お試し転職を取り入れる試み

テレワークを取り入れる企業が増えてきてから「お試し転職」を選考に取り入れる企業も増えてきた印象があります。

お試し転職とは、内定を出す前に、お互いがマッチしているかを確認するため、期間限定でお試しで業務を体験してもらうことです。

私がインタビューをした企業は、お試し転職とは少し形が違いますが、応募者が体験できることは同じかと思います。

選考フローの中に2泊3日の宿体験を取り入れ、熊谷さんだけでなくスタッフとも一緒に過ごす時間を作った。

応募者と一緒の時間を過ごして話をする内に、「あなたのやりたいことは何か」というような話に展開し、人生相談のような話になっていく人もいるそう。

今回は、私が見聞きした話を含めて、お試し転職についてお伝えしていきます。

コロナ禍でお試し転職が増えた理由

冒頭でお伝えした通り、コロナ禍によってテレワークになった企業が増えたことにより、お試し転職が取り入れやすくなったのだと思います。

まず、オフィスに来てお試し転職をしてもらう場合、現職を辞めずに転職活動をしている人が多いので、現職の定時後または土日にしか参加することができず、実施が難しい状況でした。

しかし、テレワークであればオフィスに来てもらう必要がなく、下記の条件を満たせば、全てオンラインで完結させることができます。

①基本コミュニケーションはテキストベース
②アウトプットで判断ができる採用基準がある(職種による)
③応募者が希望するタイミングでWeb会議が可能
④業務遂行に必要な情報がオンライン上にあって共有できる

私が見聞きしたお試し転職

他社がどのように取り入れているのかについて、参考になりそうなポイントをピックアップしてお伝えします。

普段のやり取りをSlackで見ることができる

応募者が転職先のことで知りたいことの一つに、会社の雰囲気があります。
具体的には、社員はどのような人がいて、どうコミュニケーションを取っていて、どう業務が進んでいくのか等です。

雰囲気の全てを見せることは難しいですが、例えばお試しで関わってもらうプロジェクトについては応募者のいるチャンネルで会話をしたり、雑談チャンネルを応募者に見てもらったりという方法で、一部分を見せることはできると思います。

Slackの絵文字の多さは、テキストコミュニケーションが活発であることに紐づくと思うので、どのような絵文字があるかを見せてもらえたことは、個人的に参考になりました

現在困っている課題について応募者に検討してもらう

企業の課題感や課題に対してのアプローチ方法を体験することができると、仕事の進め方が具体的にイメージができるので、進め方がマッチすると応募者の意向を上げることができます。

例えば、マーケティング施策としてSNS運用を考えてもらったり、採用業務で母集団形成企画を考えてもらったりすると、具体的にイメージしやすいです。

最後に企業の価値観(バリュー)に基づいたフィードバックがあると、企業理解を深めることができるのでオススメです。

オンラインランチをする

雑談からお互いの理解を深めることができることは、感覚的に理解している方が多いと思います。応募者もテレワークだった場合に実施できるのはオンラインランチです。

いきなりテキストベースで雑談をすることはハードルがありますが、オンラインランチであれば気軽に雑談ができます。
企業側の担当者が出社している場合、Webカメラを使ってオフィスツアーをすることもできます。

自社で使っているツールや仕事の進め方によって、取り入れることができるものとできないものがあるかと思いますが、ご紹介した方法はどれもオススメですのでぜひご検討ください。

お試し転職を取り入れる際の注意点

労務的な観点で注意点があります。
それは、体験してもらう内容によっては有給でなければならない場合があるということです。

実態が労働契約と同等のものだと判断されると、労働基準法の適用を受けることとなり、無給での実施は違法となってしまいます。

労働基準法の適用になるかの判断は、
①時間的拘束をし、会社の指揮命令下で業務を遂行させているか
②アウトプットが世に出るか
などがあると思います。

詳しいところは専門家に確認していただきたいですが、無給の場合はあくまでも体験の域を出ないような構成にしなければならないです。

複業と同じ位置付けにして、有給でお試し転職をしてもらうこともありだと思います。エンジニア等の専門スキルを確認したい職種であれば、有給で取り入れるメリットはあると思います。

まとめ:転職潜在層にもアプローチできるかもしれないお試し転職

お試し転職の実施期間は、それなりの時間が必要になると思います。
時間をかけてでもお互いにマッチしているかを確認できることが特徴だからです。転職潜在層のような、急いで転職は考えていないけど、いい企業があれば見てみたいという人には合っている手法かもしれません。

楽しく働くためには、価値観のマッチは必須だと思います。
このnoteをきっかけにお試し転職を検討してもらえたらうれしいです!

今回はここまで!次回をお楽しみに。

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