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ビジネスパーソンのための交渉術⑨ SNSを使えば30分ですむのに…Eメールの返事を2~3日待つ人

こんにちは、ビジネスエッセイを発信している松永隆です。
本記事は、拙著『ビジネスパーソンのための超実践的交渉術 日本人の交渉のやり方』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、編集したものです。
前回⑧に続いて、交渉におけるコミュニケーションツールの使い分けについて考えていきたいと思います。

Eメールは限定使用にすべき

1990年代より圧倒的なコミュニケーションプラットフォームとして君臨してきたEメールですが、どうやらその役割に多少翳りが出てきたようです。

コール&レスポンスのスピードに優れたSNSの普及により、Eメールの活用範囲は狭まって来ているように思います。利便性の中で全体像把握のしやすさ、資料添付が可能なこと、複数人に同時送信しやすいことなどが生きる場面においては優れたプラットフォームだと言えますが、スピード面でかなりSNSに見劣りするのは否めません。

交渉においては、Eメールは以下のような場面で活用するのが妥当なのかもしれません。

全体的な条件提示と背景

説明合意した条件の確認

最終的な合意内容の総括

逆に個々の条件についての、合意に至るまでの意見のぶつけ合いにはEメールは手間がかかるという印象を持たざるを得ません。文章作成にかかる手間と時間、送信後に相手がそれを読んで返信してくるまでの待ち時間などどうも時間の浪費に思えてしまいます。

やはり意見のぶつけ合いは極力双方向でのコミュニケーションが可能なWEB会議や電話を活用した方が遥かに効率的ではないでしょうか? 意見のぶつけ合いの裏では、相手の発言を聞いて相手の置かれている立場や考えていることを察知することが必ずセットとして行われなければなりません。

Eメールはそれを行うのにはすこぶる不向きなツールなのです。例えそれができたとしても、文書作成の時間、読んでもらえるまでの時間、返事が来るまでの時間をトータルすると恐らく数倍、数十倍の時間がかかります。日本人同士でも時々千字以上のメールをお互いに送り合っている例を見かけますが、なんで電話して早く解決しようとしないのだろうと不思議でなりません。

中には対話を避けるためにメールでのみやり取りしたり、自分の正当性を感情的に主張するためだけに長いメールを打って、いろいろな人にばらまいている人を時々見かけますが、それは負の感情をばらまくだけの悪しき行為です。

そういう負の感情が芽生えそうになったら、いち早く双方向のコミュニケーションができる対面、電話、WEB会議にて話し合い、けりをつけて前に進むのがビジネスパーソンのあるべき姿ではないでしょうか?

また、相手が直ぐに答えられる情報を得たい時や、相手から早く返事をもらいたい時の催促などはコール&レスポンスのスピードに優れたSNSの方が効率的です。しかるに未だにEメールでのコミュニケーションに依存しすぎている例は枚挙にいとまがありません。

よく観察していると電話やSNSを使えば30分ですむことを、Eメールの返事を2~3日待ってようやく次のステップに進んでいる人を見かけます。確かにEメールは電話などに比べれば相手の邪魔にならないという利点があり、特に目上の人や多少緊張を伴う重要なお客様向けは送信しやすいということがあるのかもしれません。

ただ、ある程度個人的な関係が深まればよりスピード感があるSNSを使うべきだし、逆にSNSでやり取りができる様な関係を早く築く努力をするべきだと思います。

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