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明日から哲学始める人のスタートセット 原著10冊を攻略するためのアイテム

はじめに


以前threadsでこんなつぶやきをしてみました!

続きにも書いているのですが、選考基準は(主観が多いものも)、難易度・購入のしやすさ・言及される率の高さから選びました!

もちろん、これを全部読めなんて偉そうなことは言いません笑
が、全部読んでると、今後哲学と長くお付き合いしようとしている人(じゃなくても勿論おすすめ!)にとってはいいかもしれません笑

ってことで、これら10冊を読むための、おすすめ入門書・副読本を列挙してみようかなと思います!

①プラトン『ソクラテスの弁明』

哲学書界隈の先頭バッターとも言いうる『ソクラテスの弁明』!
哲学の祖ことソクラテスの考えを学ぶうえで重要な一冊です!

そんな本書に対するおすすめの攻略本ですが、ぶっちゃけいりません笑
いきなり原著からスタートしてもいい難易度とページ数で、どちらかというと翻訳選びが重要です!

そのおすすめ翻訳が、光文社古典新訳文庫の納富先生訳の『ソクラテスの弁明』です!
最新訳ですので、昔言葉での翻訳はされておらず、また、巻末解説が副読本の役割をはたしています!

まぁ、なので「何か入門書は~」というよりかは、「光文社訳を探せ~」って感じの結論ですね!

②プラトン『国家』

もしかしたら、今回選抜した10冊の中で一番のボスかもしれません笑
選抜理由として、「超」が付くほど難解ではない+長く深く哲学とお付き合いしていくのであれば、遅かれ早かれ買わざる負えないという事実に基づいてです笑

あと、哲学をやっていくうえで「イデア論」をしっかり抑えるという意味合いも含めて選抜しております!(イデア論の説明はリンク先にて)

そんな本書を攻略するためのお助け本の一つは、中畑正志『はじめてのプラトン』(講談社現代新書)です!

6章と7章、二つの章にわたっての解説や、『国家』を読む上での前提知識も、それまでの章でゲットできますので、是非よければ!

③アリストテレス『二コマコス倫理学』

こちらも『ソクラテスの弁明』同様に、光文社訳で原著から入ってもいいタイプの本だと思っています!
或いは、少し値段がかかりますが、京都学術出版訳もその注釈の多さからおすすめです!

ただ本書は少し、分量の面でややハードルが高い…
なので、少し全体像を入れてから挑戦したいという方には、山本芳久『100分de名著 二コマコス倫理学』(NHK出版)を参照するのがいいかなーと思われます!

④エピクテトス『人生談義』or『語録・要録』

哲学にも一応、派閥のようなものがありまして、その一つに「ストア派」なるものがあります!
そして、ストア派という言葉が、哲学界隈ではよくみるワードの一つ!

そのため、数いるストア派の哲学者の中から、「ストア派」そのものの考え方が理解しやすいのではないかと思えるエピクテトスさんの本を選抜してみました!(二冊上げているように見えますが、両者翻訳違いの同一本です)

そんなエピクテトスを読むための手引きになる本は、荻野弘之『奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業』(ダイヤモンド社)です!
この入門書は、漫画・文字・原著の言葉の三点セットが出そろっているのが、推しポイントです!

⑤デカルト『方法序説』

近代哲学の父と言われるほど重要な人物デカルトさん
本当はその主著である『省察』を読むのがベストなのですが、それへの足掛かりになる本として、『方法序説』を今回は選抜!

ちなみに本書は、デカルト自身が書いたデカルト哲学入門の書籍であり、ページ数が100頁ほど!
なので、こちらも原著からスタートがおすすめの一冊です!

強いて、入門書を挙げるとすれば、名波優太『我思う、ゆえに、我あり』(講談社まんが学術文庫)です!
漫画解説系は、当たり外れが或るんですが、こちらは、問題なく入門書としての役割をはたせていると思うので、もし原著を読んでいて、辛ければ、こちらを参照してみてください!

⑥カント『プロレゴメナ』

こちらも、デカルトと同じく、本当は主著『純粋理性批判』をよみたいところ、その足掛かりとしての一冊です笑

主著の『純粋理性批判』は、哲学書の中でも鬼ムズで、カント自身もその点を自覚して、『純粋理性批判』への入門書として『プロレゴメナ』を書いたという背景がございます!

