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猫-part3-

「she is friendly.」
里親のGianaさんが笑顔で言った。
私たちが優しく撫でると、顔を擦りつけてきた。
それから、Mollyの特徴や性格、接し方や育て方、餌の量などを説明してくれた。
30分ほど一緒に過ごし、子どもたちにどうしたいか聞いてみたところ、
「Mollyを家で飼いたい。」
と即答だった。
Giana さんに伝えたところ、契約書と契約金の振り込み(そのほとんどが猫の保護にかかる費用に充てられるそうだ。)を支払った後に引き渡しとなる流れを説明してくれた。
名残惜しみながら、Mollyにバイバイをし、またすぐ来るからね。と言ったら、ビー玉の様な透き通った目で遠くを眺めていた。

契約書には、
外猫にしない事、爪を抜かない事、連れて帰ったら病院登録をする事、マイクロチップの事などが挙げられていた。
契約書にサインをし、振り込みが済んだら、いよいよ引き渡しとなる。
保護猫を引き受けると一言で言っても、思った以上にいろんな手続きや制約がある為、途中で諦める人も少なく無いそうだ。
英語があまり得意ではない私たち夫婦には一苦労だった。
その反面、ボランティア活動をしている里親の方達の動物に対する心意に触れる事が出来たことや、親が不十分な英語の理解を子供達でカバーしてくれてたりする一面が見れて、良い経験になった。

そして、今。
餌の入った棚の下で、香箱座りをしたMollyがご飯の時間を待っている。
英語環境で育っている猫に、突然日本語で話しかけても理解するのだろうか、
とつい思ってしまう。

猫-完-





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