雨模様の花蓮園

 時折雨がぱらつく日曜日の暗い午前中。ちょうどいま時分が見頃だろうと花蓮園へでかけてみた。駐車場が開く時刻に到着すると、もう何人かの人びとが花を鑑賞していた。カメラを抱えた人も多いし、中には重そうな三脚持参の人も。自分もいつも今日は三脚持参でと思うのだが、いざ出かける段になると、まあいいかとやめにすることが多い。

 近頃、野鳥を撮るとき以外は、古いCCDセンサー機を持ち出すことが多い。この日はPENTAX K100D。Kマウントのレンズはあらかた処分してしまって、手元に残っているのは、SMC-MとかSMC-AのMFレンズが主で、他にはM42のレンズ群が残っているだけだ。持ってきたのも、なんの変哲もない次の3本だけ。SMC PENTAX-A 35-70mm f4、SMC PENTAX-M 135mm f3.5、SMC PENTAX-M 200mm f4.5。どんよりした雨雲の朝だったので、TAKUMARあたりのもっと明るいレンズにすればよかったと後悔。

 35-70mm f4のズームは、使ってみると意外に扱いやすいことを再発見。このレンズ、最短撮影距離はたしか60cmほどで被写体に寄れないのだが、70mmの望遠端では簡易マクロ機能が効く。この当時にはよくある35-70mmの簡易マクロ付きズームレンズだが、面白いことに、70mmの望遠端だけで簡易マクロが効くのではなく、60mm、50mm、40mm、35mmとだんだん最短距離が長くなっていく仕様。
 PENTAX-M 40-80mm f2.8-4も簡易マクロがついているが、こちらは80mmからしかマクロ域にアクセスできない(おまけにマクロ域は直進ズームとの組み合わせになり、とっさにシャッターを切るのはほとんど不可能)。ズーム倍率は2倍しかなく、現代のズームレンズからすると、とんでもなく低スペックだが、絞り開放でもけっこうよく写る。

 こちらは200mmの単焦点。K100DはAPS-C機なので35mm換算だと300mm相当の画角になる。わずかに開放値が暗いが、サンヨンだとこんな感じなんだろうと思いながらいろいろ撮ってみた。
 よく知られているように、ペンタックスの一眼レフには、グリーンボタンとキャッチインフォーカスという固有の機能がある。
 グリーンボタンは、この日もっていたような昔のMFレンズを使うときに重宝する。手動で絞り値を決めて、ISO感度を指定しておけば、ボタン一発で適正露出になるようシャッター速度を決めてくれる(手動でシャッター速度を決めればよいとは思うがボタン一発は便利)。
 キャッチインフォーカスは、カメラのモードをAFにしたままMFレンズをつけて、シャッターボタンをしながらピントリングをまわすと、フォーカスしたところで自動的にシャッターが切れる。
 K100Dのメニュー項目には、キャッチインフォーカスはないが、同じことができる。そういえば、こんなのがあったなあと思いながら、けっこう楽しく撮影できた(精度がいまいちなときもあるが)。

 最後は135mm f3.5で撮影したもの。暗いからなのか、キャッチインフォーカスの精度が悪いのか、それとも自分の腕が悪いのか。ピントが甘いけれども、MFレンズでゆっくり撮影するのは楽しい。野鳥のように花は逃げていかないし、枝の間や低木の中に身を隠すこともないし。

 いずれもバカの一つ覚えのように絞りは開放。ISO感度は200固定。ペンタックスの一眼レフには早くからボディ内手ブレ補正機能がついているが、効いているのかいないのかは不明。多分、効いてるんだろう。

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