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2023年(くらいの)映画ベスト10

2023年公開以外もありますが、これにはもっと話題になってほしいぞという気持ちもこめて近い年のもいくつかあります。
順位はつけないタイプの発表スタイルです。

『スプリンパン まえへすすもう!』(2020年)

『がんばれいわ!!ロボコン ウララ〜!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』『人体のサバイバル!』と同時上映。
上映時間5分という短編ながらも、目当てで見に行ったれいわロボコンよりもつよい衝撃を残していった。予想外の出会い。
3DCGとモーションキャプチャーを駆使したミュージカル。ともかく歌とダンスの質がいい。突然のファンタジーな世界観にぶっこまれて美しい舞踊を見せられて脳が溶ける。
すごくいい澄まし汁を飲んだような満足感もあった。
帰り路にインターネッツで「スプリンパン」の感想を探したら、私と同じくれいわロボコン目当てで見に行って脳を直撃された人々がむしろこっちについて熱く語っていた。納得である。

『映画おしりたんてい シリアーティ』(2022年)

見た目は尻だが態度は紳士!おしりたんていが、最強のライバル悪の天才シリアーティ教授と対決する…!
…というあらすじだけで情報が大渋滞しているのに、シリアーティ教授の声優に福山雅治という前情報で頭がパンクして、本当かどうか確かめたくて見に行った。
『映画おしりたんてい 夢のジャンボスイートポテトまつり』が短編作品として先に上映されてからの本編。実はこの短編が重要な布石だったとは…
主人公格のキャラの濃さもおもしろい(なにせ顔面がお尻なので…)が、ワンコロけいさつしょの犬たちの関係性も良かった。みみとがりさんとパーマネントさんの性格正反対バディには萌えすらあった。
おしりたんていとシリアーティ教授の対決場面では、急に作画が劇画調になって互いの尻(顔)から激しく放屁を放ってぶつけ合うという、常軌を逸したバトルシーンが繰り広げられた。これ、くせえドラ〇ンボールだ…

『犬王』(2021)

能楽師「犬王」とその相棒の琵琶法師「友魚(ともな)」のバンド活動を記録したもの(と私は思っている)。周りの圧力で解散せざるを得なくなったが、600年後に紆余曲折を経て再結成するのは胸が熱くなった。
同じバンドに所属しながら互いを推しと認めて常に追い求めている姿に涙。尊すぎるだろ。
推しは一生追え、いや生涯を終えても魂で追えという激熱メッセージにまた涙した。自分にはそういう話に見えたんだ…。推しのいる人にはドキュメンタリーみたいな話よ…。
自分のクソ重感情は別として、劇中のライブシーンは歌の熱量も演出も非常に力が入っているので、機会があればぜひ映画館の音響と画面のデカさで見てほしい。

『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』(2023)

ゲーム原作映画。主人公とその連れに見ててイヤなやつがいないのが非常に快適。あとおバカしかいなくて最高(知性を感じると襲ってくるクリーチャーが全員スルーするレベル)
ナイスな架空生物がいっぱい出てきてそれもクリーチャー好きにはお得だった。デブドラゴン、やたらリアルなミミック、ホログラムで分身する黒いけもの(所くらましの魔獣)、神谷浩史・森川智之・津田健次郎・諏訪部順一の声帯を持つ死者、前述の知性に反応する脳みそ君など。
いろんな角度から見て楽しい映画だけど、ミシェル・ロドリゲスが出てるのでそれだけでも自分は花マルの映画になっちゃう。デカくて強いバーバリアンの姐さん大好きじゃ…。
ちょっと頼りなさげな奴らが最後は頼もしくなる展開も私は好きなので(揚げる大捜査線ことエクストリーム・ジョブなんかもそう)、いいぞいいぞ!と終盤までたっぷり盛り上がった。
ここそこの杖(ワープ穴をあけるアイテム)が登場した時、これPortal(Steamの義務教育的有名ゲーム作品)じゃん…と興奮したので、ぜひPortalも映画化してください。

『MEG ザ・モンスターズ2』(2023)

ヒビの入ったヘルメットが潰れる深海でも、ステイサムが副鼻腔に海水をためれば素潜りOK!という超次元科学、このとんでもはザ・コアを抜いたかもしれねえ…。でもステイサムだからいいか!
メグ以外にもサブのキラーキャラが活躍していて、前作よりドタバタ度がUPしていた。小さい爬虫類と巨大タコ、君たちはどこから来たんだ。でも暴れてくれたからいいか!
テロリストもいたような気がしますが、モンスターたちのせいで影が薄かった…。

