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12年振りに引っ越した

  市をまたいだ引っ越しになる。この前の引っ越しでもそうだった。カーテンレールのプラスチックが朽ちてふたつほど落ち、思い切って引っ越すか……と考えて重い腰を上げた。1月に動き始める。コロナ禍も少しは落ち着いているし、年老いる前にと決めた。

 いた部屋はとにかく立地が悪かった。すさまじい坂の上、しかも坂の途中ですらある位置にある部屋だったのだ。大学院に通うため、大学の近くにと探したがどこも異常に狭かったり収納がなかったり坂があったりと何かしら我慢しないといけなかった。
 兵庫県にある古い大学は坂の上にあることが多い。直線距離で近かったのだが、坂を大きく下り、また上がらないと大学には行けなかった。さらに、阪神大震災で大学周りにある商店などもなくなってしまったらしく、大学以外はなにもなかった。

 住んでみたらまた大変だった。エアコンが壊れていたのに気付かずしばらくぐったりしながら過ごしたり、買い出しに行くのも一苦労なので(当然コンビニなど近くにない)個配や通販で溜め込むように買ったり、病院も近くにないときたり……「ちょっと散歩に」という環境でもなかった。他にも、何度もいきなり水が出なくなったり、管理会社が控えめに言って悪徳だったりとめちゃくちゃだった。
 退去の手続きをしようとしたら「店じまいしたんで」と言われて大ピンチに陥ったりもした。大学生協に行ってみると、当時僕を内見に案内してくれた方がいらっしゃって少し感慨深かった。

 新しい部屋はこぢんまりとした下町で、駅近くにスーパーやら図書館やら病院やらがぎゅっと詰まったようになっている。その近辺にちょうどいい部屋があった。ひとつ希望していたところもあったが、そこは大家が偏見に満ちているらしく、例えば「離婚歴がある働いている女性」のような方をもバンバン断っているという。家賃を上げればいいのになそういう人は。他には路線のすぐ近くのところ、そして今住んでいる部屋を挙げられた。ということで内見してお願いしたらご縁があり部屋が決まった。洗濯機を部屋の中に置きたかったが、セパレートだし他の条件は悪くなさそうだからと。

 一斉に見積もりできるサービス、というもので見積もりしようとしたが、そう銘打っていながら「電話で問い合わせてね!」というメールが届くなどする。3月に差し掛かるとあり、日通は空いていない。相談員さんの推したハート引越センターも少し考えたが、問い合わせ以降のメールがしつこくなかったアップル引越センターに頼むことにした。ネットだけですべて完結するのもよかった。

 あれこれするにあたり、手続き関係で不安が多かったので相談センター(社会福祉協議会)に少し頼んだりもした。ASDもADHDもあるため、やり漏らしがあるかもしれないと危惧してのことである。市が変わると引き継ぎもある。新しい市での面談もした。転出届やマイナンバーのふたつめのパスワード設定など、見落としはやはりあった。ややこしい。

 転居の際には実家からヘルプを頼んだ。泊まりに来て、主にものを捨てることを手伝ってもらった。本をガンガン減らし、本棚を処分したら後々安心することになった。部屋が車の往来によって平均震度2ほどは揺れるからだ。喫茶店や近くの店に行き、食べて開拓もした。とても感謝している。

 引っ越したおかげで、食べ物がなくても飢えずに済むし外にも出られるし、散歩ついでに図書館にも行ける。二週間ほど経過したが、3日程度風邪っぽかったのと手首をひねっていたのと部屋が揺れること以外は概ね平和だ。

♡やサポートなどして頂けたら欣喜猫躍します。リアクションへのお礼画像は時々、不定期に入れ替える予定です。(/ΦωΦ)/