デカルトと違ってこちらは、鬼ムズ本の入門書ですから、『プロレゴメナ』は難しい入門書という立ち位置となります笑

よって、現代の偉い学者さんの書いた入門書の力を借りるとしましょう!
竹田清嗣『超解読! はじめてのカント『純粋理性批判』』

『プロレゴメナ』の入門書でなく、『純粋理性批判』の入門書を選抜した理由は、先述したように、前者が後者の入門書であるという位置にあるからです!
なので、『純粋理性批判』の内容を少しでもあるのであれば、『プロレゴメナ』を読み解く手助けになるという次第です!
(一応、御子柴先生の書かれた『プロレゴメナ』の入門書がNHKブックスであるのですが、こちらは私が未読&ちょっとムズめの入門書の予感がしているので、あえて言及はしません)

⑦ショーペンハウアー『幸福について』

本当はここの部分をヘーゲルにしたかったのですが、ヘーゲルの本は、どれも難しいという実情があり、「明日から哲学を勉強し始める人の為の原著スターターセット」という趣旨から逸脱してしまいます…

なので、この時代にヘーゲルと同じぐらい重要な哲学者であるショーペンハウアーを選抜したという次第です!
ショーペンハウアーの文章は、ドイツ語を勉強する際の教材として採用されるほど分かりやすく、文章における天才です!

彼の主著は『意志と表象としての世界』なのですが、(またも同じく)本書への足掛かりとして、『幸福について』を選びました笑

入手しておきたい入門書は、梅田考太『今を生きる思想 ショーペンハウアー』(講談社現代新書)です!

100頁ほどの分量で、かつ、時代背景から、主著の『意志と表象としての世界』と『幸福について』の解説&両者の関係にまで言及ありという良書です!

⑧ニーチェ『道徳の系譜学』

そんなショーペンハウアーとの思想史上の繋がりもアリ、20世紀以降の哲学を読んでいく中で、よく言及されるのが、ニーチェです!

ニーチェを最初に読むのであれば、『善悪の彼岸』か、今上げている『道徳の系譜学』のどちらかだと思われます!
私が後者を選んだ理由は、ページ数と文体によるものです!

『善悪の彼岸』は、ページ数が結構あって、文体も詩的で少し掴みにくさのようなものがあります…
よって、最初の一冊として、私は『道徳の系譜学』を推しているわけです笑
※(本書の文体がどちらかというと特殊で、ニーチェの文章は基本詩的です)

ニーチェの入門書は大量にあります笑(大人気であるゆえに)
そのうえで、清水真木『ニーチェ入門』(ちくま学芸文庫)をおすすめしておきます!

ニーチェ用語やニーチェの思想背景などを平易な文章で解説してくれている一冊です!
他にもニーチェ入門書は大量にあるので、他も本屋で探して立ち読みしてみるのがいいのかもしれません…が、とりあえず私からは上記の本を推薦しておきます!

⑨マルクス『共産党宣言』

「階級闘争」「下部構造」「マルクス主義」

マルクス以後の哲学関連書籍は、だいたい上記の言葉が現れます笑
よって、マルクスの中でも比較的読みやすいと思われる『共産党宣言』を選抜しました…が、ごめんなさい、私は本書をよんでおりません💦

なので、他にもマルクスの書籍で読みやすい本があれば、教えてください!

さて、マルクスの入門書ですが、斎藤幸平『100分de名著 資本論』(NHK出版)か、白井聡『今を生きる思想 マルクス』(講談社現代新書)の二冊を挙げておきます!
こちらも、本屋で立ち読みして、自分に合いそうな方を選んで読んでいただければいいかなと思われます!

⑩サルトル『実存主義とは何か』

とりあえず、20世紀を代表する哲学者のうちで、比較的初心者向けの一冊を選びたいという理由で選びました!
あと、実存主義についての理解は結構、重要やとも思いますので!

ヤスパースの『哲学入門』とも迷ったのですが、こちらをまだ読んでおらず、実際の難易度が不明ということもあり、選抜から外しました💦

さて、おすすめの入門書は、海老坂武『100分de名著 実存主義とは何か』(NHK出版)です!

ぶっちゃけ、サルトルの入門書この本以外に何かあるのか分かんないです笑
探せばあるのかもしれませんが、ここは安心と信頼の100分de名著でいいと思っています笑

おわりに

いかがでしたでしょうか?
色々拙い部分などあると思いますが、それでも誰かのお役に立てたなら幸いです!

今日紹介した古典も入門書もいい本ばかりだと思いますので、そこまで深くは勉強しないけど哲学をかじってみたいという方にも是非お勧めです!

もし、何かコメントやリアクションがございましたら、遠慮なくお願いします!それが私の活動の原動力なりますので笑
よろしくお願いします!

以上

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