュアルカメラです。


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FM2は機械式なので絞り値やシャッタースピードの露出に関わる設定を全て自分で操作しなければなりません。その代わり駆動に電池を使わない為、しっかりメンテナンスされていれば半永久的に使うことが出来るので、長く付き合っていけるカメラです。


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フルマニュアルと聞くと玄人向けに思われがちだけど、カメラに露出計が内蔵されていて、露出の設定が適正かどうかファインダー内のLED表示で判断できます。それも基本的な表示は「 〇 」か「 - 」と、非常に直感的で分かりやすいです。一段以上露出オーバー(明るすぎる)なら「 + 」、もう少し細かく表示されて、一段以内露出アンダー(ちょっと暗い)なら「〇 - 」等の表示がされるので、あまり気難しく考えずに露出を読めるのがグッドポイントです。ちなみに僕が所持している露出計内蔵のカメラの中では一番精度が高いです。

露出計は今でも簡単に手に入るボタン電池で動きます。もちろん露出計が仮に壊れたとしてもカメラ自体は問題なく動きますのでご安心を。


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性能面でFM2の最大の特徴をひとつ挙げろと言われたら、僕は最高1/4000秒の高速シャッターで写真が撮れることを挙げます。シャッターが高速になれば、例えば晴天下の中、背景のボケを活かす為に絞り開放付近で写真を撮りたい、けど絞らないと露出オーバーになってしまうといった場面をシャッタースピードでカバーできる可能性が高くなります。実は同じ機械式フィルムカメラの中で1/4000秒の速度を実現しているカメラはそう多くありません。デジタルカメラではあまりシャッタースピードを気にしたことはないけど、フィルムカメラで写真を撮っていると、ここもう少しシャッターが速ければなあと思う場面が多々あります。

そしてもう一つ付け加えるなら、FM2と同時期のニコンフラッグシップ機であるF3よりもシャッタースピードが速いです。(F3は1/2000秒)

廉価版の機種がスペックで優っている珍しい例です。これも大きな特徴と言っていいのではないでしょうか。


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これはちょっと余談です。上2枚の写真はFM2で撮影した写真ですが、何を伝えたいのかというと、実はFM2は多重露光で写真が撮れます。これはあまり知られていない機能な気がしますね。


2.カメラはルックスが大事

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自分にとってカメラで一番大切な要素って何か考えた時、実は性能とかは3番目くらいで、1番目はカメラを連れて出かけたくなるようなルックスかどうか、そして2番目に気軽に持ち出せるサイズ感と軽さかどうかを特に重要視します。逆にルックスだけで重さとか関係なしに欲しくなるカメラも無きにしもあらずです。(バケペンなんか良い例)

写真って結局撮らないことには始まらないと思うのです。その時、その気にさせてくれる(撮りに出かけたくなる)カメラのルックスが一番重要だと僕は考えてます。


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Zfcに大きく心躍った理由はFM2を彷彿させるルックスに他なりません。FM2はカメラの王道的な出立ちから漂うカッコ良さと、そのわりに小柄なのでどこかキュートさも兼ね備えた不思議なカメラです。


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カメラを構えた際のサイズ感もとてもしっくりきます。今のカメラは当たり前にグリップがあって握りやすい中、この頃のカメラにはそういった物はありません。基本的にフラットです。それでもボディの厚みがちょうど良いのか手に馴染みやすくしっかり構える事ができます。ただ望遠レンズ等、全長の長いレンズや大口径レンズといった重量あるレンズを付けるとちょっとバランス悪いです。多分どのカメラにも言えることだけど、やはりFM2もその点は例外なく準広角〜標準レンズが一番相性が良く思います。


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ちなみに家にある重量計でFM2本体(+ボディキャップ・ストラップ・フィルム装填済み)を量ってみたら629gありました。公式サイトのZfcのスペック表を見ると、ボディで約390gとあるので、ここからバッテリーやらキットレンズを付けてややFM2より重たいかなくらいと予想します。参考程度に。


3.結局

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ここまでずらずらとFM2の魅力とは何かを考えながらメモするように書き綴ってきました。結論を言うと、FM2は写真を撮る為に必要な大切な要素を全て詰め込んだカメラだなという事だと思います。正直そんなニュアンスの事はこれまでたくさんの諸先輩方が仰っていることですが、これって実際にFM2で写真を撮っていって、他のフィルムカメラで写真を撮っていくと、いかにFM2がカメラとして完成されているのか納得させられます。聞くより実践が1番とはこの事です。


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FM2は僕にとって初めてのフィルムカメラだったのですが、最初の一台として選んだ理由は、初めてのフィルムカメラで調べるとまず必ず名が出てくる事と、誰もが絶賛するニコンのカメラという信頼感からでした。もうすぐフィルムカメラで写真を撮り始めて=FM2で写真を撮り始めてから3年経とうとしている今、これまでのフィルムライフはFM2のカメラとしての完成度を自ら体感する作業であったのと同時に、その期間に色々な事をこのカメラから教わってきたのだなと、ちょっとしみじみ思いながらnoteを書いてました。


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さて、こうして再びFM2を話題に出すきっかけを作ってくれた肝心のZfcが本日7/1より予約開始となったわけですが、肝心の僕がお迎えするのかどうかはまだ未定です(笑)

今デジタルカメラのメインで使用しているセンサーサイズが同じAPS-C機である富士フィルム「 X-Pro3 」との兼用は今の所あまり考えられないですが、とりあえず早く実機をこの目で見てみたいし触ってみたいですね。見た目から欲しいと思うカメラは絶対良いカメラです。僕はそう信じてます。

それにしても、Zfcがこれほど話題に上がっているのは、いちニコン使いとして大変喜ばしいです。またそれの元になったカメラが自分の愛機なら、これほど嬉しいことはないですよ。


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最後に一言、やっぱりニコン好きだ。

ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます。

しぐれそう



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