見出し画像

喫茶随想録 #6_エスペラント

朝起きて、今日は映画を観に行こうと思い立つ。でも特に観たい映画があるわけではない。そんなときは高田馬場にある映画館「早稲田松竹」に向かえば間違いない。◯◯監督作品、インド映画特集、など何らかの共通点がある映画が二本立てで上映されている。一週間ごとに変わってく映画の選定がいつも絶妙だし、一本分の値段のチケットで二本の映画を観られるのが嬉しい。そんな楽しい映画館の向いに、喫茶店があることが素晴らしい。映画鑑賞には喫茶店が欠かせない。映画を観る前も観た後も喫茶店に行きたくなる。観る前は映画が始まるまでのちょっとした時間潰し。ここではなるべく、これから観る映画について余計な情報は入れずにおきたい。軽食でお腹を満たすのもいい。映画を観たあとは余韻に浸る。余韻は少しでも長く引き摺っていたい。珈琲一杯分でいい。すぐに家に帰ってしまったら、日常のあれこれに引き戻されて、覚めてしまう。つまり、二本立ての合間に行く喫茶店は至福である。午前中に一本観て、喫茶店で一服、二本目に向けて腹ごしらえをする。さあ次はどうでしょうとまたスクリーンの前に構える。一番贅沢で充実した休日の過ごし方かもしれない。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?