室内で人が亡くなったら問答無用で「事故物件」になってしまうのか?
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室内で人が亡くなったら問答無用で「事故物件」になってしまうのか?

遺品整理・死後事務専門行政書士 谷 茂

遺品整理現場での知っ得シリーズ

今回は、賃貸物件で人が亡くなった場合は問答無用で「事故物件」となるのか?についてのお話し。

以前受けた電話相談のひとつにこんなご相談がありました。

「賃貸物件で親戚が亡くなりました(病死)が、発見も早く腐敗等もありません。なのに家主からは、告知義務を理由とした家賃減額分の損害賠償と室内をフルリフォームする原状回復の請求がきています。病死で早期発見の場合も事故物件になるのでしょうか?」というご相談です。

まず、事故物件になるかどうかは最終的には訴訟等になった場合に裁判所が決めることですので、確定的な事は言えませんが、過去の裁判例などを見るに、このケースでは事故物件の扱いとはならない可能性が高いと思われます。

家主側の言い分として、「警察がきて近隣の方がその様子をみた」「人が室内で亡くなった以上は事故扱いとなるので告知義務が発生する」ということらしいですが、これは正しいのでしょうか?

一般的に孤独死と呼ばれる状態は自殺とは違い入居者の方に責任はありません。また、過去の裁判例でも人が住居として部屋を使っている以上は病気などで室内で死亡することは普通に起こりうることだとしています。

つまり、例え賃貸物件であったとしても部屋を住居として使っている以上はそこで病気などで入居者が死んでしまったとしても、それはごくあたりまえのことであり、その事に対して、すぐに入居者の責任だとすることはできないということです。

では、警察が来たということが今後の募集に影響するということについてはどうでしょうか。まず、何故警察が来るのか?

ひとり暮らしの方が室内で突発的に病気などで亡くなった場合は、誰にも看取られることなく亡くなっている事がほとんどです。

そうすると、入居者の方が何故亡くなったのかは第三者にはわかりませんよね。事故で亡くなったのか、病気で亡くなったのか、もしかしたら何かの事件に巻き込まれて亡くなったのかもしれません。

そうした、もろもろ事情を鑑み、誰にも看取られずに亡くなったご遺体が発見された場合は事件性の有無を確認しなければならないので警察が来ることとなります。

警察の鑑識の結果、事件性なしとなれば「自然死」ですし、遺体とその周りの状況から「自死」や「殺人」などとされることもあります。

こうした、事件性の有無などを確認する為に必ず警察がくるのであって、その警察の判断の結果「病死(自然死)」となったというだけですので、警察が来たというだけでは事故物件になるとは言えません。

確かに、孤独死の方が発見された場合はパトカーが何台も来て、鑑識の車や捜査の方々が物々しい感じて室内に入っていきますので、外から見たら「事件?事件?」「殺人なの?」と見えなくもありませんが、これは事件性の調査の為ですので仕方のないことです。

つまり、賃貸物件で孤独死が発見された場合に警察が来るのは捜査の関係上仕方のないことであり、それは亡くなった入居者の責任となる訳ではないということです。

結果的に警察や消防が沢山きて現場がものものしくなったとしても、高齢者が病気で亡くなったとわかれば、近隣の住人の方も最初は驚くかもしれませんが、特に事件などでもなければすぐに忘れてしまうよう出来事でもあります。

専門的な言葉で言うなら高齢者が病死してすぐに発見されるような事は「心理的瑕疵」と呼ばれるような、人が嫌悪感を感じるような出来事ではなかったということです。

ですので、入居者の方が亡くなり、警察が来ていたとしても遺体の腐敗も無い早期発見であるなら、ただの病死であり、事故扱いにはならないということになるでしょう。

ただ、こうした事故物件とはならないと考えられるような状況でも、家主や不動産会社としては、次の入居者とのトラブルを防ぐ意味で、あえて室内で人が亡くなったことを告知して、告知することで入居者が決まり辛くなることを理由に家賃を減額することは良くあります。

これ自体は家主側として、次の入居者とのトラブルを防ぐ意味と入居者としても納得して入れるということで誠実な対応とも言えます。

ただし、それは告知する必要のない物件を経営上の判断であえて告知しているということになる為、家主側としては酷な言い様になってしまうかもしれませんが、経営上の判断で生じたリスクや損害は家主側で負うしかないとなります。

最近はこうした状況に対応できる大家さん向けの保険なども沢山でてきていますので、こうした商品をうまく活用しながら賃貸経営を行っていかなければいけない時代になってきました。

家主側には全く責任のない事で、入居者側に起きた事情で一方的に家主側が損害を被っているように感じてしまうかもしれませんが、こればかりは賃貸経営上のリスクのひとつとして、対策を講じていくしかありませんね。

今後ますます単身者や高齢の入居者が増える中、こうした問題は増える一方かと思われます。

ただ、家主側としても入居者側としても、入居者の方の死を取り上げて、言い争いなどはしたくないでしょうから、家主だけでなく、入居者側も含めた当事者双方が事前に保険などを活用して対策を講じておくことが必須の時代が来たのかもしれません。

遺品整理・死後事務のご相談は名古屋の第八行政書士事務所までどうぞ~

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遺品整理・死後事務専門行政書士 谷 茂
名古屋の遺品整理(https://ihinseiri-dai8.jp/)・死後事務専門(https://sigozimu.com/)の行政書士。長年遺品整理業者に努めていた経験を活かして、事故物件トラブルやひとり暮らしの死後事務問題のサポートを行っています!相談はいつでも大歓迎!