『きさらぎ駅』(2022)

異世界突入、巻き込まれた者同士の険悪な空気、ジャンプスケアもありのグロテスクな怪異…とけっこう怖い雰囲気で物語が進んだのでこいつは悲惨なやつかもしれねえ…と身構えたら、主人公によるきさらぎ駅最速攻略がはじまった。
刺す、蹴る、殴るの暴力解決でどんどん先に進む主人公がたのもしい。やっぱり蹴りの強い女が出るホラー映画に間違いはないな…と怖いどころかむしろ安心して視聴できた。
あのラストシーンの再会には年齢差激重百合の香りがあったので、その手の百合みを感じたい人にもおすすめ。

『イコライザー THE FINAL』(2023)

イコライザーの3作品目にして最終作。
マッコールさんがあまりにも優秀なキラーすぎてもはやホラー。チンピラが出てきてイキるたびにそっちの命の心配をしてしまう。
光に満ちた町のお祭りの裏で、闇にまぎれ悪を断罪するマッコールさんは天使なのか死神なのか。
血にまみれたマッコールさんを見ると、本当は優しい紳士なのに…と悲しくなるけど、信念に満ちたまなざしと迷いなき殺戮がその気持ちも吹き飛ばしてくれる。
あとに残るのは平和のみ。ありがとうマッコールさん。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)

ジョン・ウィックの4作目で最終作。
登場人物のキャラがことごとく立ちすぎてて、誰が好きだった?と語り合いたくなる。
私のMVPは金歯デブことハルカンだ。トランプ勝負持ちかけたくせに速攻でただの殴り合いしはじめて、声上げて笑いそうになった。金歯見せつけながらのゲヘゲヘ笑いに紫スーツに喘息もちの巨漢なんて噛ませ犬だと思うじゃん…格闘めっちゃ強いしなんだよあのキレのいいハイキック。
調理場でうどんすすった後に人感センサーを貼り付けまくって戦う盲目のドニー・イェンもよかった。今回はちょっと飄々としたキャラでなごんだな。
今回の犬は格闘で大活躍。ボール(隠語)遊びがはげしい。

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(2023)

横溝正史の金田一シリーズを思い出したけれど、あれは呪いや因縁が殺人の見立てに利用されていて一族の骨肉の争いが…というもの。こちらはほんまもんの妖力を利用していてさらにひでえ一族だった。ねずみ男が途中で逃げ出すレベル。
白塗りの狂人、立場を争う姉妹、不遇の娘など金田一シリーズでおなじみのキャラクター構成に不吉な未来しか見えない。
ラストは鬼太郎の出生に自然に繋いでいてこれは見事だなと。鬼太郎の左目の潰れた理由がこの物語を境に分岐したのね…。

『ガールズ&パンツァー 最終章 第4話』ユナイテッド・シネマとしまえん 4DX上映(2023)

自分が体験した中では、ユナイテッドシネマとしまえんの4DXが一番つよいので、せっかくだからガルパン最終章4話の2回目をここで見ることに。
上映前のこんな機能がありますよ~のコーナーの時点で顔面がびっちょりするほどの水を浴び、そうそうとしまえんはこれよ~と笑顔で眼鏡をぬぐって本編へ。
動いている時はステップに足がつかず、グルグルかくはんされて椅子から飛び出しそう。手すりをグッとつかんで踏ん張ってないとどんどんずり落ちてくる。
大洗学園チームが鍋底を抜いて地下に潜るシーンでは、振動で私のお尻の底が抜けるかと思った。
雪山のトリプルXの冒頭みたいな展開は何度か心の中で(助けて…!)と祈るほどの振動がお尻を襲う。4DXが初回だったら話が頭に入らなかっただろう…2回目でよかった。
継続戦のあとのサウナシーンで首元から温風が出たのは癒やし。
もう雪山ほどは揺れまい…と安心してみていた黒森峰vs聖グロ戦。揺れに風も追加されてなにもかもおしまい。
上映後、髪の毛も服もくしゃくしゃになってよろよろとスクリーンを出ました。さすがユナイテッドシネマとしまえんの4DX、期待を裏切らなかった…!


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