カミソリなマクロを自宅で楽しむ
SIGMA社員が独断と偏見でSIGMA製品への思いを語るコーナーです。
今日の当番|M
今日ご紹介するレンズは70mm F2.8 DG MACRO | Art。そう、SIGMAが誇る”カミソリマクロ”。自分でカミソリと言ってしまうくらい切れ味鋭いマクロレンズです。
普段見慣れているものでも、拡大して観察してみると思わぬ気づきがあって面白いですよね。私も高校生の時に自分の目の虹彩の質感を観察するのにドはまりしてしまって危うく大学入試に落ちるところでした。が、受験が終わったら全く見なくなったので一種の現実逃避であったと今なら振り返れます。
今回は流石に眼球は撮りませんが、自宅でいろいろ撮影して楽しんでみました。
SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO | Artとは
SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO | Artは2018年2月に発売されたArtライン初のマクロレンズです。カミソリマクロの愛称は2006年のMACRO 70mm F2.8 EX DGで好評をいただいた中で生まれたもの。Artラインではこの機種を上回る性能を目指し実現しました。
最大撮影倍率は1:1。最大径×長さはφ70.8㎜×105.8㎜、質量は515g(シグママウント用)と、F2.8であることもありArt単焦点兄弟の中でもスリムなところも特徴です。フォーカスは前群繰り出し式で、リングを回すとヌヌヌと伸びてきます。個人的にこの白とグレーの数字がずらっと並んでいるところがポイントです。用もないのに繰り出して眺めてしまいます。
室内で撮ってみました
外出自粛期間ということで、室内で撮って楽しめるものを探してみました。カメラはSIGMA fpを使っています。
まずは定番のお花。
おしべと花びらの質感にピントを合わせました。おしべの瑞々しい透明感も分かります。前後はふわっとじわっとボケてくれました。
中望遠でマクロでボケがきれいだと何が良いかというと、部屋が多少散らかっていてもなんとかなる!ということです。何か撮ろうと思っていたら背景の散らかりが気になって片付けで一日が終わった、というのもあるいは結果オーライですが、サッとお部屋内撮影を楽しむためにはこういうレンズは心強いですね。
次も定番の被写体、アクセサリー。
銀細工のピアスを開放・最短付近で撮影。幅1mm以下の銀線を丸めた細工の細かさと、銀の輝きがきれいに映りました。
続いては真珠の指輪。こちらも最短付近、絞りはF4.5で撮影しました。真珠のつるっとした質感と、小さな石の細かな様子がわかります。正直実物より何だかちゃんとしたアクセサリーに見えてきます……また、背景には先ほどのシルバーのピアスを入れていますが、きれいな玉ボケとしてアクセントになってくれました。
自宅にいる時間が長くなっている分、手芸やクラフト制作を行う方も多いかと思いますが、このレンズはアクセサリーや小物を作っている方の作品撮りにもぴったりだと思います。作品の魅力を伝えるのにかなり力になってくれるはずです。
ボケの大きい写真が続いてしまいましたがキレのある写真も撮ってみよう、ということでペットのセキセイインコの羽です。
拡大するとこんな感じです。おお!写ってる!!
もちろんそりゃそうなんですが……でもこのマクロレンズで撮った写真を取り込んで最初にモニターで見るときの感動は、他の撮影とはちょっと違った独特のものがありますよね。
今は少しお休みをしていますがSIGMAでは定期的に製品体験会を開いています。いきなり買うのはハードルが高い、という方も是非お試しでもマクロ体験してみてもらえると新たな出会いがあるはずです。
その他撮ってみたもの
家にずっといると、料理でもするか!という気分になってきますね。でも普段から料理に凝るわけでもなくスキルもモチベーションも微妙な私が何を作るのかというと、ゼリーです。
料理と言えるのか?というのは一旦置いておきましょう。
なんてことないコーヒーゼリーですがマクロで写してみると普段見えているものと違って面白いです。
撮影風景はこんな感じです。大きいものである必要はないですが、三脚は必須です。それとミルクにレンズを突っ込まないよう細心の注意。
自宅の中だけでもいろいろと楽しめました
自宅にあるものを接写するだけですが、普段なじみのあるものだからこそ少し違った一面が見えて楽しむことができました。また、この撮影の途中で思い出の品を撮影するという方向に段々とシフトしていきました。
上の写真は祖母が使っていた貯金箱です。子供のころから妙に愛着を感じる謎のオブジェだったのですが、最近黒飴で有名な榮太樓さんの菓子ケースだったことを知りました。素材はプラスチックのようですが、年季が入っていることもありブロンズのような渋い質感、素敵なパッケージだと思います。
ずっと馴染みのあるものでもこんなにじっくり観察したことはなかったです。これから自分のお気に入りのものと撮影を通して向き合って、新しい一面を発見してみたいと思います。