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Do it yourself

「はて?」
私は、ある部分に関して潔く諦めが早い。
ある部分は、しつこいほどにこだわるのに、ある部分に関しては、数秒で諦めてしまう。
私の住む家は、築100年を超える古い家。
当然自分で修繕を行わないと、次から次へと綻びが芋づる式に出てくる。
だから、

あれが必要になってくる。
そう、DIY。

Do it yourself。
というやつだ。
本音を言うと、このDIYが私は得意ではない。
他力本願なところがある私は、
心の隅で、誰かその道のプロにお願いしたらいい、と思ってしまいその思いが拭えない。
しかし、この国ではDIYが当たり前。
問題があれば、試行錯誤を重ね、どう直すか家族で協議が行われ、購入には、大層な時間を費やし、実際に手を動かし身体を動かすのだ。
こっちの人は、考えられない大変な作業を自分でこなすのだ。書いていても理解に苦しんでしまうこの習慣は、どうしても理解不能。
例を挙げると、階段を作ったり、デッキを作ったり、シャワーを取り付けたり、タイルを貼ったり、穴の空いた壁を直したり、流し台を交換したり、トイレを交換したり、家のことはほぼ自分でやる事をDIYと呼ぶらしい。

そう言う私も、やってみようと思う気持ちがないわけではない。

経験が無いだけで、やれば出来るのでは無いかと、思わないでも無い。

「え。」
ネジを目の前に呟く。
キッチンにつけようと思ったタオルをかける棒が残念そうに横たわる。
どう捻じ込んでもネジが入っていかない。
「は。」
キリで予め穴を開けて、ネジをねじ込むが、
0.2mmくらいしか入っていかない。
押して回して捻じ込んでも、どこか違う。
多分違う。

で、諦めた。続けるより諦めた方が早い。

やっぱり人には得意不得意があるんだと、ネジに言い訳した。

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