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【#シャニマス我儘なnote連作】一緒に、この靴と【後編】

※この記事は以下の記事の続きになっていますので、まずはそちらをお読みください※

にちかのソロ曲はどのようになるか

SHHis 楽曲のざっくり振り返り

さて、前編ではコミュを振り返ってきましたが、後編はまず最初にこれまでに公開されている SHHis の 4 曲についてざっくりと振り返ります。

  • オラつき感のあるトラップ寄りな『OH MY GOD』

  • 後発の Bouncy Girl もそうだけど、c/w 曲になるとオーケストラヒットで華やかになる SHHis 盤のクセを感じさせる『Fly and Fly』

  • どことなく Romanian House Music を彷彿とさせるアコーディオンの使い方が印象的な『Fashionable』

  • 打って変わってテクノテイストはありながらも 80 ~ 90 年代のユーロビート文化を踏襲した『Bouncy Girl』

あくまで今回は SHHis ではなくにちかのソロ曲に焦点を当てるためにざっくりと総評すると、SHHis 楽曲は全体的に K-POP の文化を汲んだダンスナンバーになる傾向があります。

K-POP 自体は実態としていろいろな文化圏の音楽が意思を持ったまま混ざったキメラのようなものなので、K-POP っぽいと言ってしまえばちょっとダンサブルな曲だったらどこかで引っかかるというのが正直なところではあるのですが……。

コミュやステッカーのデザインを踏まえてありそうな楽曲の方向性

そんな SHHis 楽曲たちですが、それをいったん置いておいて、これまでのにちかコミュの振り返りから、にちかのアイドル像によりマッチしそうな音楽の特徴をいくつか挙げると以下の 3 点になってくるかと思います。

  • やっぱりSHHis らしくやっぱりダンサブルな曲

  • バラドルとして万人に受け入れられやすい上で SHHis っぽさもある、ビート感強めのポップスの潮流を汲んだ曲

  • 八雲なみに憧れることと、ちょくちょく休養に入る儚さも感じさせるややレトロアイドル感のある曲

1 つ目はシンプルに SHHis の延長ですが、2 つ目はバラドルらしく受け入れられやすいけれど SHHis らしさもある曲、3 つ目は八雲なみへのあこがれや少し前のアイドルシーンに詳しいというにちかの知識レベルをベースにした、いわゆる昔のソロアイドル的な曲です。

参考になりそうな曲たち/K-POP と City POP の融合

SHHis 楽曲のそのままの延長についてはおそらくないと思うので、2 つ目と 3 つ目について焦点を当てて参考になりそうな曲をいくつか見ていきたいと思います。

まず「SHHis らしさを残しつつ受け入れられやすいポップス」としては、やはり K-POP の文化の中からあたりをつけていくとよさそうです。

親しみやすさをどのように盛り込んでいくか、という方法についてはいくつかの手法があるかと思うのですが、3つ目に挙げている項目の一昔前のアイドルシーンに詳しいことや、にちかのある意味での儚さにも焦点を当てるといわゆる City POP のテイストが入れるのが日本人的になんか聞いたことのある雰囲気を感じるのではないでしょうか。

K-POP での City POP の合流についてざっくり歴史を振り返ると、その黎明期で革命的な役割を果たしたのが Yubin の『淑女』(2018)です。

その後、いくつかのアーティストが追随するように City POP テイストの楽曲をリリースしていきました。そこで City POP = 日本 というイメージが構築されていく中でシーンを牽引していったのが YUKIKA です。幅広いアイマスのオタクならご存じかもしれませんが、この YUKIKA 氏は日本で本名の寺本來可名義で声優などとして活動したのちに、THE IDOLM@STER KR への出演をきっかけに活動拠点を韓国に移した方ですな。アーティストデビュー曲の『NEON』(2019) もがっつりと City POP を取り入れた曲なんです。

