フィジカルよりメンタル。
皆さんは、ボーカルに関して、発声練習は単なるフィジカルトレーニングだと思っていませんか。
もちろんその側面が大きいのですが、そうして声帯を鍛えていけば、いつか良い声で歌えるようになると、短絡的に考えていませんか。
まずそれはありえないです。というよりそれだけでは、いついかなるときもその声で歌えるようにならないです。
なぜなら、人は状況に応じて声色を日頃から常に変えているので、せっかく鍛えた声もその場にくれば、今までの慣れた声の出し方に戻ってしまいがちなのです。
例えば、知らない番号から電話がかかってきたとき、もっと言うと目上の方から連絡が来たとき、声のトーンをいつもよりあげて「もしもしー」と出ていませんか。
いきなりドスの効いた感じで出る方の方が少ないはずですよね。
つまり、この時はこんな声の出し方、こんな状況だったらこんな声で、というのを無意識下で既に我々は自分で決めていたりするのです。
いつもよく行く職場で、声を変えて行ってみてください。不思議がられるに違いありません。
自身もそれが分かっているので、いつもの自分の話し方を「演じる」ことになります。
歌の場合においても、習っている時や練習している状況ではせっかく出来るようになってきても、LIVE時や何かいつもと雰囲気が違う場所や環境に来ると途端にできなくなったり、ということですね。
あるいはこの曲では出来るけど、新しい曲に来るとまた振り出しに戻ったり。
こういった普段の自身を取り巻く環境の中に、なかなか声が変わっていかない原因や落とし穴が多々潜んでいます。
つまり、根本的な能力が上がっても、瞬間的にしっかり使えてなければ意味がないということです。
なので、そういったフィジカルなトレーニングを活かせるようにするには、そういったそれぞれの状況に合わせて、自身の心持ちや声に対する意識を、普段から自発的に変えていかねば、鍛えた声は自然には出てきづらいのです。
これらを突き詰めていくと、最終的に「緊張」が全ての元凶で、大いなる敵だということに気がつくことになります。
LIVEをするときや何かプレゼンなどをするとき、どうすれば「緊張」をせずにこなせるようになるかがポイントだということです。
さて、どう対応していくか、ぜひこの続きはSidewaysのレッスンにて体感していただきたいと思います。
別記事でも「緊張」に関する話はまたします。
ひとまず今回はこのあたりで。
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