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読み聞かせ絵本#2 (2023年度冬休み①)

雪国の学校の冬休みは1ヶ月近くあり、テレビやゲームなどに積極的でない我が家では、自ずと本を読んだりして過ごす時間が多くなる。

そこで、子ども達が小学校や図書館で借りてきた絵本の中からおすすめしたいものを選び、読み聞かせした感想を以下まとめます。(自分の備忘も兼ねて)



かみなりむすめ

「映画『かぐや姫』のたけのこと捨丸みたいだね」という長女の感想。
作者は、小学校の教科書にある『モチモチの木』と同じ、斎藤隆介さん(作)と滝平二郎さん(絵)。
下界の子供とせっせっせをしたい一心で、雲の上から降りてきたみなりむすめと、彼女に優しく接する少年は、別れた後に互いに悲喜交々な思いを抱く。
その心情のコントラストが印象的だった。


かみなり

狂言絵本というジャンルがあることを初めて知った。
絵のインパクト、ヤブ医者とかみなり様の掛け合いが何とも面白い。
また、子どもが絵本の芝居がかった口調も、ちゃんと理解しているのに驚く。
脳の文法中枢の不思議だ。


やまのじぞうさん

じぞうさんがやまの上に座っているのにはちゃんと理由があった。
近所の山々にいる地蔵さんにも何か理由があることに気づいてくれたらいいなぁ。


空気がなくなる日

タイトルを見て、なんのこっちゃと思い読み進めると、ハレー彗星がやってきた当時の日本の状況を描いていることがわかり、膝を打った。
理科の授業で、「ゴムチューブが売れた」と聞いた朧げな記憶も思い出す。
普段偉そうにしている少年が、ここぞという時に間の抜けた行動をしている様子を皮肉っているところに機微を感じる。



みにくいあひるの子

生まれた姿や大きさが違うばかりに、兄弟から、周囲から、そして母からいじめられ、地を這うように生きてきたみにくいあひるの子は、「あの美しい鳥にならころされてもいい」と悲壮な覚悟を持って白鳥の前に行く・・・
アニメや意訳された絵本などでは絶対に伝わってこない、みにくいあひるの子の感情の揺れが原作では描かれていることに新鮮さを感じた。



だくちる だくちる

『絵本のちから』で河合隼雄さんが「音が伝わってくる」と紹介していたので読んでみた。
音はもちろんのこと、長田弘さんの色づかいに惹かれた。
子どもに絵の具を渡すとだんだん濁り、大体黒っぽい絵が描かれる。
この絵本の色づかいも、子どものそれだった。
敢えてそうしたのか、そのおかげで僕はこれから我が子がどんな絵を描いても安心して見ていられる気がした。



魔法のことば

これも、『絵本のちから』で河合隼雄さんが紹介していた絵本だ。
エスキモーに伝わる一篇の詩をもとに絵本として構成されている。
太古の昔、人と動物に区別はなく、同じ言葉を喋っていた。
人間の言葉は、生命をもち、望んだことが起こった。
どうしてそんなことができたのか・・・それを言い表す言葉がとても潔く、深い。
絵も壁画のようで表象的。ぜひ読んでほしい。


よるのようちえん

これも、『絵本のちから』で河合隼雄さんが紹介していた絵本。
擬音語・オノマトペで名づけられたものたちが、幼稚園の中を遊び回り、朝にはどこかへ消えてしまう。
それぞれの特徴を表すリズミカルな言葉を楽しめる絵本だ。


どうする どうする  あなのなか

あなのなかという空間を、横型絵本を目一杯使って表現している。
猫とネズミという、捕食ー被捕食の関係にある動物が、なんやかんやで共存することを描いているのは、『あらしのよるに』を作ったきむらゆういちさんならではだと思った。



かえるくんどこにいるの?

タイトルを除き、一切文章がない絵本。
4歳の長男は僕に1ページずつ内容を「読んで」くれた。
大人が読み聞かせしてもらえる絵本で、シリーズの他の本も手に取って見たいと思えた。


読めば読むほど絵本の世界はおもしろいなぁ。

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