YUKIKA 氏の世界観が火付け役となって、その後 K-POP でのメインストリームになるというわけではないものの、一定の人気のあるジャンルとして様々なアーティストやアイドルが City POP テイストの曲をリリースしていきます。

一方で、日本国内でのアイドル× City POP でいうと、やはり一番最初に思い当たるのが七瀬佳乃(青山吉能)の『ステラ・ドライヴ』(2014)でしょう。

当時 MONACA 所属だった田中秀和によるトラックメイキングですが、アニソン文化・アイドル文化・City POP の中心を突いた名曲です。

いずれもあまりダンス的にはハードなものにはならないながらも、SHHis 楽曲らしいノリ感のある曲で、この路線で来る可能性も高いのかなと考えています。

レトロアイドル系の可能性

K-POP の文化の中での City POP という観点で見てきましたが、よくよく考えてみるとこの方向性だとどちらかといえば Team.Luna っぽい気がしなくもないです。

なので、次に別路線として八雲なみの時代のソロアイドル文化を継承している今現在のソロアイドルの曲路線についてみていきましょう。

日本のアニメ文化圏でソロアイドルとその楽曲にしっかりと向き合った最後の作品はおそらく「神のみぞ知るセカイ」の中川かのんになると思います。漫画連載当時や、アニメ放送の 2010 年の時点でもソロアイドルという文化はもうほとんど影も見えない状況でしたが、楽曲の側面でもアニソン的なテイストを取り込みながら一昔前のアイドルシーンを彷彿とさせるような曲がリリースされていました。

最近では麻倉ももさんがこういった一昔前のアイドル的な楽曲をリリースしているのもよく見かけますね。

リアルアイドルの方でもこういった文脈を受け継いでいるアイドルはちらほらいます。

うさぎのみみっく!! の川上きららさんのソロ活動での曲は全体的に 80 年代アイドルを彷彿とさせるたたずまいになっています。

(動画 38:01 からの『Mint Road』)

また、やや現代的なテイストに寄せたところになると広瀬愛菜さんの『なんだ、ただの青春か』のようなさわやかさも内包したポップス感もいいかもしれません。


……ステージでサイドステップだけで歌っているにちかを見たくありませんか?(願望)

にちかの物語や階段という要素も勘案すると、やはり王道な楽曲で美琴とは別路線を打ち出してくるのが自然かなと思います。王道アイドルポップスだと Sol っぽい形にもしやすそうですしね。

ということで、今回の思考としては、

本命:八雲なみの時代を彷彿とさせるレトロアイドルポップス
次点:City POP の流れを汲んだ K-POP 風な曲

の予想でどうでしょう(どうでしょう?)。

作編曲者さんの予想は、先ほど紹介した麻倉もも『プリンセスじゃなくても』と広瀬愛菜『なんだ、ただの青春か』の作編曲で入られている長谷泰宏(ユメトコスメ)さんだとピッタリ刺さる曲書いてくれそうだな〜と思っています。


おわりに

この記事では

  • 七草にちかのコミュの方向性とそのアイドル像について簡単に振り返り、

  • その中でもステッカーのデザインと関連して掘り下げておきたいコミュについて振り返って、

  • 以上を踏まえて、ソロで七草にちかが歌うとしたらどのようなジャンルでどのような曲が参考になりそうかを予想

しました。

ここまで来ていうのもなんですが、正直なところ私自身七草にちか担当 P というわけでもなく(限定カードも全然そろっていません……)、シャニマスの物語の中核人物としての七草にちかが好きな人間だったので、連作企画のにちか担当に立候補するのに非常に悩みました。

ですが、結果的にはその場のノリで「えいや」と立候補した結果、にちかを中心としたシャニマスのコミュを振り返るいい機会になりましたし、また、私の中の音楽関連の引き出しの整理と中身の追加に大きく役に立つ機会となりました。

この記事が読んでくださった方のシャニマスの見方や音楽の世界を広げる一助となれば幸いです。







★「にちかのソロ曲を初めて聴いてみた編」に続く――!


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