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大学生の古本雑録②

(文責:千葉 @u5ee9lCmWeLuYO0)
神田の東京古書会館で開催された明治古典会七夕古書大入札会に行ってきた。これは何なのかというと、「明治古典会」という業者しか入れない市が毎週あるのだが、年に一度この時期に、一般人も参加できるようにして大々的にやるのだ。私は金曜は大学があったので土曜の朝イチで行ってきた。

とりあえず気になったのは漱石の「森巻吉」宛の自筆物、森といえば漱石の講義を筆写したノートが東大に入っているが、葉書2通、書簡1通、署名本1冊とまとめて出たということは、でどころは遺族なのかコレクターなのか。ちなみに署名本は「行人」だった。確か某先生が「行人」の署名本は割とあるみたいなことをおっしゃっていた記憶があって、いつだったか探してみたけれど見つからず。残念。

他にも鏡花のななもと桜の袋付や、女優ナナのカバー付、独り歌へるなど、手に入らない高嶺の花ばかりが目についてしまう。途中、文学者参加スナップを見ながら盛り上がっている親子をほほえましく思いながら見ていると、オヤッと気になった本があった。目録の段階では全く気に留めてなかったが、中也の「在りし日の歌」がやけに綺麗なのだ。書き込みや印はなく、少し剥がし跡があることを除けば、本文もヤケがほとんどない善本だ。パラフィンの巻き方に見覚えがあり、外して表紙と背の状態も確認すると、これまた美しい!「山羊の歌」の200部に比べれば、初版600再版300と数は多い、だが欲しい!しかし金がない!あえなく引き下がる……

ちなみに太宰は書簡が2通と「駆込み訴へ」の赤本が出ていた。書簡は以前にどこかで見かけたのでウブい品ではなかったのだろう。

しかし小津安二郎の置手紙はすごい。よく残ってたなぁ……

黒澤の「野良犬」の映画フィルムなんかも面白そう。

ちなみに、今回個人的に良かったのは手塚治虫関連の原画や絵コンテがたくさん見れたことでした。やっぱり今回文学関連は少なかったなぁ。

諸情報

明治古典会はまた来年もこの時期に開催されます。明治古典会の情報は、明治古典会の公式からも確認できます。また今年の目録の内容はTwitter (@meijikotenkai)に掲載されているリンクから写真付きで確認できます。気になった本の画像が見たい方はぜひ。最低入札5万〜です。

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その他、不明な点や質問等は千葉(@u5ee9lCmWeLuYO0)まで。

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