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不安からの再生

新しい朝は、「不安」とともに始まる。小学校2年生の娘が、学校へと向かうのを見送ったあと、その不安から再生するために、時が過ぎるのをじっと待つ。ソファーで小さく丸まって、横になりながら。自分が向き合うべき不安を整理するために、ゆっくりと思考を巡らせていく。

僕のなかにある「不安」を大雑把に分類していくと、大きく3つある。1つめは、カラダが動かなくなることへの不安。2つめは、将来のお金への不安。そして、3つめは妻が抱えるであろう不安。1つ1つ、少しずつ。思考を積み重ねては、まだまだバラバラになっているパズルのピースを組み立てる作業を繰り返していく。最近の毎朝の日課だ。

カラダが動かなくなることへの不安
球脊髄性筋萎縮症(SBMA)の診断が確定はしていないものの、カラダが動かなくなるのは、避けられない。まずは、現状を維持するために、できることを無理ない範囲でやっていく。歩くこと、家事をすること、娘と遊ぶこと。日常生活のなかでカラダを動かすことを、意識的に行っていく。また、筋力低下と向き合っていかないといけないので、自分のカラダの状態に合わせて、「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)」を高めていくことを模索する。そのときに必要なツールやテクノロジー、制度を活用しながら、QOLを最適化していくことで、乗り越えていこうと思っている。

将来のお金への不安
住宅ローンや生活費、娘の学費、医療費など、将来の金銭的な課題にどう向き合っていくか。現在と同じように働くことができればベストだとは思うけど、厳しい現実が待ち構えているだろう。だから、働き方やスキルを含めて、自分自身のキャリアプランを見直していく必要がある。自分一人では解決することができない問題なので、然るべきタイミングで会社と話し合っていこうと思う。現状は、PCがあればリモートでも仕事ができる環境ではあるので、会社にとっても、自分にとっても、ベストな働き方を考えていくことで、お金への不安と向き合っていきたい。

妻が抱えるであろう不安
現在告げられている難病が確定すると、最終的には僕は寝たきりになる。一ミリもカラダが動かなくなる。それは、10年後か、20年後かはまだ分からないけど、介護を受ける未来になるだろう。妻の負担になりたくない想いがある。そして、妻に自分らしい人生を歩んでほしいと思う。ライフスタイルも、働き方も、パラダイムシフトが起きている現在において、必ずしも家族が介護するという時代は、大きく変わっていくものだと思う。僕が人生をどう歩んで、どう生きていきたいのか。妻が人生をどう歩んで、どう生きていきたいのか。その答えは出ていないから、これから妻としっかりと会話を重ねていきたい。

不安を言葉にして、振り返ってみると、多くの人が直面する課題でもあるような気がしてきた。不安を可視化することで、次のアクションを起こしていく。そして、僕自身が得意ではないけど、どうPDCAを実施していくか。今まであんまり深く考えることがなかった自分自身の人生に、少し具体的な輪郭が帯びてきた。これは自分自身の道しるべになるものだろうか。その積み重ねは、少しずつ不安から解放してくれるものなのだろうか。永遠に完成しないパズルのような気もするけど、正解なんてないのだから、その日その日で最適解を出していきたいと思う。


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