麻法先生ネギ麻!
いや美味しかったけども。
昼飯
先日、友人とちょっと青森市まで足を延ばしてきた。かねてより「そのうち行くか」と言っていた『庵野秀明展』が終了間近だったので。そこが目的ではあったが、個人的には前から気になっていたラーメン店に行くことの方がワクワク度合いとしては大きかった。知ってます?『あさ利』ってんですけどね。
勿論『庵野展』も行きたかった所ではあるので、休日出勤を午前でやっつけてから友人と合流した僕はいささか高揚していたと思う。13時。しっかりと暑い。車を走らせ、昨晩観た映画の話や、書くほどでもない世間話をしつつ1時間弱。青森市に近づいてきた。どうやら友人は昼食がまだのようで(何なら朝食もまだのようで)、なら軽く飯を食おうという事に。『あさ利』は夜に行く予定なので、それ以外のお店を思い浮かべる。青森市で昼食?じゃあ焼きそばです。青森市特有のソースが絡んだ食べ応えのある中太麺が美味しい。友人は青森市の焼きそばを食べたことが無いらしい。なら尚更焼きそばにしよう。友人に許可を貰い、お気に入りの焼きそば店へ向かった。
相変わらず美味しかった。「確かに地元には無い物だな」なんて言う友人。もう少し感動とかして欲しかったぜ。
青森県立美術館
どう見ても外見がラブホテルなマンションを見つけたりしながら美術館に着くと、閉館2時間前とは言え、結構な人数が入場口を目指して歩いていた。やっぱり人気なんすね、庵野監督。正直そんなに客いないと思ってました。開催期間も終わりの方だったし。しばらく並んで大人2枚のチケットを購入。展示エリアへ向かう為のエレベーターのドアがそれぞれ「巨災対」「SSSP」「NERV」「バッタオーグのエンブレム」のデザインになっていて、「どうせならシン・仮面ライダーこの前観たし、バッタオーグのエレベーターがいいな」なんて思った。「NERV」のエレベーターだった。まぁ良し。
展示エリアも中々な人混みだった。展示品のほとんどが撮影自由だと教えて頂いたけど、終わってみれば入口の仮面ライダー監督のほか1点しか撮影しなかったな。もっと色々写真に残せば良かったと思う。会場には、庵野監督が子供の頃の特撮作品ポスターなんかから始まり、監督が影響を受けたアニメ、昔のスケッチ、絵コンテ、大学時代に撮ったウルトラマンの自主製作テープ、大人になってから手掛けた仕事の資料なんかがズラっと展示されていた。すげぇ~。初代ウルトラマンの撮影用スーツとかある~。ホントはじっくり眺めたかったけど、割と皆さんすぐ次に行くようで、そんな人たちの波に流されて正味40分程で出てきてしまった。まぁ蜘蛛オーグのマスクとか近くで見られたし、満足だな。僕たちと鑑賞スピードが同じ2人組の女性がニヤニヤしながら「やばいね、皆オタクなんじゃない?」って小馬鹿にしてたけど、傍から聞く限りその2人の方が知識量・熱量ともに段違いだった。いやどの口が言ってんねん。
色々
「面白かったねぇ庵野展」なんて話しながら今度はドンキホーテに向かう。友人の買いたい物があるようで。どうやら「リコリス・リコイル」のグッズがドンキにて発売されるらしい。好きねぇリコリス。確かに面白かったわアニメ。てっきり専用ブースが設えてあるのかと思い迷路みたいな店内をグルグル捜し歩いたけど、結局は家電コーナーに1つ、グッズが入ったラックがあるだけだった。もう少し見つけやすい所に置け。
暑さと庵野展&ドンキ迷路に持っていかれた体力を回復するべくコメダ珈琲へ。アイスコーヒーの大きいサイズを注文。店員さんに「アイスコーヒー.…たっぷりサイズで」とお願いした後、「なぜ?」と自問する。いらないよ1.5倍のアイスコーヒー。どうせお腹が冷えてトイレに行くことになるんだからさ。僕のお腹の弱さを知る友人にも「なんで?」と言われても分からない。きっと暑さにやられたんでしょう。飲むさ、お腹下さないようにゆ~っくりとな。
あさ利
僕のトイレタイムで友人を待たせてから、いよいよ『あさ利』へ向かう。『あさ利』。青森市にある激辛ネギラーメンのお店。以前からネットでこのお店を知っていたけど、辛い物がてんでダメな僕には縁がないと思っていた。なら何故行くのか。面白そうだから。嘘。ちょっと美味しそうだから。
到着。綺麗な夕暮れの空の下、人生初の激辛メニューに挑む僕はやり場のない緊張感で地に足が付いていない。まるで昔に何度か出た吹奏楽コンクールの出番前のようなふわふわ感。ただラーメンを食べるだけなのにね。ちなみに友人は辛い物好きなので、「前に来た時は行列で入れなかったんだよ」なんて僕の緊張なんかどこ吹く風だ。あ、さっき寄ったコンビニで飲むヨーグルトを買っておけばよかった。『辛い物を食べる前には飲むヨーグルトで胃粘膜を保護すると良い』ってどこかで聞いた事があるし。
暖簾をかき分ける。小上がり2卓にテーブルが3卓、カウンターが4席くらいのお店。席に着くとおばちゃんがメニューを渡してきた。どれどれ。そういえば餃子も美味しいって記事で読んだな。じゃあ餃子1枚と、ネギラーメンの辛さはどうしようか。いっそ辛さ抜きに….いやもったいないな.…。手元に視線を落とす。
あっ、餃子やってねぇでやんの。
どうやら今は麺類とご飯ものしか提供していないらしい。じゃあ暖簾に偽りありじゃんか。「ネギラーメンの辛さをあっさり味の餃子が中和してくれる」と記事にあったのに、これじゃネギラーメンの辛さにお供してくれるパーティがいない。ソロで辛さと戦わなければ。「はいっ、どうします?」。おばちゃんが注文を取ってくれる。「4と3を1つずつ下さい」。記事で読んだ「ネギラーメンを注文する時は辛さのレベルだけを伝える」を実践した。僕が頼んだ4は一番辛い『1』の1/4の辛さ、友人が頼んだ3は『1』の1/3の辛さの意味だ。初めての人は1/4から食べるのが良いらしい。『1』はネットで情報を探しても見つけられなかったので(恐らく食べれる人がいないのか)、辛い物好きの友人もまずは『3』をセレクトしたようだ。ぶっちゃけ『1』に行くんじゃないかと期待していたのは秘密。
それほど待たずにおばちゃんが『3』を運んできた。うわ~。スープが真っ赤だ。斜め切りされたネギと短冊に切られた分厚いチャーシューがたっぷりのラー油に浮かんでいる。持ち上げられた麺から大量の湯気と辛い匂いが漂ってきた。でもかすかに甘いような匂いも感じる。いや美味しそうだな。見てるだけで唾液が溢れてきたぞ。お冷を口に含んで僕の『4』に備えたところへおばちゃんが丼を運んできてくれた。
これが『4』。友人の方と比べるといささか薄い色をしているけど、それでもよくあるネギラーメンよりかはずっと赤い。スープをすくい、恐る恐る一口啜る。むせた。凄え~。辛い物ってホントにむせるんだ。かなり辛いな。舌にビリビリくるというか、どちらかと言えばじんわりたっぷり来る辛さ。山椒も効いてんなこれ。頭皮に汗がふつふつ滲むのを感じる。麺は細いちぢれ麺で、少し固めの茹で加減。辛い中にもスープとチャーシューの旨味、たくさん入ったネギの甘さが混在していて箸を止められない。うまいうまい辛い。そして多めのラー油でいつまでもアツアツだ。僕の鼻水も止められない。何度もティッシュで鼻を拭いながら、2人ともほとんど無言で一気に完食した。ごちそうさまでした。
危険信号
外に出てから一服し、お互いに感想を言い合う。スープは勿論の事、チャーシューの美味しさに驚いた。あれだけ売って欲しいレベル。辛さは意外とそうでもなく、いや確かに辛いは辛かったが、いつまでも後に残る辛さではなく、スッと消える心地いい辛さだった。友人は『2』でもイケたらしい。ホントかよ。ただし双方胃袋へのダメージはしっかり感じている。何やら胃の辺りが熱いぞ。そして僕の顔が真っ赤になっているのを友人に笑われて気付いた。車の窓ガラスで確認。まるで風呂にのぼせたかのような色味だった。体から警告出てんじゃん。
さて帰ろうかという話になったが、僕の腹が下る可能性が高かったので、様子見で少し市内を回る事にした。あ、今更だけど飲むヨーグルトを買おう。見かけたドラッグストアに車を停めると、友人が「俺行ってくるわ」とトイレに向かっていった。いやお前が下すんかい。一方の僕はというとその日は特に何もなく、しかし翌朝にはしっかりと地獄を見る羽目になった。長時間に渡って格闘し続けたので、しばらくはケツを労わろうと思う。そして次にネギラーメンを食べるときは辛味抜きの『5』を注文しよう。「心地いい辛さ」とか言ったけど、やっぱ普通に辛いの好きじゃないわ。ラー油入れる前のヤツ食いたい。